釣りビジョン

2014.3.1号

小倉丸・千葉県千田港
脂の乗った良型“寒イサキ”の多点掛けに大興奮!

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イサキと言えば初夏から夏のイメージの強い魚だが、寒い時期のイサキも越冬のため脂肪を蓄えており、食べても美味い。そんな“寒イサキ”が千葉県・南房、千倉千田港『小倉丸』の乗合船で数が出ていると聞いた。千倉は花づくりが盛んな所としても知られている。帰りには“寒イサキ”と早春の花を土産にと言う目論みは大成功だった。

近くなった南房!館山道・富浦ICの先は早春の花の香り

2週続けての大雪にはビックリ。釣りの予定も番狂わせとなった2月17日の深夜、残雪を気にしながら千田港に向かった。横須賀から湾岸道路→アクアライン→館山自動車道→国道410号・フラワーラインを走って、2時間30分ほどで千田港に到着、富津館山道路のおかげで随分と近くなった。この日は釣友の飯妻武夫さんが同行した。『小倉丸』の待合所の前が駐車場だが、6時には私を含め4台の車が駐車した。お茶を頂き、受け付けを済ませていざ出陣。釣り座は、予約の早い者順で、好きな場所を指定出来るシステムになっている。釣り人は4人なので、左側片舷だけとして、ミヨシ(船首)には、前日も来たと言う小高英夫さん(館山市)が、トモ(船尾)には丸 偉夫さん(富津市)が予約していた。空いていた胴の間(中央)のミヨシ側に同行の飯妻さん、トモ側に私が入った。明るくなった6時半過ぎ、釣り場が近いのだろうスパンカーが張られ、舫い綱が解かれた。

この看板の奥が『小倉丸』の待合所
室内は釣果の写真で一杯、大きいのが写っている
小倉眞船長が釣り人と釣り談義、「奥義を聞けるよ」

小倉眞船長、ケータイで撮った大物写真。奥さんもにっこり
第23・小倉丸
釣り場が近いので、岸壁でスパンカーを揚げちゃう

北風の中、港直近のポイントでいきなり3点掛け!

釣り場は港のすぐ前だった。普段なら3、4分だろうか、風が強いため10分程で到着。「ハイ、やって!タナはカゴの位置ですよ。上から20m前後から16mの間を探って。いっぺんにコマセを撒くと魚がコマセに付いて行っちゃうよ。沖アミがポロポロと出てゆくようにシャクッて!」と、舵を握る小倉眞船長から合図。北風が強く全長6mの仕掛けが手前纏りしてしまう。それでも投入して間もなく、小高さんの電動リールが唸りを上げた。赤いコマセカゴが見え、長い幹糸を手繰って来ると、25cmから30cm級のイサキが1尾、2尾、いや3尾といきなりトリプル。隣の飯妻さんも30cm級をゲット、幸先よしと胸が弾む。トモの丸さんは「コマセダイ用の竿ですよ」と“ゲスト”のマダイやメジナに備えて3m近い竿でアタリを待つ。ここで私も竿を出そうとしたが、ミヨシでトモで隣で「トリプルだ」、「ダブルだ」、「良型だ」に、カメラを構えて右往左往、竿を準備する暇もない。

手が悴んで餌付けがなかなかできないよ
入れたら直ぐ来ちゃったよ、それも良型のダブルだよ
良型の一荷だ!「これも良い型でしょ」

『小倉丸』の特注仕掛け、これが威力を発揮しますよ

小まめなタナ指示と流し直で入れ喰い状態

北風に押され、短時間でポイントから外れてしまうが、船長は魚探と3人の釣れ具合を見ながら、リアルタイムで「18mから16m、今度は20m」と小まめなタナ指示を飛ばす。そして「ハイ、上げて」とポイントがずれると直ぐ竿上げの合図、再び船をポイントに戻す。私も矢も楯もたまらず竿を出す。動き廻るのを考慮して6mの2本バリ仕掛け(標準仕掛けは図を参照)にした。凍える手でコマセを詰め、沖アミを餌付けして投入。指示ダナの少し下から誘い上げ、指示ダナにセットして竿掛けに。カメラを持ってミヨシへ、トモへ動きまわっていると、「倉さん、喰ってるよー!」と連れの飯妻さんが教えてくれた。軟調の竿がグングンと引き込まれている。リーリング中もグイグイと小気味よい引き、30cm弱の一荷(2匹)だ。船長は、各人の足元の桶が、茶褐色の魚体で一杯になったのを見て竿上げの合図。

仕掛け図
今までより、ちょっと小振りかな、でも一荷です
またまた良型のダブル

これも良型だ、嬉しいね

良型を求めて移動、ここでも入れ掛かり

先ほど同じ様な型、ポーズも同じかな?
ここで船長、より良型を狙ってポイント移動。少し強まった北風の中、千倉港沖に。18mの指示ダナで仕掛けが馴染むとコマセが撒かれ、ミヨシもトモも胴の間も一気に竿先が持ち込まれた。全員が入れ喰いモード。船長が操舵室から顔を出し「3人同時にトリプルだね」と、してやったりのニコニコ顔。私も2点掛けの連続、1尾だけはほとんどない。しかし、狙った特大は姿を見せない、大きくても33cm止まり。時間が経過するとともに強く引き込むのはウマヅラハギ。「餌取りが寄って来てしまったなあ」と言いながら船長は竿上げの合図。

私も良い型が2匹、早く撮ってよ!
こいつはデカいよ、重量もありそう
飲み込まれた、ハリがなかなか外れない

イサキはタナ取りがポイント

釣れ盛ったイサキも、潮の流れが緩慢になって来ると喰いが落ちてきた。代わりに餌取りのウマヅラハギが寄ってくる。ポイントを移動して拾い釣りをするが、船長のタナ指示も目まぐるしく変わる。そんな中、小高さんと飯妻さんは的確に指示タナに合わせ、ポツリポツリと良型を釣り上げている。「6mの仕掛けが無くなっちゃたので3号の10mのマダイ用を使っていますが、タナを合わせてれば喰いますよ」と丸さんが良型のイサキをぶらさげている。ハリスの太さよりタナ取りが肝心なのだ。沖上がりの11時半には、50尾を超える“寒イサキ”がクーラーに収まり全員満足顔で竿を畳んだ。
小倉眞船長曰く、「日並さえ好ければ当分楽しめます」とのこと。帰り道、『小倉丸』の直ぐ先の“フラワー街道”で早春の花、ストックや金魚草、キンセンカを買い求め“寒イサキ”の入ったクーラーの横に積んだのは言うまでもない。正に両手に花!

良型のイサキでクーラー満タン
クーラーの中で良型のイサキが跳ねてた
こちらのクーラーも満タン、大漁だ

小倉丸は椅子席で、片舷10人ずつの限定
釣り場が近いので、スパンカーを畳むのも港に着いてから
「今日はマアマアだね、今の時機はこんなものでしょう」

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
千葉県千田港『小倉丸』
〒295-0025
千葉県南房市千倉町千田991-3
TEL:0470-43-8355
詳細情報(釣りビジョン)
小倉丸ホームページ
出船データ
乗合料金
午前船:1万1,000円 午後船:1万円(付け餌・コマセ・氷付)
出船時間
午前船:6時集合 6時15分頃出船 沖上り:11時30分
午後船:13時 沖上り:17時頃
定休日:第2・4水曜日
貸道具:無料
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