筆者は以前、釣りビジョンマガジンにて格安電熱ウェアの実力についての記事を書いたことがあった。それはAmazonで買った名もなき商品だったが、素晴らしく温かいのだ。今後は電熱ウェアが冬のアウトドアを変えるかもしれない…と思っていたら、もうすでに釣り専用品があった。この冬発売のヒーターベストⅡについて、株式会社オレンジブルーの出口龍馬さんにお話を伺おう。釣りにおいて、電熱ウェアのメリットはどういうところにあるのだろうか?出口「まず、薄着になれるというところですね。ダウンなどの防寒着は暖かいですが、あの膨らんだ形状は釣りの動作を妨げることにもなります。温かく、動作を妨げないというのが電熱ウェアの一番のメリットです」mazumeでは「E-WARM」として、電熱ウェアをシリーズ化している。パンツ系もあるのだが、今回はベストを中心に紹介したい。まず、どのあたりが釣り人向けにアレンジされているのだろうか?出口「一番の特徴は電源・温度調節ボタンの位置です。通常の電熱ベストはボタンが裾にあるものが多いのですが、釣りのときに腰巻きタイプのライフジャケットを装着していると、ベルトが勝手にボタンを押してしまうことがありました。それを防ぐためです。あとは、アームホール(袖口)の位置。キャストの際に肩を邪魔しないよう、設計に工夫を凝らしています」電熱パネルは背面に1枚、腰回りに2枚、前面に左右1枚ずつ、合計5枚。真冬の船の上で波を被ったり、マイナス気温のなかで風が吹くような状況でも十分保温効果を高めてくれるという。暖かさは3段階で調節可能で、弱は35℃、中は40℃、強は45℃…となっている。今後もE-WARMシリーズとして、ヒーター系アイテムは増えていく予定とのこと。将来的に、釣り場でも防寒着の電熱化に拍車がかかることは間違いないだろう。