栄えある1位は……パクー!! …え、ご存知ない? 確かに怪魚としての知名度はいまひとつというか…怪魚なのかも微妙ではあるので…ちょっとこの魚について説明しよう。パクーとは1種の魚ではなく、カラシン目セルラサルムス科に属する草食性の魚の総称である。一見、ピラニアによく似ているが、分類上も近く、ざっくり、その草食版と思ってもらえればよい。語り部は何種類ものパクーを食べたが、その食味はどれも素晴らしくよい。アマゾン河の支流・シングー川で釣りをしていたときに、ルアーに大きなタンバッキー(パクーの一種)が掛かったのだが、普段はランディングを手伝わないボートマンがこのときばかりは目の色を変えて飛び出してきて、ボート縁で尾ビレを掴んで引き上げた…。それくらい、別格に美味いのだ。塩焼き、バター焼き、フライ、スープなどでよく食べたが、どう料理しても美味しい。適度に脂が乗っていて、燻製のような芳しい香りと芳醇な旨みがある。とくに、腹の周りの肉は柔らかく、上質な脂が乗っていて、極上の美味しさ。また、各ヒレはフライなどにするとこれまた絶品。捨てるなんてとんでもないのだ。