釣ったホンモロコはポリタンクに入れて持ち帰り、2~3日の間エアレーションをした綺麗な水で生かし、氷締め。それを炭火で素焼きにして食べてみることにした。この食べ方が一番美味いらしい。炭火でじわじわ焼いていると、香ばしい匂いが立ち上がり、食欲を刺激された。片面ずつ焼いたら、最後は網の目に頭から刺して仕上げとなる。この焼き方だとホンモロコの油が頭まで滴り美味しくなる…らしい。これを酢味噌と生姜醤油で食べてみた。…う、美味い! 想像していたよりもずっと美味である。身は香ばしく、甘みのある脂が乗っている。内臓の程よい苦味がアクセントになり、噛むほどに大人の味へと調和される。じっくりと炭火で焼いたせいか小骨も気にならない。琵琶湖のコアユやワカサギも美味いが、それとは違う、ずっしりとした重い味わいがホンモロコにはあるのだ。前者が明るくわかりやすいハリウッド映画だとしたら、後者は陰鬱で芸術性の高い昔のフランス映画のような味わい…と言ったら伝わるだろうか?またすぐにでもホンモロコを釣りに行きたい(否、行った)。