東京湾のマダイ!いよいよ“乗っ込み”前の荒食い本格化!?

東京湾のマダイがいよいよ“乗っ込み”態勢に入った。サクラが記録的な早さで開花した関東エリア。何故かサクラと“乗っ込み”マダイに繋がりがある感じを受けるが、今年は正に「桜鯛」の言葉が当てはまる展開。海水温の関係で若干ムラはあるようだが食いは活発だ。良型が交じる事も多い。神奈川県・三浦半島の宮川港『二宮丸』に出掛け、“乗っ込み”のコマセダイをレポート。

船釣り
  • 二宮丸・神奈川県宮川港

アクセス

車の場合、横浜横須賀道路・衣笠ICで降り、三浦縦貫道路終点から三崎方面に向かう。城ヶ島入り口を左折、城ヶ島大橋手前を左折して道なりに進めば宮川港だ。ナビの住所設定は「神奈川県三浦市宮川町11-30」にセット。

タックル

コマセを使うマダイ釣り。この釣りを基準に電動リールが進化したと言っても過言ではない。小・中型電動リールのパワーとドラグ性能が飛躍的に向上した。道糸もワンランク細くなりPE3号前後が主流。竿はムーチングアクションの3m前後。コマセカゴ、タナが安定する事とハリス切れを防ぐ効果もある。因みにグラス100%ではハリが飲まれる事も多く、柔らかい分ハリスのダメージを抑えられる。対してカーボンが少し入る竿だと口の周りにハリが掛かる。ヒネリが入っていないマダイ用のハリなので、恐らく軽く飲まれたハリが口迄引きずられてフッキングしているのだろう。この辺は面白い傾向だ。
ハリはマダイ用の8、9号、ハリスはフロロカーボン4号、10mが基準。途中にスイベルを付ける人も多い。クッションゴムは太さ1.5mmの長さ1mを使用。天秤はアーム長50cm前後。ビシは80号でオキアミ用。

コマセダイ専用タックル
撒き餌はオキアミ
左がアミコマセ用、右がオキアミコマセ用
付け餌は持参
オキアミは真っすぐになる様に付ける

“乗っ込み”気配に緊張感

港に着いて準備をしていると、この日同船する釣り人達が到着。「今日は取材なんだ。沢山釣れると良いね」、「この前は結構釣れたみたいよ」、「最近は“乗っ込み”と言ってもバラバラな感じなんだよね」と皆さん。どうやら海水温変化の影響は出ている様だ。話しながら空を見ると雲の流れが速い。北風が強くコンディション的には悪い感じだ。「山口さん、“豚サバ釣り“に来れなかったね」と言いながら宮川剛船長が到着。豚サバ釣りとは丸々太った大型サバ(通称・豚サバ)釣りで『二宮丸』の大人気の釣り物だ。マダイの状況を尋ねると、「少し“乗っ込み”って感じだね」との事。また、「“乗っ込み”前の荒食いが今日始まるかも」と船長。期待感120%を胸に午前6時に出船。釣り場の剣崎沖に向かった。

ポイントに着くと風が強いコンディション。航程約30分
ポイントの剣崎沖にマダイ船集結

スタートからトリプルヒット

北風が強い状況。剣崎が近くなると波も高くなって来た。気温も低く寒い。船長から「海面からのタナ取りで、指示ダナからプラス6mまで沈め、2回位コマセを振って丁度タナに来るように合わせてください」とアナウンス。コマセマダイはこれが肝心。慣れて来ると基準よりハリスを長くしたり、タナを下げたりする人がいるが、必ず船長の指示ダナは守りたい。「上から34mね」(船長)。各自仕掛けを投入。竿を大きく振り、コマセの帯を作る。ロングロッドのしなやかな動きは壮観だ。タナに合わせてアタリを待つが、少し間を置き誘い上げ、誘い下げを行うのも最近のトレンド。暫くすると右舷胴の間(中央)でヒット。「“乗っ込み”シーズンに10匹釣ってみたいんだ」と笑顔で話してくれた釣り人だ。すると右舷大ドモ(船尾)でもヒット。更に左舷大ドモも。カメラが間に合わない展開。「凄い!」。海況が悪く「タモを入れられないのでお客さん同士でお願いしますね」と船長。いい雰囲気でタモ入れ開始。3匹ともマダイ。1kg級だったが“トリプルヒット”でスタートした。右舷側では連続ヒットで早々に2匹目の人もいた。更に丸々太ったクロダイもヒットして来た。

開始早々にヒット
船中1匹目、綺麗なマダイだ
その後ろでもヒット
こちらもマダイ
そしてもう1匹。“トリプルヒット”
クロダイも多く上がった。嬉しいゲスト
こちらも“乗っ込み”体型

指示ダナピッタリで良型マダイが浮上

暫くして私も参戦。大好きな釣りで有りながら実は2年ぶりのコマセダイ。予報が悪かったので、竿は軽量細身、柔らかめの物を持ち込んで、コマセカゴの穴は3分の2を塞ぐ設定。船の揺れでコマセが出過ぎてしまう対策と、早くコマセが空になると竿に掛かる負荷も少なくなり竿が動き過ぎてしまう。タナが安定しなくなるのを防ぐ為だ。指示ダナ37m。プラス6mで43m。そこから大きく竿を振り上げ2回に分けてコマセを撒く。ゆっくりと振り上げた竿を戻してキーパーの位置で指示ダナに合わせた。
数10秒後、穂先が海面に入った。ムーチングアクションの竿が弧を描いて綺麗に曲がり込む。コマセマダイならではの光景。突然の突っ込みも竿が曲がり込んで吸収してくれる。ファイトを楽しんで仕掛けを回収。海面に魚影が見えた。「おおおっ!」、2kg級のまずまずサイズ。続いて船長の指示ダナ通りで2匹のクロダイも上げる事が出来た。「反応を浮かせて釣る」。活性を上げる釣り方は本当に楽しい。時折イナダがあちらこちらでヒットして盛り上がりを見せる。左舷ミヨシ(船首)では正に“乗っ込みダイ”という体型の3kg級も浮上した。今期は長く楽しめそうな雰囲気。更に大型のチャンスはこれからなので是非東京湾のコマセマダイを楽しんで見ては如何だろう。

イナダも活性が高い
イナダは嬉しいゲスト
“乗っ込み”らしい魚体のマダイが浮上
黒ずみ風格があるマダイ
船長の指示ダナピッタリで、私にもヒット
いつも楽しい釣りを提供してくれる、宮川剛船長
捌いてみるとマダイはメスで卵。これも美味しい
クロダイには白子が入っていた

施設等情報

神奈川県宮川港『二宮丸』
〒238-0231 神奈川県三浦市宮川町17-3
TEL:090-8813-6049
定休日:なし 釣果・施設情報 二宮丸ホームページ

施設等関連情報

マダイ乗合 (出船日はHP、船宿確認)
出船時間・・集合:午前5時30分
料金:1万1000円 コマセ1枚、氷サービス
付け餌持参
(貸し道具・仕掛け・女性割引、仕立船は船宿確認)

※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。

この記事を書いたライター

山口 充 プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。

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