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【それ食べましょうよ・七皿目】ニジマスの白子料理

2023年11月11日公開

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食材として軽視されそうなターゲットやゲストフィッシュに光を当てる企画【それ食べましょうよ】……お久し振りの七皿目はニジマスの白子料理。イクラ祭りを期待して釣りあげたニジマスは、いずれも……オスだった。しかし、白子だって美味しくいただきます!!

秋のイクラ強化合宿が決行された!

秋冬と言えば、サケを始め多くのサケマス類が産卵期を迎える。養魚場育ちのニジマスであっても、この時期はイクラを腹に蓄えた個体も多くなる。そんなニジマスの筋子を丁寧に取り出し、しっかりほぐして白ダシに漬けると絶品のイクラになる。というわけで卵の詰まった秋のニジマスを狙って、数人の仲間とともに長野県の管理釣り場近くの山小屋に集まった。今回の釣りを『イクラ釣り』と称している仲間までいる。いや、イクラは釣れないんだが……。そんなフラグを立てれば結果は明白。予報通りの気温低下と冷たい雨で、放流の効果は発揮されず。翌日に予定のある仲間が結果を出せないまま次々と山を下りていく。果報は寝て待て。あるいは鳴かぬなら、鳴くまで待とうの心持ちで、僕は2日間、ロッドを振らずに山小屋で仕事をこなし静かに過ごした。そして3日目。雨は止み、朝から気温が上昇。間違いなく放流された魚は動き出す。さあ、いざ行かん。イクラを釣りに!(笑)。

勝負に勝って試合に負けた!? 釣れたのはオスだった!

 読みは的中。2日前に放流された魚が、やっと動き出したようだ。自信のあるクランクベイトで幸先よくキャッチ。サイズも悪くない。ファイトも存分に楽しめた。先に帰って行った仲間に自慢もできる。ただし、この魚、顔つきがやや厳つい。すなわちオスっぽい。そして、続けて2尾目もキャッチ。これまたナイスサイズ。鼻高々だ。そして魚の鼻もかなり高い。これは間違いなくオスだろう。さて、山小屋へ戻って、美味しくいただくための下ごしらえだ。この管理釣り場の魚は、味もいいと好評。そのため今回はキャッチ&イートスタイルと決めていた。研ぎ澄ました包丁で、ニジマスのお腹を開けてみる。出てきたのは宝石のような筋子……ではなく白子! やっぱり、どちらもオスでした。

 

白子で一杯をキメ込む!が、珍味はあくまでも珍味

いつもなら、オスの白子は他の内臓とともに捨ててしまっているが、実はこれもイケるんじゃないだろうか。というわけで、丁寧に取り出したニジマスの白子を食してみることに。考えているのは2品。ひとつは『白子ポン酢』。そしてもうひとつは『白子のバターしょう油焼き』。どちらも下処理は同じで仕上げ方を変えるだけ。この2品で美味い酒を飲もう!

【白子の下処理】
1)取り出した白子を水洗いして、塩をやや多めに振っておく。2)その後、白子を流水で洗う。3)水を張ったボウルに白子を移し、塩を大さじ2杯入れてかき混ぜ15分くらい置いておく。4)お湯を沸かし、白子を30秒~1分ほど茹でる。茹でた白子の血合いや筋を竹串やツマヨウジで取る。5)白子を氷水の入ったボウルに移して身を締める。6)キッチンペーパーで水気を取ったら、日本酒に30分ほど漬けておく。白子を取り出しキッチンペーパーで水気を除去。これで下処理は完了。

【白子ポン酢の作り方】
下処理済みの白子を沸かしたお湯に入れ、2~3分茹でる。茹であがったら冷水で身を締めて水を切る。そしてひと口大にカットして、ポン酢に浸して完成。好みで万能ネギや大葉をあしらい、スダチやカボスをひと絞り。クリーミーで濃厚な舌触りが印象的。日本酒のアテとしてなかなかの一品。

【白子のバターしょう油焼きの作り方】
下処理済みの白子をぶつ切りにして、小さじ2杯のしょう油に浸して味をつける。白子に大さじ2杯の片栗粉をまぶす。熱したフライパンにオリーブオイルをひと回し。そこに白子と小さじ2杯のバターを入れ、付け合せの豆苗と一緒に炒める。白子に火が入り、表面がこんがりキツネ色になってきたら完成。これまたビールが合う一品。バターとしょう油の風味と白子のふんわり感がマッチ!

 まぁ2品ともお酒のアテの珍味としてはとても秀逸……ではあるものの、イクラか白子か?と問われれば、間違いなくイクラ。しかし、白子だって調理すれば、旨いお酒が飲めるのです!

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この記事を書いたライター

宮崎 紀幸
東京は多摩川のほとりに住まうフリーランスライター。
地元・多摩川での釣り&野外活動を楽しみつつ、自身でもトラウトやシーバスなどのルアーフィッシングを嗜む。冬はカワハギ釣りにも熱くなる!
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