静岡県・伊豆半島 春ど真ん中、大型アオリイカを狙って…100kmランガンの旅!

日本列島、春ど真ん中!釣行も、そして釣果も厳しい冬は終わった。さぞかし“伊豆の海”も春めいていることだろう。静岡県・沼津から下田まで伊豆半島を春の大型アオリイカを探しつつ、“お魚調査”へ向かうことにした。大移動しながらのランガン釣行だ。そこには富士の絶景、サクラのトンネル、そして、多くの釣り人、多くの魚で賑わう景色が広がっていた。

ソルト
  • 静岡県 西伊豆

沼津エリアは、釣り人で大盛り上がり!

知り合いの釣具屋さんからの一報が入ったのは金曜日の夜だった。「たった今、沼津でBIGサイズのアオリが出たぞ~」と。なんと3kgの“春アオリ”が釣れたとの事だった。「今、伊豆に行かずにどこに行く!」。フットワークは軽く、すぐに準備をして出発することに。伊豆へ向かう車窓からは、夜明けと共にうっすらと富士山が見え出していた。
まずは、“春アオリ”の情報があった三津浜方面に向かい、海岸線を走りながらポイントを決めることにした。南下を続け、以前カサゴにタカベが“大漁”だった「木負堤防」に向かう。目的地に到着、駐車場に入ろうとした時目に飛び込んできたのは「満車」の文字!漁港のおじちゃんが入口でバツマーク。「なんと!こんなに朝早いのに…」。夜釣りも可能な「木負堤防」は、夜の内からアオリイカ狙いや“青物”狙いの多くの釣り人で一杯だったのだ。これは想定外だった。諦めるしかない。しかし、こんなにも多くの釣り人で一杯の釣り場を久し振りに目にして、何だかとても楽しい気持ちになった。
更に南下することにした。道中よい感じの岸壁や堤防が沢山あるのだが、どこも釣り人が多く、駐車ポイントも一杯になっていた。やっと辿り着いたのは「足保の堤防」だった。あと数台という駐車場の空きに滑り込みセーフ。私達がタックルなどの準備が終わる頃にはここも満車となっていた。すっかり陽も昇ってしまったが、やっと竿を出せる!タックルを持って海を見ると、そこには真っ青な空と海、そして富士山の絶景が広がっていた。

青天!富士の絶景が広がっていた
海岸線には満開のサクラが咲き誇っていた

沼津エリアは海中も春めき、魚影濃く、ボイルの連発!

足保は沖に伸びた防波堤が人気だ。足場も高くなく、湾内なので波気立ちにくく、初心者でも釣りやすい。ここはアオリイカで有名な釣り場だ。“エギンガー”に“ヤエン師”と様々な釣法で春の大型アオリを狙っている。沖合は深く掘れているので、日中でも“青物”などの回遊もあるという。早速湾内を覗けば何やら小型のベイトフィッシュから大型のメジナであろう魚がウヨウヨ!凄い数である!これはテンションが上がる!
外海側ではエギを投げる人の姿が多く見られた。早速私も第1投!どうやら海底は沖合までゴツゴツとした地形が広がっているようなので、根掛かりを注意する必要があった。釣り人の隙間をランガンしていく。すると沖合ではボイルが!逃げ惑うベイトフィッシュが見えた。“青物”狙いの釣り人達は一斉にルアーや餌をキャストし出した。しかし、そう簡単に釣れるものではないようだ。時折銀色の魚体が海面からジャンプする姿が見える。なんの魚?
私達の投げるエギにも反応はない。しかし、めげずにエギを投げていると、少年が突然「一緒に釣りしましょう」と声を掛けてきてくれた。メジナ狙いの少年とアオリ狙いの私は、一緒に釣りをすることになった。すると少し離れた場所で「キター!」と賑やかな青年達。声を掛けると釣れた魚を見せてくれた。そこには銀色の魚体のクロサギが。恐らくこれがベイトを追い回していた正体であろう。この後クロサギは次々と釣り上がっていた。
足保では多くの魚が目視出来た。時間帯や状況によっては入れ喰いもあるだろう。堤防には大きなスミ跡もあったので、大型のアオリも入ってきているに違いない。少年の可愛いナンパ!?のお陰で楽しい釣り時間を過ごし、夢の春アオリを探しにポイント移動することにした。

海は透明度が高く魚達の姿がよく見えた
堤防手前には磯場も
漁港内でも多くの魚が目視出来た
元気よく小魚を追い回していたのはクロサギ
遠投するとテンポよく釣れる!中々の引きだ

賑やかに“青物”のボイル多発!ついにアオリイカの姿も!

海岸沿いの沼津土肥線を更に南下!井田、戸田、とランガンして土肥へ。南下すればするほど釣り場の混雑は解消されていった。沼津の釣り場とは違い、人も少なくのんびりとした時間が流れていた。西伊豆の釣り場は“エギンガー”の割合が非常に高い。それだけイカの実績が高いのだろう。
手前に消波ブロックの入ったポイントに入ってみることにした。ここも透明度が高く美しい。あちらこちらにスミ跡もある。シャロータイプのエギをチョイスして、ゆっくりとした沈下スピードで、「どうかアオリ様見つけてください!」と願いつつキャストしていった。しかし、ここでも空振り…。
更に南下して宇久須へ。ここはTVやネットで調べた「春アオリ!ポイントはここだ!」という条件にピッタリの藻場があり、いかにもアオリが産卵で訪れそうな場所だった。藻周辺には小魚も多くいた。藻OK!ベイトOK!スミ跡もバッチリ!投げた投げた!これでもかってぐらいエギを投げた。しかし、ここもアオリ様反応なし!宇久須ではあちらこちらでボイルが頻繁に起こり、“青物”が入ってきてしまった。

土肥に向かう道は混雑もなくサクラのトンネルが続く。絶景のスポット
大きくなったタラの芽もあちらこちらに見られた
土肥のポイントでは多くの“エギンガー”が“春イカ”を狙っていた
土肥では大きなウツボもよく釣れる
宇久須では藻場がたくさんあって、いかにもアオリイカがいそうな雰囲気だった

西伊豆最後のポイント仁科へ移動!

仁科川の河口のポイントは磯に堤防にとポイントが点在する。よい感じの磯には藻もあり、変化のあるポイントで目移りしてしまう。ここもイカでは有名な釣り場である。釣り場に着くとアジ餌の“泳がせ釣り”でアオリを狙う釣り人の姿も。水深は浅く手前は底までよく見えるほどだ。磯場だが根掛かりもしにくく釣りやすいポイントである。
こちらでもシャロータイプのエギで…。すると相方の動きがおかしい。何か違和感があったようだ。「来たか?来たのか?」。今日一のドキドキ!も束の間…、グッと重みを一瞬感じたようだが生命感なし…。シロギス釣りのテンビン仕掛けが…。するとアジ泳がせのおじさまにHIT!ヤエン投入!上がってきたのは400gほどのアオリイカだ~!「小さいな~」とおじさまは言うがアオリはアオリだ!羨ましい~。思わず駆け寄ってしまった。アオリイカは間違いなくいる!釣れずとも希望の持てる1杯となった。

仁科は変化に富んだよい感じの磯場が続く
グッと重みを感じたのはシロギス釣りテンビン仕掛け
アジの泳がせでアオリイカを狙うおじさまも。元気よくアジが泳いでいた
ヤエン釣りに来たアオリイカ!やっとアオリイカの姿を見ることが出来た。仁科は今シーズンこれくらいのサイズが多いらしい
沖のポイントには渡船が出ていて3,000円で渡しをしてくれるそうだ

最終は下田外浦で。2杯のアオリがエギに…

朝からエギを投げ続け、腕も疲労困憊!最後のチャンスに掛け、「下田外浦堤防」へと大移動した。ここは秋に訪れた時にアオリイカを何杯も目視出来た釣り場。
下田に着くと北東の風が強くエギが投げ難い状況が待っていた。しかし、湾内にキャストして足元までエギが来た時、2つの影が…。「アオリだ!いい型だ!」。しゃくりを入れてフォールさせると、スーッと1杯が近寄ってきたがエギの手前で止まってしまった。もう1度しゃくりを入れ誘うが…。2杯のアオリはスーッと深みへと消えて行った。「クウ~逃した~」。
今回は、憧れの「春のBIGアオリイカ」に出会うことは出来なかった。しかし、絶景の富士山、サクラのトンネル、まるで夏のような日差し。全身で春を感じる素敵な伊豆釣行となった。このランガンがいつか身を結ぶ日が来ると信じ、アオリイカ探しの旅をこれからも続けていこうと思うのであった。

下田の川沿いもサクラ並木が続き、多くの人が河原でお花見をしていた
ついに大事にしていた限定のエギ出動!根掛かりしませんように…
エギのおかげか!?良型のアオリイカ2杯がチェイス!あと数cmの所で海へとお帰りになってしまった
美しい海、富士山、満開のサクラ。伊豆のフィールドには感動の景色が広がっていた

施設等情報

■釣具・釣餌 タイシ
〒4100822 静岡県沼津市香貫下障子3145
TEL:055-932-8848
365日24時間 年中無休
※コマセ解凍予約可
※活アジあり 釣具・釣餌 タイシホームページ

施設等関連情報

沼津~仁科 県道17号→国道136号海岸線を進む 約1時間20分
仁科~下田 国道136(下田松崎線)→県道15号(稲生沢川沿い) 約50分

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

SHOHEY 鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。

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