やんばるの森で巨大テナガエビを狙う!
強風が吹いて海はシケ、この日の沖釣りは中止になった。そこで、風の影響がない山奥の川でコンジンテナガエビを狙うことにした。関東地区では、テナガエビは梅雨時から夏に掛けて主に川の下流域で釣れる。真冬は完全にオフだ。「沖縄のテナガエビも冬眠中かも?」。多少の不安もあったが、コンジンテナガエビたちはしっかりと餌を追ってくれた。
沖縄本島には、コンジンテナガエビの他にもミナミテナガエビなど数種が生息しているが、最もデッカイのが、今回ターゲットにしたコンジンテナガエビだ。手の長さを含めると30cmオーバーにもなる立派な「エビ」だ。川の中・上流域にはどこにでも生息しているようだが、今回は生息数が多いといわれる沖縄本島北部“やんばる”と呼ばれるエリアの自然豊かな渓流を訪ねてみた。
素晴らしい渓相のやんばるの川
一般に沖縄本島に川のイメージはない。しかし、本島を地図で見ると、北半分は森林と小さな河川のある自然豊かな山原(やんばる)と呼ばれるエリアだ。因みにあの天然記念物のヤンバルクイナも生息している。森林の中にある沢は、水量は少ないながらも本州ならイワナのいそうな渓相。そこに生息しているのが、狙いのコンジンテナガエビと貴重種キバラヨシノボリなどだ。
タックルは関東の手長エビと同じでいい!
コンジンテナガエビのサイズは大きいので、関東のテナガエビの市販仕掛けにオモリプラスでスタート。これでダメなら、ハリス0.6号、エビバリ3号にする予定だったが、問題なかった。因みに、沖縄の釣り具店では、このエビバリを見かけないので持参した方が良い。また、メインになるポイントは淀み中心なのだが、流れの中の石裏にもいるので、ガン玉4Bくらいの重めのミャク釣りが楽だ。餌は本州のエビ釣りでも効果があったコンビニの生ハム(120円)を使った。何でも喰うという話もあるので、ソーセージやごはん粒でもいいかも知れない。出掛けた折には色々試して頂きたい。
ポイントが分かり難いので寄せ餌を…
石の周り、枯れ葉の積み重なりなど障害物周りに餌を置くと、“手”が出てくるのは関東のテナガエビと同じ。今回は冬で活性が鈍かったためか、餌を置いて2分位経ってから反応があり、それから喰い込む状況だった。
関東のテナガエビは、消波ブロックなどポイントが絞りやすいのだが、沖縄の渓流は、慣れないとテナガエビがどこにいるのか見当が付かない。そこで、作戦として寄せ餌が有効。沈むものであれば寄ってきて姿が見える。この寄せ餌も何でも効果があるようで、スーパーで半額になっていた巻き寿司を使ってみた。魚の場合は、寄せ餌をしてすぐに反応があるのだが、コンジンテナガエビの場合は、暫くしてから出てくる感じ。今回は撒いてから約5分で、どこからか数匹が出て来た。釣り場に着いたらまず数ヵ所に寄せ餌を撒き、それからタックル、仕掛けをセットする位でいいと思う。
南の島の川釣りでしか出会えない魚がいる
やんばるを流れる川は、透明度が高く、寄せ餌をしてエビを確認してから釣るサイトフィッシングが楽しめる。この日は気温18℃、水温15℃位で、活性が低めだったためか付け餌を喰い込むまで約2分。ゆっくり合わせた方が断然よかった。
今回のコンジンテナガエビだけでなく、沖縄には現地に行かないと出会えない生き物に会える。河口付近のマングローブでのゴマフエダイやターポンから、上流のエビや独特のハゼ。発見のあるとても楽しい時間が過ごせると思う。ただ貴重種も非常に多いので、その点に十分注意しながら楽しんで頂きたい。
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