釣りビジョン マガジン

2022年06月02日公開

宮城県・石巻エリアで陸からの大型ハゼ釣りがシーズンイン!

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ハゼと言えば「秋の釣り物」と思われがちだが、宮城県・石巻エリアでは、この時期、早くもシーズンインする。一般的には“年魚(1年で一生を終わる)”とされるハゼだが、同地区では越冬して2年目を迎える個体も相当数いるようだ。例年秋から冬には、小型船で松島エリアのハゼ釣りを楽しんでいるが、今回は“陸っぱり”での釣りを楽しんだ。

【この記事を書いたライター】山口 充

東北の味を楽しむ

今回宮城県を訪れた理由は、コロナ過で開催が2年間中止になっていた「塩釜カレイ釣り大会」に参加するため。さらに当地の釣り公園で、さまざまな魚を狙う予定も立てていた。そのため、カレイ仕掛け以外にも投げ釣り、ルアー、ニジマス釣りまでさまざまな準備をして向かったのだが、大会は当日の天候悪化で中止となってしまった。残念だったが、当地の仲間達と再会出来て有意義な時間を過ごせた。中止決定後、同地を訪れるたびに出掛けている『塩釜水産物仲卸市場』に向かい朝食。場内でさまざまな海産物が小売りされており、“ご飯セット”を購入してオリジナルの海鮮丼を食べるのがお約束。今回も美味しい魚介類を満喫した。

『塩釜水産物仲卸市場』当地の美味しい魚介類を満喫出来る
『塩釜水産物仲卸市場』当地の美味しい魚介類を満喫出来る
生牡蠣は流石宮城、至福の時
生牡蠣は流石宮城、至福の時
小分けにされているので丼を作るのに最適
小分けにされているので丼を作るのに最適
オリジナル海鮮丼の完成。釣行が中止でも楽しめるのが観光地の強み
オリジナル海鮮丼の完成。釣行が中止でも楽しめるのが観光地の強み

友人船長にハゼの状況を聞く

秋になると松島の風景を楽しみながら小船で狙う大型ハゼのシーズンに入る。例年お世話になる奥松島月浜でチャーター船を営む『金龍丸』の小野秀樹船長と、こちらも20年来の付き合いである塩釜料理を伝える『翠松亭』で会食をしながら話を伺った。東日本大震災の数年後、小野さんと晩秋の“ケタハゼ”釣りをしたことがあり、23~25cm級が多く釣れ、夕暮れ迫る松島でヒットさせた27cm大型ハゼは思い出の1匹。晩秋の乾いた空気の中、手バネ竿での取り込みは、ヒュンヒュンと空気を斬る糸鳴りを聞きながらハゼと格闘、至福の時を味わった。

東京湾でも、その昔(40年以上前)は“ケタハゼ”の乗合船が出ており、季節は秋から冬。「多分ですが、東京湾とは少し産卵の時期が違うと思います」と小野船長。震災前は地元の漁師もしていたので間違いない話。「3月終わりから5月位までは産卵絡みの影響が有ると思います」」との事。ハゼは河口付近の浅瀬で冬から早春に産卵、晩秋には海に近い所に移動するとされている。東北は水温の関係で東京湾エリアより1カ月以上遅い感じ。「2年目のハゼも多いと思います」と小野船長。また、宮城県では年末料理の出汁として使う「ハゼの焼き干し」がある。25cm前後のサイズが使われている。現在でも年末になると販売されているが、非常に高価でサイズにもよるが5、6匹で3,000円以上の値が付くことも。こうした文化からも昔からハゼが大型化するエリアだと伺える。

小野秀樹船長
小野秀樹船長
秋のシーズン松島内は最高の風景が楽しめる
秋のシーズン松島内は最高の風景が楽しめる
こちらも楽しみな奥松島付近のマハゼ釣り
こちらも楽しみな奥松島付近のマハゼ釣り
年末料理の出汁に使われるハゼの焼き干しは高級品
年末料理の出汁に使われるハゼの焼き干しは高級品
焼き干しを使った「ハゼの骨酒」最高
焼き干しを使った「ハゼの骨酒」最高
今回もハゼの天ぷらは最高だった
今回もハゼの天ぷらは最高だった
美味しい塩釜料理で舌鼓
美味しい塩釜料理で舌鼓
 

地元釣具店で情報収集

ある程度の仕掛けは用意していたが、細かいデーターや場所は地元の釣具店で聞くのが一番。そこで『上州屋』新石巻店(宮城県石巻市蛇田字下中埣1-18)で宮城の友人と合流。おすすめの仕掛けセットを見てみると、関東で狙うハゼバリより2、3クラス大きい物を推薦された。店内におすすめの釣り場が印刷された紙があり、ターゲット、釣り禁止エリア、立ち入り禁止、駐車場等が案内されていて便利。今回は石巻港エリアで楽しむ事にした。

今回集合場所となった『上州屋』新石巻店、釣り場情報も豊富
今回集合場所となった『上州屋』新石巻店、釣り場情報も豊富
情報収集して石巻港付近を狙う。沢山の釣り人が楽しんでいた
情報収集して石巻港付近を狙う。沢山の釣り人が楽しんでいた
陸からの釣りは出来るだけゴミが出ない様にしたい。餌のパックは風で飛びやすいので餌入れに入れて置く
陸からの釣りは出来るだけゴミが出ない様にしたい。餌のパックは風で飛びやすいので餌入れに入れて置く
チョイ投げ関係もハゼ釣りに有効で、釣具店で相談し決めると良いだろう
チョイ投げ関係もハゼ釣りに有効で、釣具店で相談し決めると良いだろう
旅のお供にパックロッド。最近は性能が高い物が多い
旅のお供にパックロッド。最近は性能が高い物が多い
リールさえあれば様々な釣りに対応出来る
リールさえあれば様々な釣りに対応出来る

18~20cm級が連発!!

石巻港付近の釣り場に到着すると、多くの人たちが楽しんでいた。2.4mのリーズナブルな投げ竿2本と、最近お気に入りの「コンパクトロッド」も「チョイ投げ仕様」として用意。通常の投げ釣りは、片天ビン8号と15号、仕掛けは投げ釣り用の全長2m前後、チョイ投げ仕様はオモリ3~5号で小型スピニング、道糸PE0.8号、関東のシロギス仕掛けと天ビンをセットした。

まずは2本の投げ竿を岸壁からキャスト。下げ潮が効いている時間だったが何故かアタリが無い。1時間後、再投入を繰り返して探っていると餌が喰われている。そこで天ビンを8号から15号にして安定させると竿先にハッキリとしたアタリが来た。タイミングを見て合わせると「掛かった!」。引きも強く慎重に巻き取ると綺麗な18cm級のハゼ。卵が入っていそうな体型だ。恐らくキャストした水深は10m前後。同じエリアに再キャスト。天ビンが着底したら、一旦竿を立てて糸を巻き取り、再着底させて仕掛けを張る。再びヒット。下げ潮一杯の時間帯に入り、潮が緩むとヒットの確率が上がるのも面白い。そこで軽いオモリを使ってチョイ投げで探ると、力強い引き込み。上がって来たのは20cm級のハゼ。さらに楽しませてくれたのは「アカハゼ」。地元では、ポピュラーな魚で食味もハゼと同じ様に調理出来るので嬉しい“ゲスト”。こちらも20cm級が多くヒット。面白いのはハゼと釣れる場所が少しずれている感じがすること。“産卵体制”の個体もあり、ハゼに遅れて本格化するのかも…。

「最高だ」。このサイズのハゼからスタート
「最高だ」。このサイズのハゼからスタート
卵が少し入っていたハゼ
卵が少し入っていたハゼ
チョイ投げ仕様でもヒット。引き味は最高
チョイ投げ仕様でもヒット。引き味は最高
18cmを超えてきた
18cmを超えてきた
アカハゼも元気一杯。コンデションの良い体型で美味しい
アカハゼも元気一杯。コンデションの良い体型で美味しい
釣れる水深が微妙に違う感じであった
釣れる水深が微妙に違う感じであった
種類の食べ比べも楽しみ
種類の食べ比べも楽しみ

22.5cmの超大型も!

潮が止まるとやはりアタリが遠のき休憩タイム。太陽が傾きかけて上げ潮が効いて来た。上空には松島基地から飛んできたブルーインパルスが通過。とにかく雰囲気が良い。朝から居たファミリーと入れ替わるように、本格派の釣り人が増えて来る。私も再始動して探りを入れる。「掛かった!」。明らかに強い引き。上がったのは21.5cmのハゼ。産卵後の体型だったが、綺麗な色。「もしかしてこのまま2年目に入るのかな」と興味津々。その後、18cm前後のハゼ、アカハゼが入れ喰いモードへ。そして再び大きなアタリ。引きを楽しみながら上げると22.5cmのハゼ。「デカイ!」。こちらも産卵後の体型だが頭が大きい。友人が「今後、体型が“復活”しますから…」と、帰る時間を忘れて楽しんでしまった。「もう1泊して行きたい」と後ろ髪を引かれる想いで釣り場を後にした。

素晴らしい釣り場が点在している宮城県。今回は石巻エリアだったが、仙台湾でも無料で楽しめる『スリーエムパーク釣り公園』の工事が5月31日に完了し再開予定。また、『亘理町鳥の海・荒浜漁港公園』も無料で釣りが楽しめる。近々にスケジュールを作って再び向かう予定。ハゼの不思議と宮城県のパワーを感じた釣行だった。

サイズアップ21.5cm、産卵後の荒喰いに入って来た様子
サイズアップ21.5cm、産卵後の荒喰いに入って来た様子
明るい時間に一旦清掃をしておいた
明るい時間に一旦清掃をしておいた
どんどん増えるハゼとアカハゼ。持ち帰りの際には氷水で冷やして置くと調理し易い
どんどん増えるハゼとアカハゼ。持ち帰りの際には氷水で冷やして置くと調理し易い
産卵直後とみられるハゼ。秋に向けて体力復活。23cm
産卵直後とみられるハゼ。秋に向けて体力復活。23cm
塩竃の藻塩でハゼとアカハゼの天ぷらを作った。触感が違う。両方美味
塩竃の藻塩でハゼとアカハゼの天ぷらを作った。触感が違う。両方美味
大きい物はお正月用焼き干し
大きい物はお正月用焼き干し
干物用のシートで冷蔵庫保管
干物用のシートで冷蔵庫保管

施設等情報

■宮城県・石巻漁港 周辺
〒986-0022 宮城県石巻市魚町

施設等関連情報

車:三陸自動車道・石巻河南ICから約30分
     
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。​

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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