釣りビジョン

2014.5.1号

弥生丸・千葉県保田港
千葉県・内房の“アジ五目”釣り!

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春本番!荒れ模様だった天候もやっと安定して来た。日中は20度を超えることも珍しくはなくなった。そんな陽気に誘われて4月25日、安定して釣れているとの情報で千葉県・内房、保田港『弥生丸』の“アジ五目”を狙って出掛けた。

アクセスもよく風光明媚、受け付けは駐車場で

自宅の神奈川県・横須賀市を出て、横羽高速道路→東京湾アクアライン→館山自動車道と乗り継ぎ、保田ICを降りて国道127号線を経由、午前5時前には『弥生丸』の駐車場(「大漁荘」の看板のある所)に着いた。夜明けも早くなって、駐車場から見る東京湾はベタナギ。海を隔てた遥か前方に三浦半島が朝靄の中に霞んで見える。
5時半過ぎ、網代竜弥船長が現れた。『弥生丸』の受付場はこの駐車場だ。船着き場は国道沿80mほど先にある。桟橋から、海上にポッカリ浮いたような島、浮島が目の前に見えた。釣り具とカメラを持って船に乗り込む。既に2人の釣り人が仕度をしていた。

目前に浮島がポッカリ、景色が眼を楽しませてくれる
受け付けは駐車場、時間になると網代竜弥船長が来ます

風も穏やかで絶好の釣り日和

6時過ぎ、アミコマセが配られると「第18弥生丸」は岸壁を離れた。漁船やプレジャーボートを左右に見て、風も波も穏やかな港を滑るように抜けると真沖のポイントへ向かう。釣り人は3人、右舷ミヨシ(船首)は毎週のように来ると言う新井正一さん(市原市)、左舷トモ(船尾)には佐久間勲さん(木更津市)、私は左舷のミヨシに入った。

これが「第18弥生丸」
港には僚船も出漁準備していた
静かな港にはヨットやプレジャーボートが

ナギ倒れか?アタリ遠く不安がよぎる!

港を出て10分程走った。ポイントに着いても海上は穏やかでスパンカー必要なし。「やって下さい。80mです、下から5m巻いて下さい」と船長。新井さんは持参の沖アミを餌に、佐久間さんはアオイソメと白いイカタンをハリに刺す。カメラを構えて1投、2投、3投目と映像を撮らんと待ったが、ミヨシもトモも竿先に変化が見られない。喰い出すまでの間にと、私も竿の準備をした。ハリス3号2.2m、金ムツ11号2本バリの仕掛け。付け餌にアカタン(イカを極小のサイコロ状に切って、食紅で染めたもの)とアオイソメをハリに着けた。プラビシカゴにコマセのアミを詰めて投入すると海中にアミが散って行くのが見える。海底にプラカゴが着くと直ぐ3mほど巻き上げ、竿を振ってコマセを撒く、更に2mほど巻き、再び竿を振り竿掛けにセット、アタリを待った。最初のアタリは新井さん。沖アミの餌に23cm級のアジが喰いついてきた。私も沖アミ餌に付け替えたが音沙汰なし。「アタリないね」と左舷トモの佐久間さん。

仕掛け図
なかなかアタリがないね!
今日はご機嫌わるいのかなあ喰わないね!

沖アミに喰ってきました、23cmは今日のレギュラーサイズか?
アミコマセで付け餌は沖アミです
トラギスちゃん、こんなご愛嬌も顔を見せてくれる

レギュラーサイズは23cm級

私は沖アミとアオイソメを付けて見ました
二枚潮なのか、巻き上げて来ると糸の流れとプラカゴの上がって来る位置が大分違う。トモやミヨシとオマツリする中、コマセを詰めて再投入。ミヨシかトモかとシャターチャンスを窺っていると私の竿にアタリ。ククッとアジらしい引き込み。3回ほど手で巻いてから電動リールスイッチON。赤いプラカゴが見えてその先に白っぽい魚体、手を伸ばして抜き上げる、23cm級の銀色の魚体。「先週はもう少し小さかったけど、今のレギュラーサイズですよ」と新井さん。トモの佐久間さんも同じようなサイズを取り込む。続けて新井さんも同型を釣り上げた。当たる時はほとんど同時。海底は漁礁らしくタナ取りをモタモタしているとすぐに根掛かりしてしまう。

アジ五目を狙って付け餌はこれだけ準備してきたのですが?
反応はあれけど喰いが渋すぎるねと船長も思案顔
3人同時に釣れたね、これでなくては!

前半はアカタンに軍配が上がる

船長は潮に押されてポイントを外れると、再び同じポイントに船を戻す。潮が弛んでくると頻繁に根掛かりが発生。私はアカタンで5、6尾のアジを釣ったが、その後可愛いメバルが釣れただけであとは沈黙。朝から沖アミ餌で釣ってた新井さんも、イカ餌の佐久間さんもアタリがない。佐久間さんは3mの長めの竿。「マダイ狙いで仕掛けを変えたが、こちらもアタリがないね」とアジ五目の仕掛けに戻した。少し硬目かと思われる竿はコマセの出が良いのか直ぐに一荷でアジをゲット。「アカタンにしか喰ってきませんね」と再びコマセを詰めたビシカゴを投入。

マダイを狙ってみたけど音沙汰なしだねと佐久間勲さん
これが弥生丸の特製仕掛け、船中で買えます
前半はこのアカタンが威力を発揮しました

ポチポチだね、やっとツ(10尾)が抜けました

昼前からはアオイソメに喰ってきた

正午前になると潮が動き出したのか投入したプラビシが斜め左に沈んで行く。ここで餌をアオイソメに替えた。1cm程に切ってハリに付けて投入。タナを取り直し竿掛けに掛けた途端、ググッと小気味よい引き。竿を煽って合わせをくれてからリールのスイッチON。途中竿先を揺らしながら上がって来たのは良型のアジ。この日最大の28cm。「良い型が上がりましたね」と佐久間さん。
そして再び竿先が持ち込まれた、先ほどと同じような引き込みに「ヤッタ!」と胸躍らせてリーリング。海面に浮いたのはレギュラーサイズのアジと沖メバルの一荷。佐久間さんはアジの一荷と一瞬賑わった。左舷の2人が5連チャンしたところで時間切れとなる。

やっと喰いが立ってきたよ
レギュラーサイズか、今日はこのサイズばかりだね!
来た来た、久々のダブルだよ!

まあまあサイズでしょう
この日の最大、30cmに少し足りないけど
沖メバルも顔を見せました

釣りの楽しみ方

終始沖アミ餌で粘った右舷の新井さんは「朝の内だけしかアタリがなかったね。いつもなら20尾は釣れるんだけど」と釣りのプロセスを楽しむように悠々した様子。14尾釣った佐久間さんも「情報がよかったので来ましたがこんなもんですよ」と悠然としている。お二方とも釣果より釣りを楽しんでいる様子が窺われた。私はアジ12尾と沖メバル2尾だったが、穏やかな海でノンビリとした気分で釣りを楽しめた。たまにはこんな釣りも悪くない。獲物もこれだけあれば刺し身、塩焼き、煮つけになる!

ベタナギの海でゆっくり釣りを楽しんだ
今日の成果はこれ、トホホ…

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
千葉県保田港『弥生丸』
千葉県安房郡鋸南町大六79
TEL:0470-55-0747
詳細情報(釣りビジョン)
弥生丸ホームページ
出船データ
・アジ五目=アミコマセ、付け餌(沖アミ)、氷付 8,500円
・タイ五目=アミコマセ、沖アミブロック1.5kg、氷付 9,500円
出船、午前6時 沖上がり、午後1時
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