オフショアマガジン
2012.3.1号

番匠高宮丸・静岡県下田須崎港
数・型共に絶好調!伊豆・新島沖の超高級魚“旨キンメ”

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「ここのキンメはいつ来ても脂が乗っていて美味しいね」。静岡県・下田須崎港『番匠高宮丸』の常連達が口を揃えて絶賛する-通称“旨キンメ”。その“浜値”は1kg3000円は下らない。その超高級魚が年明けから絶好調だ。1、2kg級中心に連日トップで30尾前後の好成績が続いている。「昨年よりも間違いなく良いですよ!」と小澤長夫船長も太鼓判を押す。19日、下田須崎港へ出掛けた。

キンメは回遊性!?

キンメが回遊性の魚である事は意外と知られていない。深海の岩礁帯に居ついているイメージが強く、アコウなどと同じ印象に捉えられている事が多いが、実は海流に乗って大移動するのだと船長。「四国沖でタグを打たれたキンメが新島沖で上がった例もあるんですよ。回遊性の魚だから年によって大きく釣果が変わるんです」と言う。つまり、2カ月間も絶好調と言う事は、日々新しい群れが入って来ていると言う訳だ。

今回のターゲットはこれだ!
初めての人に熱心に教える船長
仕掛け図

雪がパラつく午前4時半港に集合

午前4時半、沖に停泊していた船のエンジン音が港内に響いた。この日は日曜日、船着き場には大勢の釣り人が詰めかけ、キンメ人気の高さを裏付ける。『番匠高宮丸』のキンメ釣りは定員8人の片舷流し。ミヨシ(船首)から3番目の胴の間(中央)にはこの日初めてキンメを狙う瀬町孝次さん、その右隣には「この日を楽しみにして来ました。途中、雪が降っていたけど張り切って行きます」と、朝からハイテンションの武藤勝さん、ミヨシには上乗り役の田中竜司さんが座った。

釣り場につくまではロープで固定
仕掛け&オモリのセット

1投目は“石廊合わせ”の水深300m

午前5時の定刻に河岸払い、最初の釣り場までは航程約1時間。午前6時丁度、「着きましたので、準備をお願いします」と、船長からアナウンス。“石廊合わせ”と呼ばれる水深300m前後の好ポイントだ。周りには20隻近い船が犇いていた。「ナギもいいし漁船も多いね」と船長。午前6時15分、投入準備が出来た頃合いを見計らって合図が出た。「いいよ~前からやって」。上乗り役の田中さんは1、2投目は世話役に徹するため次の人から投入。しかし、仕掛けが絡んで落ちていかない。船長も後方に迫った船との間隔が縮まってくるのを見て1人目の投入を諦め、3番目から順番に6人の投入となった。「人生初投入、とりあえずうまく行きました」と瀬町さんは安堵の表情。

片舷8人綺麗に並んだ
石廊合わせには船団が!
1投目に出た濃い反応!

人生初投入で8尾掛け!

朝の内はとにかく寒かった。時たま雪もパラついた。海上で雪に降られるのは人生初。視界に入った大島の三原山も山頂付近は綺麗に雪化粧されていた。「大島にも意外と雪が積もるんですよ。この季節ならではの光景ですね」(船長)。間もなく武藤さんが叫んだ。「来たよー!アタってる」。深場専用竿の穂先にグングン、グンと大きなアタリが出ていた。すると、「よし!こっちも来た」。今度は瀬町さんの貸し道具にもヒット。巻き上げ前には6人全員の竿にアタリが来ていた。「前から巻いて下さい。前の人の仕掛けが、自分よりも30m上に来たら次の人も巻いて下さい」(船長)。隣同士で「今、何mですか?」と言う声が船中あちこちで聞こえて来る。そして、瀬町さんの仕掛けが上がって来た。「おー、赤いのが見えるぞ!」。夢中で仕掛けを手繰り寄せ1尾、2尾、3尾…まだまだ続く。そして最後にドサッと音がして全てが無事取り込まれた。1kg級を中心になんと人生初投入で8尾を釣り上げてしまった。「これは嬉しいですね、1投目から8尾も釣れちゃいました」と、満面の笑み。続いて武藤さんもクロムツを含め8尾掛け。残る3人はオマツリしてしまったものの3人合計で12尾のキンメが掛かっており、4尾ずつ分けて全員が型を見た。
「1投目は良い反応が出ていましたよ」と船長の撮影した魚探反応の写真を見せてもらうと根の上にモッコリと大きな反応。「この反応が全部キンメってわけではないと思いますが、ベイトの周りに大量のキンメが寄って来ているのでしょうね」と船長も1投目の釣果に満足の様子。

1投目からこの釣果!
黒ムツ交じりでズラリ
こちらも大漁!

“新島沖”水深480mに移動

「お土産も確保出来たので、大型狙いの新島沖に移動します。20分程走ります」とアナウンス。狙うは2、3kgの“旨キンメ”だ。水深480~500mラインへと向かった。新島沖へ着くとキンメ狙いの船はまだ4、5隻と少なかった。午前8時前、2投目の合図が出た。ミヨシから順番に仕掛けが投入されていく。「ポイントが広いから、ゆっくりと投入して大丈夫。焦らないでいいですよ」(船長)。この流しは全員トラブル無く投入完了。しかし、前投とは打って変わってアタリがなく、流し替えとなった。「上潮と底潮の流れが違うみたいですね。上潮は0.8ノットで流れているんですが、底潮が全然いってない。ここでは底潮が流れて根掛かりするようでなくちゃダメなんですよ」と船長。
そして、3流し目。狙う水深は480m。ここから田中さんもミヨシから竿を出す。合図とともに1.8kgの鉄筋を手早く落とし、アッと言う間に15本バリ(制限数25本、20本バリが一般的)の投入が完了した。「活性が落ちた時には、ハリ数は少ない方が魚の掛かりがいいんですよ。ハリ数を多くしたがる人の方が多いですが、かえって裏目に出ることもあるんです。漁師も喰いが悪い時にはハリ数を減らすんですよ、信じられないでしょう」(船長)。

新島沖へ移動となった
狙うは2kg級の“旨キンメ”
アナゴ餌で狙う釣り人もいた

良型狙いが的中!2kg超えが続々浮上

着底は各人が確認。あとはサミングしながら道糸を船の揺れに合わせて出して行く。すると、670m道糸が出た所で左舷トモから2番目の竿先に変化が出た。船の揺れの合間で時たまクン、クンと竿先がお辞儀する。船長から巻き上げの合図が出て30分、胴の間から「デカイ!これはデカイ!」と武藤さんの声が響き渡った。海面には2kg級のこれぞ“旨キンメ”と呼べる大型キンメが浮かび上がった。田中さんが口切れに備えタモを下に添えて船内に取り込んだ。「よっしゃー!」と叫ぶ武藤さん。そして、その次の人にも2kg、大ドモ手前の鳴海さんにも2.3kgが上がった。1流しで2kg級が3尾、船長の大型狙いは、見事に的中した。

武藤さんに2kg級!
当日最大の鳴海さんに2.3kg!
胴の間でも2kgUP♪

瀬町さんも良型含め2尾掛け
こちらもダブル
次の投入も2kg超えの鳴海さん

タチモドキの歯で痛恨の高切れ!

4流し目、5流し目と1~1.5kg級を中心に全員2尾ずつ追加、気が付けばクーラーは真っ赤に染まっていた。そして、午前11時過ぎ、6流し目も順調にアタリが来た。「また全員ヒットか!?」とワクワクしながら上げて来たが、海面下には、明らかにキンメと違う銀色に光る長い魚体が見えた。しかも1尾だけではない。隣もその隣にも全員にヒット。「げ~、“タチモドキ”だらけだよ」。ゆっくりと手繰り寄せた仕掛けには1m級のタチモドキが掛かっていた。「あ~まずい、隣の人とオマツリしちゃったよ」。胴の間の釣り人がオマツリを解こうとした瞬間、タチモドキが武藤さんの道糸にガブッと喰いついた。その瞬間、ドン!と大きな音とともに痛恨の高切れ…。「やっちゃった~」と悲しい声が響き渡った。「タチモドキの歯は鋭いから、オマツリの時には注意しないとね。食えない魚ではないけど釣り人には嫌われる厄介な魚です」と船長。しかし、その流しでは、胴の間で2.5kg級のアコウもヒット!厄介なゲストの後には高級ゲストの登場で移動となった。

嫌われ者のタチモドキ
堂々2.5kg級のアコウ
キンメダブルににっこり♪

最後の7投目、私もカメラを置いて一投だけチャレンジしたが残念ながらタチモドキ1尾の釣果。しかし、同じ流しで武藤さんは小型のアコウとキンメ3尾の4点掛け、竿頭になった鳴海秀俊さんはキンメ1~2kg級を2点掛け。鳴海さんの釣果は、キンメ2kg超え2尾を含む15尾。平均10尾前後の釣果で納竿の13時を迎えた。年明けからこちら、シケ模様の日が多いが、ナギさえよければ確実に釣れている。是非出かけてみては如何だろう。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県下田須崎港『番匠高宮丸』
〒415-0014 静岡県下田市須崎491
TEL:0558-22-0725(定休日:毎週土曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
番匠高宮丸ホームページ
出船データ
(料金)旨キンメ船=18,950円(付け餌・氷付)
仕掛け乗船セット=24,150円(仕掛け15×6、20×2付、氷付)
オールレンタル乗船セット=31,500円
※鉄筋オモリは無くした本数×210円
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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