響灘=海ガメの故郷“三里松原”で投げる
ここは海ガメのサンクチュアリィで潮に産卵場所の砂がさらわれないように、突堤を造る工事が行なわれている。この日はその突堤周りが釣り場で、潮が突堤に当たって攪拌され、餌が集まるのではないかとの見当をつけて投げてみた。
外海に向かってブン投げる時は、425ー27の竿にキッチリ27号のオモリでフルキャスト。とはいえ、砲丸投げのようなV字投法なんていう荒技は出来ない。そこで腰をちょっとばかり効かせながら、竿尻を握り込んだ左手を引き、右手で竿の胴を思いっきり押し出す。こんな動作でも0.6号のラインはよく飛んで5色位は出るのだ。ハリは小さいものから大きいものまで釣れる盛期用に新しく結んだ。ハリは3本。手返しがいいことと、餌(ジャリメ、砂ゴカイ)1匹を三等分して使うと無駄なく使えるのがいい。
思いっきりブン投げて沖目にいた良型を掛ける
海の底は幾重にも砂紋が続いて、まるで潮に耕された畑地である。だからきっと魚が棲んでいる。コトンコトンとオモリを引きながら、リールフットを握り込んだ拳を糸電話を聞くように耳元に寄せてアタリを待つ。
この日、魚がいたのは5色辺りの沖目で、なんとか届く距離だった。ハンドルが重くなり、オモリが大きな砂紋にかかるとゴンゴンと来た。大きいぞ!その後は、ポツリポツリと拾うように掛けたが、潮が満ちてシロギスの居場所が遠くなるに従ってアタリが遠のいた。海の果てまでブンブン投げ続けるわけにはいかない。しかし、晩餐の菜料は充分。佳き釣りの日としなければなるまい。
数日後、玄界灘・鳴き砂の勝浦でブン投げる
鳴き砂の浜で“キュッキュッ”という音を聞きながら投げるのがまた楽しい。ここで大きいシロギスを狙うなら小岩が散らばった根がいい。広い砂浜を真ん中で断ち切るように小川が流れていて多分これが大昔、山から岩を運んできたに違いない。4色から5色付近にそれが帯状の根を造り、大きいシロギスが潜んでいる。根の切れ目は肉眼でも見えるので根掛かりを恐れず、思いっ切り投げてオモリを寄せてくることにする。この日も425ー27でフルキャスト!
すると1投目から大きいアタリがあって、竿先がゴンゴン引っ張られて楽しい。オモリを20号に落としてみた。軽いオモリで5色近く投げることが出来ればシロギスは喰って来たし、引き味をいっそう堪能したくなったからだ。
昼の満潮に向かって潮が寄せてくる。しかし、潮と一緒に波口に差してくるのは小型ばかり。そこでオモリを27号に戻して根に届くよう力いっぱい投げる。すると、ちょっと大きいシロギスが喰って来て、暫く潮と根を読む楽しさを味わうことになった。しかし、陽が高くなり、海がナギになるとアタリが止んでしまった。ああもう充分堪能した、竿をたたもう。2時間ほどだったが楽しい一日になった。
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