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【それ食べましょうよ・一皿目】何だトラギスかよ…と言うなかれ

2022年12月17日公開

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シーズン真っ盛りのカワハギ。水深30mからの魚信。穂先がククンッとしなる。よしよし、ヒット。待ってましたよ、カワハギちゃん……あれ、ちょっと引きが弱い。もしや……、あぁ、やっぱり。見えてきたのは赤くて細長いアイツでした。でも、ガッカリするな!【それ食べましょうよ】は、うっかり食べずにお別れしちゃうような、不遇なゲストフィッシュや地味な部位に光を当てて、魅力あふれる一皿に変身させる企画です。(執筆:宮崎紀幸)

カワハギ釣りの貧果をトラギスに救われる!

カワハギ釣りと切っても切れない魚がトラギス。釣りあげて、すぐにリリースされるならまだいいが、船べりのバケツの中でいつまでもグルグルグルグルと回り続け、最後には海へポイッとされ、カモメがさらっていく。あまりにも扱いが不憫。本命以外の魚をゲストフィッシュと呼ぶようになって久しいが、ゲスト的な扱いを受けないこともしばしば。カワハギ狙いの皆さん、トラギスをそんなふうに扱ったことないですか? 正直に言います。僕はあります。
いやいや、カワハギ釣りでトラギスが釣れたらガッカリしますって(笑)。でも、本命が貧果な時、手ぶらで帰るわけにもいかない。その救いとなるのがトラギス。一度、カワハギの釣果が乏しかった時、泣く泣くトラギスを20匹ほど持ち帰り(仲間からも恵んでもらった)、天ぷらにしたところ、自分でも「美味い」と唸ったが、それ以上に家族が大絶賛。以来、僕はトラギスを、まさしくゲストの扱いで迎えるようになったのだ。

オススメの食べ方は天ぷら一択!

これは大事なことだが、トラギスの天ぷらを存分に楽しみ味わうならば、腹を括って釣ったトラギスを全部持ち帰ったほうがいい。恥ずかしがって「とりあえず5匹だけ」なんてハンパに持ち帰っても、4人家族なら天ぷらにして、ひとり1匹。残りは血眼になってのジャンケンだ。さばく手間も作業も同じなのだから、どうせなら10匹、15匹と釣れた分だけ、ありがたく持ち帰ることをオススメする。
食し方は、他の選択の余地なく天ぷら。というか、それ以外の食し方を僕は知らない。味はキスの天ぷらと基本的に同じ。つまり、すごく美味しい。だから家族は言う「次、いつトラギス釣りに行くの?」。いや、僕が行くのはあくまでもカワハギ釣りなんだけど……。

 
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この記事を書いたライター

宮崎 紀幸
東京は多摩川のほとりに住まうフリーランスライター。
地元・多摩川での釣り&野外活動を楽しみつつ、自身でもトラウトやシーバスなどのルアーフィッシングを嗜む。冬はカワハギ釣りにも熱くなる!
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