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年忘れ釣行記・2022年の忘れえぬ一匹は、湖の真ん中で出た!

2022年12月31日公開

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2022年ももうすぐ終わろうとしています。ロシアのウクライナ侵攻、安倍元首相の暗殺、ワールドカップサッカーでの日本代表の活躍など、今年も様々なことが起きました。でも、個人的には自分が「釣りビジョンマガジン」の編集長に就任したことが最大の事件。7月からの約半年間、不安定ながらも舵取りができたのは、優秀なスタッフと寛大な読者の方々が支えてくれたおかげだと思っています。……さて堅苦しい挨拶はこのくらいにして、今年1年間の総括として、自分にとって最も印象に残った「忘れえぬ1匹」の話でもして、今年のしめくくりとしよう! 本当は9月に記事化する予定だったけど、色々あってお蔵入りにしていた榛名湖の釣行記です(執筆:横沢鉄平)

真夏の榛名湖で白昼夢を見たい

2022年の思い出に残る釣りといえば、まず5年もかかってついに釣り上げた「キハダマグロ」が強烈な印象を残している。でも、それは8月に記事で書いた(神奈川・相模湾&南沖、キハダマグロ釣り奮戦記)ので、あえて今回は触れずにおこう(触れているか)。淡水の釣りでは、8月30日、群馬県の榛名湖で釣った1本のバスが脳裏に焼き付いている。榛名湖は、ここ10年ほど年に1~2度行くようになっている湖。それは「ダウト」という草トーナメントにスポット参戦するためだ。ただ、たまにビッグフィッシュ賞はとるものの、優勝は一度もしたことがなかった。
真夏の榛名湖には神話のようなパターンがある。それは「湖のど真ん中でのトップウォーター」。ど真ん中で突然ボイルが起きて、そのボイルをポッパーやペンシルで狙い撃ちにすると、グッドサイズのバスが飛び出すというのだ。その日は8月ということもあり、このパターンを夢見た私は榛名湖のど真ん中までボートを進めた。

たった1本のヴィローラで神話を実現か?

私は、ポッパーやペンシルではなく、ディスタイルのヴィローラ2.8インチをノーシンカーで投げることにした。それは高い浮力を誇るリアル系ワカサギワーム。先月の大会でもいいバスを釣ったし、この時最も自信を持てるルアーだったからだ。
「先月の榛名湖でも釣れたから、確かあったはず……あった!」
ところが、空のパッケージ。もう一つ見つけたけど、それも空だった。絶望の淵に立たされた私だったが、たった一筋の希望の光をこの目でとらえた。それはワームケースの片隅に1本だけ転がっていた、使い古しのヴィローラ。7月の試合で最後に投げていた、あの1本だった。こういうワームは、えてしてドラマを起こすものなのだ……。
「今日はこの1本のヴィローラで、3匹のリミットを揃えるしかないな……」

 

2022年の、「記録ではなく、記憶に残る1匹」との出会い

突然、スーパーボイルが起こった! しかも至近距離で。私はヴィローラを投げて、しばらく浮かせておいたら、「ゴボゥン」という低い音を響かせて水面が割れた! まさしく、湖のど真ん中で、トップに出たのだ! かなりの引きだったけど、仕留めたバスは40そこそこのサイズ。その場で検量すると1015gだった。
「よし、このペースでリミットメイクするぞ……ん?」
残念ながら、激しいファイト中に唯一のヴィローラが何処かへと失踪してしまった。最大の武器を失ってしまった私は、その後1匹も魚を追加できずに試合終了。ところが、参加者も少なかったし、ほかのみんなも不調だったようで、なんとこの1匹で初優勝! あれから20パックは買ったな、ヴィローラ2.8インチ。
 今年の最大バスは56センチの3560gだったけど、やっぱり優勝を決めたこの1匹が忘れられない。読者の皆さんも、そんな忘れえぬ1匹1匹の魚たちを振り返りつつ、そばでも食べながら年を越してください。2022年、お世話になりました。2023年もよろしくお願いいたします。

※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

横沢 鉄平
フリーライター。ライフワークはバスフィッシングだが、ワカサギから世界の怪魚まで、すべての釣りを愛する男。ロッド&リールの「三匹が行く」、ルアーマガジンの「ドラマチックハンター」など、長期連載企画での出演経験も多数。キャンプ用品の「ヨコザワテッパン」考案者でもある。
YouTubeチャンネル「ヨコテツ」も、ささやかに継続中だ。
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