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川村光大郎の熱釣塾 スクーパーフロッグ活用術【前編】 表層&中層の二刀流で死角ナシ!

2022年09月28日公開

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リアルなカエルアクションを再現した「スクーパーフロッグ」は表層だけで使うルアーと思っていませんか? もしそんな人がいたらモッタイナイ! 開発者の川村光大郎さんすら驚かせた、中層攻略テクニックを実演動画付きで徹底解説。表層&中層の二刀流活用術をマスターすれば、スクーパーフロッグでブラックバスが釣れるシーズンやシチュエーションは倍増!?

カエルはブラックバスのごちそう? リアルなキックアクションを再現

カエルが水面をクイックイッっと泳ぐのを見たことありますよね? 川村さんがノーシンカーリグのスクーパーフロッグを動かすと、まさにあの泳ぎそのもの。
「ロッドでチョンチョンと引っ張るだけでアクションするのでカンタンですよ。表層に浮いていて目で動きが分かるので、誰でもすぐに動かせます」
今回の熱釣塾の舞台は千葉県の豊英ダム。房総半島のリザーバーとスクーパーフロッグは切っても切れない関係だと聞きますが…?
「房総リザーバーで以前から知られているのが冬から早春のまだ寒い時期に、大型のブラックバスがアカガエルを狙ってシャローに上がってくるパターンです。それ以外にもいろいろな釣り場で、カエルはバスに捕食されている好物なんです。ルアーとしてのカエルと言えば、いわゆる『中空フロッグ』や『カエル型フローティングワーム』がありますが、カエルのキックアクションを再現できているルアーは今までなかった。スクーパーフロッグは、カエルの見た目だけでなく、その泳ぎを再現することを目指して作りました」

川村光大郎/かわむらこうたろう 霞ケ浦水系をホームレイクとし、オカッパリバス釣り界の最先端を走り続けるレジェンドアングラー。ルアーメーカー「ボトムアップ」を主宰する
川村光大郎/かわむらこうたろう 霞ケ浦水系をホームレイクとし、オカッパリバス釣り界の最先端を走り続けるレジェンドアングラー。ルアーメーカー「ボトムアップ」を主宰する
スクーパーフロッグはカエルの形状だけではなく、リアルなキックアクションの再現を目指して開発された
スクーパーフロッグはカエルの形状だけではなく、リアルなキックアクションの再現を目指して開発された
水面を泳ぐ姿と生み出す波紋はまさにバスの好物であるカエルそのもの。ロッドでラインを張ったり緩めるだけで、難しい操作は不要だ
水面を泳ぐ姿と生み出す波紋はまさにバスの好物であるカエルそのもの。ロッドでラインを張ったり緩めるだけで、難しい操作は不要だ

スクーパーフロッグ「一の太刀」 ノーシンカーリグで表層を駆ける!

浮力と耐久性を併せ持つエラストマーを素材に採用し、レッグパーツをはじめとした各部の試行錯誤が行われ、2021年7月にリアルなキックアクションを備えたオリジナルサイズのスクーパーフロッグが誕生。そのときはあくまでトップウォータールアーとしてリリースされたんですよね?
「そうです。オフセットフックのノーシンカーリグで表層をピョコピョコと泳がせて誘うのが基本。スキッピングもしやすいのでカバーの中も攻略できます。リズミカルに泳がせるだけでなく、左右に開いたアームの抵抗とレッグの伸縮によるブレーキ効果もあるので、ストライクゾーンが狭いところでも移動距離を抑えて誘うことも容易です」


川村さんはボートを流しながら、ノーシンカーリグのスクーパーフロッグを、スピーディにオーバーハングの下へスキッピングで撃っていく。見るとその手に握られているのはベイトタックルだ。そして、スクーパーフロッグのサイズもなんだか大きいような…。
「これはオリジナルサイズよりも大きいダディのプロトです。スクーパーフロッグは最小のオリジナルサイズに加えて2022年10月に大型のマグナムが追加となります。このダディはその中間モデルで、今はまだテスト中です。オリジナルに比べると、ダディはベイトタックルで投げられるので汎用性が高くなってます。スピニングで扱うオリジナルより硬いロッドと太いラインで使えるので、カバーを大胆に狙えます。マグナムはそのボリューム感と水押しの強さからまさにでかバス特化型です」

ノーシンカーリグのスクーパーフロッグはスキッピングもさせやすいので、オーバーハングの下を大胆に攻められる
ノーシンカーリグのスクーパーフロッグはスキッピングもさせやすいので、オーバーハングの下を大胆に攻められる
一番小さなオリジナル(左)に加えて、今年の10月には大型のマグナム(右)が登場。中間サイズのダディは来春の発売に向けて開発中だ
一番小さなオリジナル(左)に加えて、今年の10月には大型のマグナム(右)が登場。中間サイズのダディは来春の発売に向けて開発中だ
「ゴボッ!」っとオーバーハングの奥でバイト音が響くと「よし!」と川村さんのロッドが弧を描く。カバー越しのフッキングで一抹の不安はあったが、スクーパーフロッグダディで40オーバーの綺麗な豊英バスをキャッチ!
「ゴボッ!」っとオーバーハングの奥でバイト音が響くと「よし!」と川村さんのロッドが弧を描く。カバー越しのフッキングで一抹の不安はあったが、スクーパーフロッグダディで40オーバーの綺麗な豊英バスをキャッチ!
 

スクーパーフロッグの適応タックルはサイズバリエーションに合わせて選ぶ

「スクーパーフロッグを扱うタックルについては、サイズによって決まってきます。オリジナルサイズはスピニングタックルになりますが、軟らかすぎるロッドはフッキングパワーが足らないのでL~MLがオススメ。ラインはPEラインを推奨します。スピニングでもカバーの奥を攻めることもあるので、強度とフッキングパワーが伝わることが大事。さらに遠投もしやすく、フロロよりも比重が小さいのでラインの重みでルアーが沈むことも避けられます。太さは0.6-0.8号にリーダーはフロロ1.5号を基準にしています。フックは、オフセットフックの♯4~2を使い分け。すっぽ抜けやすい水面の釣りではボディ目いっぱいとなる#2を使います。

中間サイズのダディには、M~M+パワーのベイトロッドで使います。これにフロロカーボンの12-14lbを合わせると、カバーへ対応力はかなり高まります。フックはオフセットフックの#3/0。最大サイズのマグナムは、MH~Hパワーのベイトロッドにフロロカーボンの16lb。フックは、オフセットフックの♯5/0~6/0がマッチします」

【今回使用したタックル】
<スクーパーフロッグオリジナル>
ロッド:スティーズ SC S64L-SV・ST ファイヤーフラッシュ(DAIWA)
リール:イグジストLT2500S(DAIWA)
ライン:UVF エメラルダスセンサー 12ブレイドEX+Si 0.6号
リーダー:タフロンZα1.5号
フック:ライトニングストライク♯4

<スクーパーフロッグダディ(プロト)>
ロッド:スティーズSC C69M+ -ST ファイヤーウルフ(DAIWA)
リール:スティーズリミテッドSV TW 1000HL(DAIWA)+カーボンハンドル/コルクノブ(SLPワークス)
ライン:スティーズフロロ クロスリンク13lb(DAIWA)
フック:ライトニングストライク♯3/0

<スクーパーフロッグマグナム>
ロッド:スティーズSC ヘビーバーサタイル(プロト)(DAIWA)
リール:ジリオンSVTW 1000HL (DAIWA)
ライン:スティーズフロロ クロスリンク16lb(DAIWA)
フック:ライトニングストライク♯6/0(プロト)

オリジナルスクーパーフロッグは小さいサイズに合わせて、スピニングタックルを用いる。新サイズのマグナムやダディはベイトタックルで扱えるのも大きなメリット!
オリジナルスクーパーフロッグは小さいサイズに合わせて、スピニングタックルを用いる。新サイズのマグナムやダディはベイトタックルで扱えるのも大きなメリット!

スクーパーフロッグ「二の太刀」ダウンショットリグで中層へ潜行せよ!

オリジナルサイズのスクーパーフロッグは、昨年の発売直後からそのリアルなキックアクションで全国の釣り場で釣果を叩き出し、トップウォータールアーとして人気を集めていった。しかし、季節が秋から冬に進むにつれ、表層の釣りが厳しくなるとその勢いは衰えていったように見えた…。しかし替わりにあるウワサがバスアングラーの間で広まりつつあった。それは「スクーパーフロッグのダウンショットリグがヤバい」というものだった。

「そうなんです。これはロデオクラフトの松本幸雄さん(エリアトラウト界での輝かしい実績をはじめ、ブラックバス、ナマズ、ソルトなど幅広い釣りジャンルで独自の釣りスタイルを見せる天才マルチアングラー)から教わった釣り方で、彼はスクーパーフロッグを見た瞬間に『沈めて使おう』と思ったそうです。ちなみにそれとまったく同じことを言っていたのが伊藤巧さん(アメリカで活躍中のB.A.S.S.エリートプロ)でした。二人とも、以前から浮力の強いフローティングワームをダウンショットリグで沈めて使うことの威力を知っていたんです」
つまり「浮くモノを沈める」のがキモなんですか?
「浮力が強いモノを沈めようとするから、反発しあってより水押しが強くなります。それによって移動距離も抑えられますし。ボクにはスクーパーフロッグに対してその発想はなく、松本さんに聞いて試したら、目からウロコどころではなかったです。数もサイズも驚くほどに釣れて、こんなにもバスがいたのか!と。これはバスがまだ、そのルアーアクションを知らないで釣りをできたときにだけ感じられる感覚。つまりルアーパワーというべき現象でした」


川村さんは、オーバーハング沖の水中に張り出している立木を狙い、その表層をダディのノーシンカーリグでチェックしたあと、オリジナルサイズのダウンショットリグにチェンジ。リグを水中に沈めると、立ち木を縫うようにトレースしてくる。ロッドワークはラインをゆるやかに弾くぐらいのアクションだ。川村さんはもう一度同じ立ち木に投げると、すぐにロッドが絞り込まれ、ひれピンの豊英バスをキャッチした。
筆者もタックルを借りて挑戦するが、最初はいわゆる細かいシェイクに近いロッドワークになって、自然な泳ぎとは言い難かった。そして、水中をトレースしているつもりなのに気が付くと表層近くまで浮いてきてしまう。
「基本操作のイメージはジグストです。ラインスラックを出した状態から、リズミカルにラインを弾いてゆるめるを繰り返して、キックアクションを出します。あとは素材の浮力とパーツの抵抗で浮き上がりやすいので、普通のワーム素材でやるときよりスローに、よりラインスラックを送り込む感覚でやるのがコツ。『チョワーン、チョワーン』という感じ。とは言え、あまりレンジキープにこだわりすぎる必要もありません。浮力とウエイトのバランスが生み出す水押しのおかげで、自分の感覚としては多少タナがズレていてもバスが気付いて、喰っていると思います」

浮力の強いエラストマー素材のスクーパーフロッグを、重めのダウンショットシンカーで沈めることがお互いの力が反発しあい、大きな水押しが生まれる
浮力の強いエラストマー素材のスクーパーフロッグを、重めのダウンショットシンカーで沈めることがお互いの力が反発しあい、大きな水押しが生まれる
リズムよくラインを弾くようにすると、スクーパーフロッグが水中でなまめかしく躍動する
リズムよくラインを弾くようにすると、スクーパーフロッグが水中でなまめかしく躍動する
ダウンショットリグで用いることにより、中層もスクーパーフロッグの活躍領域となった
ダウンショットリグで用いることにより、中層もスクーパーフロッグの活躍領域となった

【動画】川村光大郎の熱釣塾スクーパーフロッグ活用術【前編】

重めのウエイトがナチュラルアクションを生む

「中層引きだけでなく、フォールの泳ぎでもバスにアピールできるのがダウンショットリグのメリット。浮力のある素材に合わせたやや重めのシンカーをセットすることで、フォールスピードが出て、パタパタするアクションがでます。オリジナルサイズなら2.5-3.5g、ダディなら5-7g、マグナムなら10-14gが適しています」

ダウンショットリグの使いドコロは、やはりリザーバーがメインになりますか?
「もちろん房総リザーバーのアカガエルパターンのように、バスがカエルを偏食しているときは特に有効ですが、自分でいろいろな時期に全国の釣り場で試したところ、カエルとは関係なく釣れました。今のところ、唯一効かないと感じたのは琵琶湖でのワカサギボイルパターンのとき。バスが明らかにワカサギを偏食していて、スクーパーフロッグのダウンショットリグにはノーバイトでしたね。季節もトップが効かなくなったあと、ダウンショットリグでいつまで釣れるか試したのですが、結果は冬になっても釣れましたから」

スクーパーフロッグは松本幸雄さんという稀代のマルチアングラーによって、開発者の川村さんも気づかなかった中層での適性を引き出されることになったわけだ。これはリアルなキックアクションを追及によるポテンシャルあってのことに違いない。表層と中層の二刀流で活用できるのが、スクーパーフロッグの真の性能なわけですね。

「…実は今年、新たに見出されたスクーパーフロッグの中層攻略メソッドがあるんです。それは…」
川村さんが明かしてくれた、ノーシンカーリグ、ダウンショットリグに続く第三のスクーパーフロッグ活用法については【後編】にて詳しく解説。スクーパーフロッグマグナムでの驚きのでかバスキャッチシーン動画をお見逃しなく! 

今回の熱釣塾の取材はカエルワームの本場とも言える千葉県房総半島リザーバー、豊英ダム。難易度は低くないが、コンディションのよいグッドサイズのバスが釣れることで知られる
今回の熱釣塾の取材はカエルワームの本場とも言える千葉県房総半島リザーバー、豊英ダム。難易度は低くないが、コンディションのよいグッドサイズのバスが釣れることで知られる
取材協力;豊英つり舟センター
取材協力;豊英つり舟センター

施設等情報

豊英つり舟センター
〒292-1179 千葉県君津市豊英499-8
TEL: 0439-38-2558 豊英つり舟センターホームページ

施設等関連情報

営業時間:6:30(ヘラブナ釣り)~16:30(10~3月)
※ヘラブナ・ブラックバス釣り。レンタルボート12~14フィートあり
予約:なし
定休日:木曜日
     
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。​

この記事を書いたライター

安倍 康浩
ルアー専門誌の編集者を経て、現在は釣り・アウトドアを中心に動画制作をおこなうTOZiiTO代表。霞ケ浦水系のオカッパリバスフィッシングや東京湾のボート(シーバス・チニング)、エリアトラウトなど幅広く釣りを楽しんでいるが、突出して得意な釣りモノがないのが長年の悩み。釣り以外にはSUP、キャンプ、家庭菜園など外遊びを趣味としてい
instagram:
@yasuhiro_abe16
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