釣りビジョン

大分県・南部、蒲江の沖筏からマダイを狙う

2022年02月10日公開

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私のホームグラウンド、大分県南部には、「グレの聖地」とも言われる“米水津の磯”や“鶴見の磯”など全国のグレ釣りファン憧れのフィールドが点在している。今シーズンも良型グレが数上がっており、今(1月下旬から2月)がまさに“寒グレ”ハイシーズン。そんな中、そろそろ冬のビッグなチヌを釣りたいと思い、“蒲江の筏”へと“寒チヌ”とマダイを狙って出掛けた。

間もなくチヌの乗っ込み最盛期

リアス式海岸で形成された大分県南部には、入り江やワンドが多く、養殖業が盛んな地域。養殖イケスがあちらこちらに点在、全般に水深も深いためチヌの魚影が非常に濃い。例年は2月頃から乗っ込み最盛期を迎える。4月頃までは“チヌ師”たちが多く訪れる場所である。

ビギナーにもおすすめ!

2022年1月29日、この日は蒲江の名護屋湾にある『ヒダカ水産』所有の沖の筏を予約し、マダイやチヌを狙ってみることにした。

この筏は沖にある養殖イケスに連結され、周囲には多数のイケスが並んでいる場所にある。トイレや日除けも設置され、釣り人にとってはありがたい筏となっている。ファミリーやカップルでも楽しめる場所だ。足場も良く湾内のため、潮の流れもそこまで速くはなく、水深は10m程と釣りやすいのでビギナーにもオススメの釣り場だ。大型のチヌやマダイをメインにアジやヒラメなども狙え、時にはカンパチなどの“青物”も入ってくる。私は過去に70cmのマダイを仕留め、その日は1kgオーバーのマダイを20匹近くゲットした実績もある。

 

朝マヅメにドデカイ一発!

待合所で乗船名簿に記入、夜明け共に港を離れ沖の筏を目指して出船した。

当日は北の風が5mほど吹いていたが、釣り座としては背中からの風になる。10分程で筏に到着、風に飛ばされないように荷物を1ヵ所にまとめ、釣りの準備。チヌ用の集魚剤3袋9㎏にオキアミの生3kg板を3枚用意。風が強いためバラけないように撒き餌を飛ばしたいのでオキアミは細かく砕き、集魚剤は手でしっかりと空気を抜くように硬めに仕上げた。

タックルは大型のマダイに備えて、竿1.5号・5mに道糸1.75号、ハリス1.75号とし、ハリはチヌの3号。ウキはガン玉を使わずにゆっくりと付け餌の重みだけで沈めていきたいため00号を選び、仕掛けが馴染むと沈んでいくようにセットした。付け餌は2種類を用意。1つは撒き餌からとったオキアミの生で、もうひとつはチヌやマダイにアピール力の高いダンゴ餌を用意した。

周囲が明るくなり完全に夜が明けた7時過ぎ、期待を込めて筏から竿2本先に第1投。撒き餌をウキの周りへ10杯ほど打ち、強風に気を使いながら風上に置くようラインコントロールしながら張らず緩めずにして撒き餌と同じスピードで付け餌が沈むように探っていった。すると、底付近に到達した仕掛けにアタリが出た。

ハリスを底に這わせるようにコントロールしていたラインがスッと動き、徐々にスピードあげて海中に引き込まれていく。ある程度走ったところで合わせを入れると、どっしりとした重量感が手元に伝わる。大型のチヌの予感!

かなりの重量感で中々浮いてこない。気になるようなロープなどは近くにないので、慌てずに逃げ回るデカイ“相手”を優しくいなしながら徐々に浮かせてくると、50cmは優に超えた銀鱗が徐々にその姿を見せるように浮いて来た。“初物”のチヌなので慎重にタモに入れようとした途端、スッと軽くなりまさかのハリ外れ。良型だっただけに悔やまれる1匹となった。

待望の“本命”ゲット!

潮は朝の内は、釣り座から正面に見える沖のイケスに向かって流れていたが、満潮を迎える午前9時頃になると一気に沖から足元方向へと流れる釣りにくい潮に変わり、暫くは釣りにならない時間が続く。湾内の水深のある筏や波止は“二枚潮”や複雑な流れになりやすく、ここもコロコロと潮が変わる事が多い。そのため、一瞬の時合を逃さず釣ることが釣果を上げるポイントになる。

最初のチヌはオキアミの生を付け餌にして当たってきたが、その後は付け餌を取らない時間が続いたため、ダンゴ餌とのローテーションを繰り返し、魚の目先を変えながら釣りを繰り返した。

潮が良くない時には広範囲を探ろうとポイントを竿3本程から30m先まで遠投、沖のプレッシャーの薄い魚を狙い打った。暫くするとまた沖の方へいい潮が動き出し、底に這わせていた仕掛けに微かにアタリ。気持ちよくラインが走る。結構な重量感で走り回るため“本命”のマダイの予感。海面を割って来たのは45cm級の綺麗なマダイで、無事にタモに収めることが出来た。

続けてもう1匹と思い、先程と同様に竿3本程先に遠投を繰り返したが、またしても潮が変わりアタリが遠くなった。

午後から風も収まって来たので、魚が動き出すであろう夕方に向けて一定のポイントへと撒き餌を打ち返す。すると、魚も寄って来たのか、これまで当たらなかったボラが喰い出し、立て続けに2匹のボラをゲット。

「そろそろ“本命”を…」と手返しを繰り返していると、ゆっくりとした潮に乗って沖の方に沈みながら流れていたウキが一気に海中へ消えた。素早く合わせを入れると先程よりも力強く重量感もある引き込み。無理はせず魚を走らせて徐々に浮かせると、ピンクの魚体が綺麗なマダイが浮いて来た。無事にタモ入れに成功、計測してみると50cm級の立派なサイズ。その後はまた潮が手前側に入ってくる潮に変わり、アタリもなくなったので16時に納竿した。

『ヒダカ水産』へのアクセス
蒲江地方では、この筏に限らず周辺の波止や地磯からでもこれからの時期は、大型のチヌやマダイが狙える魅力タップリの場所である。蒲江までのアクセスは大分自動車道を南下し蒲江ICを降り、直進すると海に出るので、突き当りのインターパーク交差点を右折、10分程走ると『ヒダカ水産』に到着する。事前予約を忘れずに。また、どこで釣りをした時にも必ずゴミは持ち帰り、地元の人への配慮を怠らずに釣りを楽しん頂きたい。

施設等情報

ヒダカ水産 筏
〒876-2405 大分県佐伯市蒲江大字丸市尾1334-1 
TEL:0972-44-0207 ヒダカ水産ホームページ

施設等関連情報

・1番イカダ・4番イカダ 1人3,000円
 上記以外のポイント 1人4,000円
・2番イカダ・3番イカダ 1組4人まで 1人4,000円 
 1組5人以上 1人3,500円
・出港時間 6:00 ~ 6:30
※料金などの詳細は公式ホームページを参照
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

上木 健司
大分県南の磯をホームグランドに、グレやチヌを中心としたフカセ釣りをはじめて30年。磯からのロックフィッシュやヒラマサ狙いにも精を出している。
若い頃にはGFGや釣研FGなどで年間大物賞などのタイトルも獲得。釣り人口の増加に寄与するため、地元メディアにも出演して、釣りの普及活動等も行う。
また、釣り具用ネームシール等の販売を通じ、全国の釣り人の輪を広げるために尽力している。
instagram:
@kenji.1091.vv
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