オフショアマガジン
2012.3.15号

宝生丸・千葉県勝山港
深場から好スタート!千葉県・内房勝山沖のマルイカ

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とうとう“不発”に終わってしまった昨シーズンのマルイカ。今では釣り方のバリエーションも飛躍的に増え、多くのファンが待ち望んでいたマルイカ釣りが年明け頃から関東各地でスタートした。千葉県・内房、勝山港『宝生丸』では2月下旬から乗合船を開始。水深は50~70mと深いがオモリは30~40号のライトタックル、35cm級の大型交じりでまずまずの釣果を記録している。「こんなに大型が釣れるのなら」と9日、久し振りにマルイカ道具を引っ張り出して勝山港に向かった。

高いゲーム性と最高の食味が人気!

たった10年程前まで、マルイカ釣りと言えば「“玄人”好みの難しい釣り」のイメージがあった。とにかくバラシが多いというのがその理由。当時の釣り方もブランコ仕掛けが主流で「アタリが出たらゆっくり巻く」が基本で、現在の様に「アタリが出たらフッキングする」事はどこのマニュアル本を読んでも書いていなかった。
バラシの原因はスッテに対するマルイカの触り方に問題がある様だ。一気にハリ掛かりしてしまう場合もあるが、アタリだけで掛からない事も多い。巻き上げる途中でバレてしまうのはスッテの中央を触っているだけで、ハリ掛かりしていないマルイカは「逃げたい時にいつでも逃げられる」というのが巻き上げ途中でバレる主な原因だった?
その後「スッテを見せてアタリを出し掛けて行く」という概念が定着し、ブランコ仕掛けに加えて“直ブラ”、“直結”と仕掛けの種類も増え、釣り人の状況対応が求められるゲーム性が高まったと言える。勿論、美味しいイカ(超高級イカ・ケンサキイカの幼体)である事も人気の理由であり「ヤリイカよりも好き」という釣り人も少なくない。

LTマルイカ直結仕掛け図
当たりスッテ”を自分で探すのも楽しみ
 何で食べても最高に美味い!

前日は今シーズン最高の魚探反応!

早朝5時半、港に付くと『宝生丸』高橋賢一若船長が釣り人との釣り談義で盛り上がっていた。「昨日の反応はすごかったですよ!この反応で釣らないでいつ釣るの?って言うくらい」。降りしきる冷たい雨の中で賢一船長の笑顔が弾ける。「今日は釣れる!」。この時ばかりは誰もがそう思ったはずだ。私も高まる期待を胸に乗船。右舷胴の間(中央)に座った。左舷に2人、右舷に3人を乗せて午前6時にモヤイを解いた。

釣り座はシステマチックに!
 冷たい雨の降る中を出船

北寄りの強風と冷たい雨

港口を出るとすぐにアナウンス。「釣り場は近いですから支度しておいて下さいね」と船長。浮島周辺のポイントから魚探反応を探し始めたが投入合図はなく、凡そ20分で大きく移動。荒れた海を南下して向かった先は館山湾。洲崎が目前に迫る。だが、ここからが前日とは大きく違っていた。船がスローダウンすると、釣り人は各自の席に着き、投入合図を待った。賢一船長が魚探反応を探している間、釣り人はオモリを握り締め、私はカメラを構えた。冷たい雨にも負けず集中出来たのは、前日の魚探反応の話が強烈だったため。しかし、その期待に満ちた集中力も時間の経過と共に次第に薄れていった。そう、魚探反応がないのだ。ようやく最初の投入合図が出たのは7時50分。水深は68mと深い。6時に出船してから2時間近くも経っていたが、船中誰にもアタリは無くすぐに竿上げの合図。次の投入合図が出た時は8時30分を回っていた。

この水深でもライトタックルで攻める

30cm級の大型が浮上!

ようやく見つけた反応でこの日2流し目が始まった。水深75m。海底から4mまでの間を探る様に指示が出された。すると私の左隣、右舷ミヨシ(船首)の石沢さんが掛けた。その一部始終を真横から見ていたのだが、オモリ着底後のアタリに集中し、無ければ誘いを入れて止めて見せる。そこでもアタリが無ければ一気に10m以上巻き上げて落とす“巻き落とし”で、もう一度着底後すぐのアタリに集中する。船中最初のアタリを捉えたのがこの時だった。オモリ着底後、ゼロテンションに保っていた竿先に明確なアタリが伝わり、キュッとスナップを効かせたフッキングが決まった。柔らかく胴まで曲がる専用のショートロッドにパワフルなイカの引きが伝わる。船の揺れを体で吸収しロスなく巻き上げてくると海面下にマルイカが2尾。直結仕掛けを手際良く裁いて取り込まれたのは全長25cm級と30cm級。良型が多いのが、現在の『宝生丸』の特徴でもある。左舷の2人にもマルイカが掛かり、船内が一気に活気付いた。

船中第一号は25cmと30cm級のダブル
20cmオーバー!

アクションより重要なスッテ選び

この日は1人を除いて全員が直結仕掛けを使っていた。釣り方やロッドアクションを見ていると“タタキ”、“ゼロテンション”と、さながらカワハギ釣りの様である。実際にカワハギ釣りのアタリを出すテクニックはかなり応用出来そうなのだが、賢一船長が重視するのはアクションよりもスッテ選びだと言う。「スッテが合っていれば勝手に乗って来ますからね」と笑う。大きく派手に動かすスタイルはあまり好みではない様だ。と言うのも賢一船長も大の釣り好きであり、父親で大船長の栄さんは勝山港の船頭仲間にも一目置かれる存在である。「釣り好き船長は教え上手」というのは今も昔も変わり無く、ひとたび釣りの話に夢中になると時間を忘れてしまう程の釣り好き親子である。

左舷でも良型が上がった

待望の時合到来!

暫く我慢の拾い釣りが続いたが、10時前後になると1流しで2回の入れ替えでマルイカが乗る様になって来た。サイズこそ小ぶりなものが多いが、自分で誘ってアタリを出して掛ける本来のマルイカ釣りの楽しさが見られる様になった。多少群れが固まって来たのか、魚探反応を探す時間も短くなったが「今日は型が小さいですね。反応も少ないし」と船長。前日は一日中ポツポツと乗ったが、海が悪くて取りきれなかったと言う。それに比べるとこの日は魚探反応を探している時間が長すぎ、「同じエリアだけど、昨日の群れと入れ替わったみたい」と不満顔の船長。やはり釣りに絶対は無い。「昨日は良かった」という定番のフレーズを痛感させられる状況で終わった。

クリオネサイズも交じった

浅場に入るこれからが本番!

結局、この日のトップは右舷ミヨシの石沢さんで10尾。左舷側が9尾と8尾。海が悪かった事もあり、バラシが数多くあったのも数が伸びなかった要因だ。途中で竿を出した私は2尾と数は少なかったが、繊細なアタリをライトタックルで楽しむ事が出来た。今後、日を追って水深も浅くなり、釣り易い本格シーズンが訪れる。暫く通う事になりそうだ。

この日の大半を魚探反応探しに費やした
スッテに喰って来たホウボウ

(津端 雄大)

今回利用した釣り船
千葉県勝山港『宝生丸』
〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山54
TEL:0470-28-2305
詳細情報(釣りビジョン)
宝生丸ホームページ
宝生丸釣果ブログ
出船データ
マルイカ予約乗合
料金:8,500円(氷付き)HP割引有
時間:午前6時出船、午後13時沖上がり(※集合時間は予約時に確認)
レンタル:投入器無料貸し出し、貸し道具無料
※4月から出船時間が1時間早くなります。
※午前・午後ティップランエギングにも出船中
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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