第39回「釣りビジョン」番組審議委員会 議事録
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開催年月日
2025年7月16日(水)13:30~
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開催場所
株式会社釣りビジョン(東京都新宿区西新宿三丁目9番19号 イマス西新宿第二ビル3階)
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出席者
番組審議委員:7名出席
- 大藤謙一(株式会社大藤つり具 代表取締役)
- 大沼史門(水産庁資源管理部管理調整課 沿岸・遊漁室 課長補佐)
- 小松智昭(一般社団法人日本釣用品工業会 専務理事)
- 下山秀雄(公益財団法人日本釣振興会 専務理事)
- 鈴木康友(株式会社つり人社 取締役会長)
- 東 知憲(NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会 専務理事)
- 山田邦子(タレント)
ご欠席:工藤貴史
(敬称略、50音順)(株)釣りビジョン役職員
- 嶋村安高(代表取締役社長)
- 吉田 諭(社長室 担当部長)
- 氏江大祐(編成部 部長・制作部 部長)
- 原 慎哉(制作部一課 課長)
- 梅沢正亮(制作部二課 課長)
- 伴野 僚(制作部三課 課長)
- 飯塚佳子(事務局)
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アジェンダ
- (1)2024年4月~2025年3月における視聴者ご意見について
- (2)釣りビジョン報告事項
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審議
視聴者ご意見に関して審議を実施
内容は以降の通り

開会宣言 13:30
(1)2024年4月~2025年3月における視聴者ご意見について
- 当社
- 視聴者からのご意見に基づいて、該当映像をご覧いただきながら個別に審議願います。
- 当社
- 『オトコの釣りメシ』で出演者が料理中にお酒を飲むシーンがあり、それについて、不快極まりない番組、というご意見がありました。
- 当社
- 飲酒については出演者側の演出として実施されたものであり、釣魚料理に合ったお酒を楽しむ視聴者もいらっしゃるので、釣りビジョンとしては問題ないと考えております。酒類の規制に関して、地上波でのテレビCMでは5時~18時は自粛規制していますが、番組についてはこういった規制はございません。民放連などが定めた基準に準拠している当社でも、基準内で番組を制作し放送しております。
- 委員
- 問題ないと思います。たくさんお酒を飲んでいるわけでもない。
- 委員
- 問題ないと思います。特に違和感はなかった。
- 委員
- お酒が好きな人もいれば嫌いな人もいる。魚も釣りも好きだけど、お酒が飲めない人もいる。そういう人からすると嫌悪感があるのかもしれない。別の話になるのですが、映像に出てきた焼き魚の向きが左右逆なのは気を付けてほしいです。
- 当社
- そこは重要な部分です。ご指摘ありがとうございます。以後、充分に気を付けたいと思います。
- 委員
- 出演者ありきの番組なので問題ないと思います。こういうスタイルが好きな人が見ているんだろうなと思います。
- 委員
- 違和感はなかったです。未成年に飲酒を推奨してしまうような表現があったら問題ですが、映像を見てそれはないと感じました。
- 当社
- ありがとうございました。みなさまからの意見を反映しつつ番組制作をしていきたいと思います。
- 当社
- フライフィッシング番組『水と魚の声を聴く』のロケ地に対して、具体的に釣り場がどこか教えてほしい、という問い合わせがありました。
- 当社
- 釣り人には「釣れる場所を知りたい真理」があるものですが、一部、マナーの観点で釣り場が減少している事例や、地元の釣り人の方々への配慮として、場所の特定がしにくいよう、詳細なポイント紹介は避けている番組もございます。特に内水面、河川においては、規模の大小や一般認知の強弱に応じて、都度判断しています。お問い合わせいただいた視聴者様への回答は、「番組上で公開している情報のみの紹介となります」という旨をメールでお伝えした次第です。
- 委員
- マスメディアの永遠のテーマなのかと思います。おそらくテレビや新聞、雑誌ができた時代からずっとこのような意見はあったと思います。私はロケ地の情報はこのくらいが一番いいかなと思います。出し過ぎるよりは、出し過ぎないほうがいいと感じます。
- 委員
- 私は仕事柄、50年以上もこういったロケ地についてのご意見をいただいてきた。ロケ地を紹介されると困るというご意見が多い。地元の事情やその他の影響を考えると、このくらいのロケ地の情報量が正しいと思います。「なんで俺が行っているところを紹介するんだ」という意見が圧倒的に多いですが、本当の釣り好きは、このぐらいの情報量でも、場所をある程度特定できるかと思います。
- 当社
- ありがとうございました。このようなご意見がある一方で、ロケ地について別のご意見も届いています。次の審議へと移ります。
- 当社
- アジング番組の『アジングへ行こう!』で出演者の後ろに商店の看板が映っている、このようにすぐに場所が特定できてしまうことは避けてほしい、というご意見をいただきました。
- 当社
- 視聴者のご指摘のとおり、この商店に限らず近隣の商店名も映っていることが確認できます。該当の場所は、アジングファンには非常に有名な釣りポイントであり、場所を特定されてはいけないという意識は低かったものでございます。当社では事前に、管轄の行政機関および漁業協同組合に確認を取ったうえでロケを実施しており、この放送においてもコンプライアンス上の問題はございません。また出演者や地元のガイドの方にも、ローカルルールを確認しております。ただし、視聴者様のご指摘の通り、近年では釣り禁止区域が増加している傾向があり、情報を発信する立場としては、ゴミを捨てない、近隣の漁協関係者や住民の方々にご迷惑を掛けないなど、一層の注意喚起が必要と感じております。
- 当社
- 続きまして、釣りビジョンが発信しているデジタルマガジン「釣りビジョンマガジン」でも、釣り場についてのご意見をいただきました。
- 当社
- 「どうして地名を詳細に掲載するのでしょうか。ここのところ県外ナンバーの車が変なところにまで入り込んで釣り場を荒らしている」というご意見です。昔から釣り界隈では「釣り場情報の露出」の問題がございましたが、昨今はSNSの普及によって即時性と拡散力が格段に高まっています。そんな時代の移り変わりとともに、釣り場の情報についての取り扱いも変化していると感じております。
- 当社
- これらのご意見について審議をお願いいたします。
- 委員
- よく映像を見てますね。商店の看板はパッとみたら気が付かない。違和感はないです。ここは釣り禁止エリアではないですよね。ご意見をくださった方が知っている場所だから分かるということだと思います。
- 委員
- もともと釣り人には認知されている場所なんですよね。場所が特定されることを前提として放送しているということですよね。看板など映り込むものを隠すとか、映さないとか、そのようなガイドラインはありますか。
- 当社
- ガイドラインはございませんが、事前に出演者や地元の方々からの情報を得て、映してはいけないという場所は撮影時や編集時にケアをしています。今回の場所に関してはメジャーであるという認識で番組を制作したところ、このようなご意見をいただきました。
- 委員
- 撮影機材の品質や画質が上がっているため、我々の考えるガイドラインやルールを超えた見方をする人がいる。今では地図アプリで場所もある程度特定できることでしょう。リスクを考えると、一定のラインを超えるようであれば、隠したほうがいいのではないでしょうか。
- 委員
- 私は、日本はいつでもどこでも誰でも釣りができる世界で唯一の国だと思っています。そういう日本の釣りの在り方を大切にしたい。海外では国境があったり、個人所有の川があったりする。私の会社では、この釣り場を紹介しないでくれ、という問い合わせがあっても、それは「その人の釣り場」ではなく「その人の好きな場所」であると判断し、ロケ地はすべて公開すると決めている。公開する釣り場が増えれば増えるだけ選択肢が増えて、釣り人も分散されていくものです。
- 当社
- ソルト番組『RAD SALT』について、国立公園に指定された地域でサンゴの上でウェーディングをしているが自然の事を考えて釣行してほしい、というご意見について審議願います。
- 当社
- サンゴは成長が遅く、一度破損すると回復に時間がかかります。制作部としましては、リーフエリアのウェーディングでは、サンゴへ配慮すべきという認識があり、実際に該当番組のロケでは、サンゴを踏まないなど、充分に注意して実施しております。ただ、番組内においては、テロップ等での注意喚起をしておりませんでした。例えば、「リーフエリアの釣りではサンゴを傷つけないよう細心の注意を払いましょう」といったエクスキューズを掲示する、ですとか、出演者によるコメント、あるいは、ナレーションやテロップなどで、注意喚起すべきだったかと考えるところでございます。
- 委員
- 問題があるような映像ではありませんでした。番組でしっかりケアをされて撮影していても、自然保護に対してしっかりルールやマナーに配慮が行き届いている釣り人ばかりではないので、そういう方々にアナウンスなどがあれば、なお良かったと思います。
- 委員
- サンゴでもすぐにバキバキと折れる種類や、問題なく歩ける種類、いろいろなサンゴがある。ウェーディングは産卵床を踏んでしまうリスクもあるのでガイドラインをつくるのもよいのではないでしょうか。
- 当社
- 現場の判断に委ねているところがあったので、きちんと基準を作り、番組内で明記して参ります。
- 委員
- この撮影でサンゴを傷つけたのですか?
- 当社
- それはないです。充分に配慮をしてロケを行いました。
- 委員
- この場所に限らず、どこでもウェーディングで入っていけるという印象を与えてしまう可能性もあるので注意が必要ですね。
- 委員
- サンゴの種類、生息場所で、問題があるということを事前に調べたうえで撮影しないとダメ。こういう種類で、こういう希少なサンゴがあるところは入ってはいけない、と伝えられるようにしたほうがいい。
- 当社
- 制作者、発信者として一層勉強をし、番組に落とし込んでいきたいと思います。
- 委員
- 話は変わりますが、この番組はドローンをつかってキレイな映像だと思います。
- 当社
- ありがとうございます。このような素晴らしいロケーションもひきつづき伝えて参ります。
- 当社
- 『ぶらりバスの旅』について、スタッフの車に乗っての移動は番組のコンセプトとは異なるのではないか、というご指摘をいただきました。
- 委員
- こちらの番組コンセプトは公共交通機関を使ってぶらりと釣り旅をするものとなります。該当の番組では、3日間の日程すべてで大寒波に見舞われ、メインとしていた釣りが中止。急遽、スタッフと出演者が相談し、管理釣り場でのニジマス釣りを行うことにしました。ただ現地まで行く公共交通機関が無く、致し方なくロケ車での移動となりました。番組を制作してお届けする立場としては、訪れた地域の魅力をお伝えする使命もありますため、時には今回のような判断もありえると考えますが、皆様にご意見を伺いたいと思います。
- 委員
- タイトルでバスと言っていますよね。けれど、天候もありますよね。
- 当社
- バスだけではなくて、電車などの交通機関含めてというルールになっています。
- 委員
- バス旅という看板を降ろせばいいのではないでしょうか。
- 当社
- 番組が始まった時に比べて段々とルールもアップデートされている。さまざまな局面と相対した結果、コンセプトも広がっているので、適宜、説明が必要だと感じております。
- 委員
- 地上波の番組を見ていて、だんだん番組にのめり込んでいくと「ルールが違うじゃないか!」って思ってしまう時があります。それは番組が好きだからこそ。この番組も1日2回くらいはラクしてOKというルールを加えるのもいいかもしれないですね。
- 当社
- ご意見をありがとうございました。
- 当社
- ソルト番組『海と青の物語』について、若い男女は楽しそうに釣りをしていたが、もう一人のアングラーに対して冗談を言ったりして見ていて不快な気持ちになった、というご意見がありました。
- 当社
- 番組は「仲間と一緒にショアソルトを楽しみ、その楽しさを仲間と共有する」というコンセプトのもと、毎回メインナビゲーターとローカルアングラーそして釣りガールの3名が出演する番組です。ご指摘のように、微妙な距離感は感じ取ることはできるものの、あくまで普段から接する機会が少ないことから生まれているものと考えられます。また、番組の途中でローカルアングラーが年齢に関する自虐的なコメントを語るシーンがあり、視聴者がかわいそうと思えた要因にもなっているかもしれません。基本的に『海と青の物語』に出演するローカルアングラーはメディアの出演経験が少ない方が多く、今後は頂いたご意見を参考に、歳の差につながる表現には気を付けたいと思います
- 委員
- 会話はアドリブですか。
- 当社
- 基本的に台本はなく、ほとんどが自然に生まれた会話です。
- 当社
- 発言者の意図をわかりやすくするという意味では、誤解を招かないフォロー表現も必要なのかもしれないですね。今回の場合、あくまでもジョークで発言しているということが明確に分かれば、視聴者の印象も変わった可能性があります。
- 当社
- ちなみに、ローカルアングラーと同世代の男性からいただいたご意見となります。
- 委員
- 我々からすると若い世代だと思いますが。
- 委員
- 映像を見る限り、釣りは楽しそうですよね。
- 委員
- 制作側がネガティブな印象へ煽ったのならばあまり良くないことですが、自然に起こったことならばいいのではないでしょうか。もし演出となったら、冗談をいっても跳ね返せる人ではないとダメですが、今回は、自然な行動や発言とのことなので問題ないです。
- 当社
- 現場でコントロールできることと、編集でケア出来ることがあるので誤解を招かないように、今後気を付けていきたいです。
(2)釣りビジョン報告事項
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釣りビジョンでは、平日の15時台を視聴者からのリクエスト枠として編成していますが、まず、放送編成というものは、2ヶ月先の予定を確定させ外部へ周知する必要があるため、固有のリクエストを速やかに反映することが難しいといった課題がございます。
この課題を少しでも解消するため、2025年4月より外部リリースする際に固有の番組名を掲示せず、「リクエスト枠」とし、放送日までの募集期間を確保した上で、およそ4週間前に固有の番組名を登録し、視聴者のニーズができるだけ新鮮なうちに反映させるという取り組みを行っています。
リクエスト件数も増えてきており、こうした取り組みによって、視聴者の「見たい番組」をより確実に、少しでも早くお届けすることで、視聴満足度の向上を目指しております。
報告①「視聴者からのリクエスト即時性向上への取り組みについて」
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2022年から、若年層のアングラーを増やすべく、現役学生が出演する『放課後をサボるな!』という番組を制作しております。
主に「高校の釣り部」を取材しており、年々、出演希望のお問い合わせも増えてきております。そして今年1月に放送した『放課後をサボるな!15 水中ドローンで大発見!?境港総合技術高校海洋科に密着!』の回が、「衛星放送協会 第15回オリジナル番組アワード 審査員奨励賞」を受賞いたしました。
また、今年の4月からは、35歳以下の注目のアングラーを紹介する『U35 NEXTAGE』という番組もスタートさせており、将来の釣り業界を支えてくれる若い釣りファン層を増やすための取り組みも行っております。
報告②「『放課後をサボるな!』について」
- 現在放送中の人気番組『オトコの釣りメシ』について、出版社より書籍化の提案があり、2025年7月22日に玄光社より出版。書籍化により、番組コンテンツが放送外にも展開されることで、ブランド価値のさらなる向上と、新たな接点づくりが期待されます。
報告③「番組の書籍化について」
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『純烈フィッシュ』に寄せられた2件の温かいご意見をご紹介します。「令和6年能登半島地震」が起こる前に、石川県和倉温泉でロケを行った放送に対してのものになります。
放送直前に震災がおこり、急遽放送タイミングを延期し、復興気運が高まった頃に編成してお届けしました。番組冒頭には、被災者へのお見舞いと復興への応援テロップを表示しております。
いずれのご意見も「震災前の能登半島の美しい姿、釣りの魅力」を発信したことへのお礼のお便りでした。
昨年度の番組審議委員会では、「令和6年能登半島地震」直後に放送した番組へのクレームついて、審議いたしました。その時、委員の方々がおっしゃっていた「釣りで復興を応援する」というメッセージが、この『純烈フィッシュ』を通し、視聴者に伝わった回となりました。
当社としては常に災害や水難事故などに一定の配慮をしながら今後も番組を制作して参ります。
報告④「復興に関する応援メッセージ」
終了時間 15:00
以上