メジャークラフト(以下メジャクラ)といえば、ハイクオリティ&ロープライス、いわゆる良品安価のロッドシリーズを業界に定着させた革新的メーカー。いまでこそジグパラシリーズや餌木蔵(エギゾウ)、鯛乃実など、ソルトウォータールアーをヒットさせているが、そもそも初リリースアイテムはバスロッドシリーズ(メジャースティック)だけにノウハウは十二分、デイズ360への期待も大きくなるのは当然のところだ。ここでまず整理しておくと、デイズ360は現行シリーズ、デイズの進化版ではあるが、リニューアルやフルモデルチェンジではない。デイズのチューンドモデル、あるいはフラッグシップモデルような位置付けになる。デイズシリーズはムダな装飾をそぎ落とし、性能を最大限に活かした、見た目はシンプルだが切れ味鋭い刀のようなロッドシリーズ。そのコンセプトはそのままに、さらに切れ味を鋭くしていったのがデイズ360といえる。デイズ360の最大の特徴は、名前にも取り込まれているR360構造を採用したブランクで、縦、右斜め、左斜め、横とそれぞれの方向のカーボン繊維を配置することで、全方向(360°)からの加重に耐えられる。そのため、薄く巻いても強く、さらに従来のカーボンテープのようにプラスして補強する必要がなくなり、大きく軽量化されている。ロッドの軽量化とはつまり感度アップと大きく繋がる部分。つまり、軽くて感度が良く、それでいて強いロッドシリーズだということ。価格はメジャクラアイテムとしては意外ともいえる3万円台中~後半(税抜き価格)とやや高価な部類に入るが、それだけ内容=性能を伴っている証でもある。これがメジャクラ以外のロッドメーカーであれば、一体いくらになっているだろう。デイズのコンセプトを引き継ぎつつも中身を大幅にパワーアップさせたデイズ360。ファーストラインナップはベイト4機種、スピニング3機種と厳選されてはいるが、その拡充を期待しつつ、まずはその性能を味わって欲しい。