仕事を終え、夕飯は宇和島市内の居酒屋へ。「釣りアジの刺し身」というメニューがあったので、帰りがけに周辺の情報を聞いてみた。お客さんに釣り人も多く、店主も釣りをされるということもあり、朝の短い時間で釣りが出来る堤防を教えてもらった。やはり、数日の低水温と限られた時間では中々難しいと言われたものの、「ここまで来たら、何かちゃんと釣って帰りたい!」と気持ちだけが先行してしまった。それにしても料理はどれも美味しく、釣りアジの刺し身に名物の“宇和島鯛めし”もしっかり食べることが出来て、充実した夕食時間となった。翌朝5時に起床。5時半には目的の堤防に到着。周りは自動販売機が1台。ホットコーヒーをポケットに入れ、コンパクトロッドとアジングセットを用意。手前でキャスト練習。慣れない堤防釣りと兎に角寒い朝で、穏やかな海には日の出前の静けさ。少しずつ明るくなってきたところで突端まで行ってみた。目の前にはマダイの養殖場であろう筏に、漁師の船が往来し始めた。“秘密兵器”とばかりにアミノ酸配合のワームをセット。2gのジグヘッドで底を取る。10秒ほど数えて糸フケをとると、ブルっとしたアタリにビックリ合わせすると、いきなり小さなカサゴが上がって来た。「やったー!釣れた!」と叫びたくなるほど嬉しい1匹。10cmにも満たない小さなカサゴの生体反応は涙が出るほど嬉しかった。一人ぽつんと知らない土地で、分からないながらも魚が釣れた喜びは何年ぶりだろう。その後も落とせば掛かる可愛いカサゴたち。寒さに震える手で優しくリリースしながら、「本当にありがとう!また遊びに来ます」と感謝と感動の1時間。堤防にあるライフジャケット着用の文字や、落下注意など、たくさんの方が釣りに来る環境があるであろう港は、釣り人と町と魚が共存している地域ならでは。素晴らしい景色と夢のある魚たちが遊んでくれる地域が日本中にたくさん存在していることを体験出来た、貴重な愛媛での釣りだった。