黒田「ローモデュラスって、つまりは低弾性カーボンですね。でも、それって(高弾性化が進んだ)今のロッドに比べて低弾性というだけなんです。極端な話、それこそ20年前だったら、普通の弾性率というか。だから、決してだるんだるんではないです」確かに現在の低弾性ブランクスは、20年前なら中弾性クラスだったろう。そのくらいの弾性率が、クランクやチャターベイトなどの巻き物系にフィットするようだ。それにそもそも、今回追加される4機種のうち、3機種は過去のエクスプライドにもラインナップされていたとのこと。しかし、2020年にエクスプライドがリニューアルされると、この巻き物用の3機種が消えてしまったのだ。それはいったいなぜ?黒田「2020年のフルモデルチェンジで、リアグリップがEVAからカーボンモノコックに変わったんです。ところが低弾性カーボンはちょっと重いこともあって、相性が悪かったんですね。だから165MLと165MH、173MHが一時的に廃版になったんです」ところが、その3機種に対する熱狂的なファンが多数存在し、中古市場で価格が高騰。定価より高い価格で取引されるようになってしまったという。そんなユーザーの熱望に応えるために、「ハイモデュラスシリーズ」として復活を遂げた。では、問題点はどう解決したのだろう?黒田「セパレートのグリップをやめて、コルクのストレートにしたんです。かなりのハイグレードなコルクなので、コストが高いのですが…」そのコストをある意味度外視し、価格帯を上げることなく新シリーズとして4機種を追加したというわけだ。旧シリーズから生まれ変わって復帰した3機種は、ジャークベイトやポッパーなどに向いている165ML-LM、スピナーベイトやチャターベイトに最適な165MH-LM、そしてビッグレイクでのディープクランクやバイブレーションにおすすめの173MH-LM。それに、今回は2ピースモデルの168M-LM/2が1本新規加入となった。これは、汎用性の高いモデルとなっている。黒田「いろいろな人に低弾性ロッドを使って頂きたい。そう思ってツーピースモデルを作ったんです」他の3本ほどの専門性はないけれど、その分広範囲なルアーを選択できるのが特徴だ。電車やバイク、自転車で釣りに行くアングラーは持って行けるタックル数が限られている。その点、汎用性が高いツーピースというのは大きな魅力になることだろう。ハイモデュラスシリーズのテーパーデザインについても聞いてみた。黒田「全体的に、曲がりは全部スローからレギュラーテーパーですね。もちろん低弾性カーボンのおかげでもあるんですけれど、テーパー自体も緩やかに曲がるように設計されています。その方が投げやすいし、巻いてる時も心地いいし、振動も伝わり易い。当たり前ですけど、ワームなどを打ち込んでいく釣りには向いていません」。エクスプライドのユーザーは言うまでもなく、シンプルに巻き物用ロッドを探している人にとっても、この4機種は胸を熱くさせること間違いなしだ!