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ノック&ヒット! 3時間で50尾突破するハゼの穴釣り【三方五湖】

2025年10月11日公開

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9月だというのに真夏のような暑さの続く滋賀県から…今年もハゼの爆釣と食味を堪能しようと、福井県の三方五湖へとミニバンを飛ばして行ってみたこの哀れな語り部(←筆者のことです)。水中もまだ夏だけど、ハゼは元気だろうか?

今回は穴釣りにこだわってみる

三方五湖とは、福井県の美浜町と若狭町にまたがる5つの湖(三方湖、水月湖、菅湖、久々子湖、日向湖)の総称なのだが…という解説は去年(2024年)の10月のハゼ釣り記事にも書いたので、ざっと省略しよう。かなり特殊な水域で、その成り立ちなどが気になる方はそちらを読んでみてほしい。
→こちらから記事をチェック

今年も若狭湾と水路で繋がっている汽水湖・久々子湖(くぐしこ)へとハゼを狙いに行くことにした。

去年のセルフ取材のときは、昔ながらのハゼ用竹竿での足元の釣りとリール竿での投げ釣りの両方で、朝6時から11時までの間に48尾の自己記録(当時)を達成していた。今回はというと…穴釣りにこだわってみようと思う。

通常のハゼ釣りは延べ竿でもリール竿でも、砂地をズル引きしたりしてアタリを取るミャク釣りが基本だ。

対して穴釣りは、岩や消波ブロックの隙間に仕掛けを落とし、そこに潜んでいるハゼを狙い撃ちしていく釣り方。ハゼの隠れ家のドアを次々とノックしていくような、極めて攻撃的、積極的なスタイルなのだ。これで手にしたハゼは「釣れちゃった」ではなく、完全な「釣った」に他ならない。同じハゼ釣りでも穴撃ちはゲーム性と満足感が高く、簡単にいうと面白いのである。

⇒ 【動画】意外過ぎる!浜名湖のハゼクラ

穴釣りは基本的に満潮前後が狙いどき

6時45分ごろに久々子湖に着いて、朝7時すぎに釣りスタート。この日のタックルはバス用のスピニングタックル。エサは途中の釣具屋さんで買ったイシゴカイだ。ちなみに、穴釣りだけならベイトタックルの方がやりやすいかもしれない。

消波ブロックの隙間や穴に仕掛けを落としていく…と、1投目からゴゴン!とアタリが出た。このときは空振りだったが、穴釣りの場合、アタリを感じたらすかさずアワセを入れ、そのまま抜き上げてしまおう。ボヤボヤしていると巻かれてしまい、ハゼも仕掛けの一部も失うことになる。

あとで調べたら、この日は中潮。釣りを開始したのは下げの後半にあたる時間帯だったようだ。釣り場のタイプにもよるので一概には言えないが、ハゼは満潮時に浅場へ上がり、干潮時にはやや深場へと落ちる。穴撃ちは足元に上がってきたハゼを狙うので、基本的には満潮付近がよい。しかし、あまり足元の水深が深くなるのも撃つべき穴が見えにくくなるので考えものだ。いずれにしても、撃つべき穴の位置を正確に把握するために、偏光サングラスは絶対にあったほうがいい。

次の穴、また次の穴…と落としていくとすぐに1尾目のハゼが釣れた。これは忙しくなりそうだ!

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今回試した穴釣り仕掛けと釣り方

仕掛けは通常のミャク釣りと大きくは変わらない。スナップとハリス留め付きスイベルを道糸で結び、スナップには0.5号のナス型オモリをセット。ハリス留めにはハリス付きハゼバリをセットするだけ。穴釣りの場合、ハリスは3~4cm程度と短めにするのがポイント。仕掛け全体がコンパクトなほうが穴への出し入れがやりやすいのだ。

穴撃ちは岩などに糸が擦れるので、道糸もハリスも太くしたほうがいいだろう。今回は道糸はフロロカーボンの2.5号、ハリスはセットものの1号だったが、もうひと回り以上太くてもいいだろう。とくにハリスは2号クラスを自分でハリに結ぶのを勧める。

エサは喰いのよさを重視してイシゴカイをチョイスした。これをハリにちょん掛けして3cmくらいにカットする。

釣り方は…あくまでもハゼの穴釣り2年目の話として聞いてもらいたい。

まず、竿の長さと同じくらいの糸を出して仕掛けをぶら下げる。そのまま、目星を付けた穴へと仕掛けをスルスルと落とし込んでいく。着底したら、その場で一瞬ステイ。その後、2回ほど小さく上下に持ち上げて落とすというアクションを加えて回収。前述の通り、アタリが出たらすぐに合わせてそのまま抜きあげてしまおう。

ロボットになったかのように無駄な動きを排して、一定のリズムをキープしながら延々とそれを繰り返す。抜群の手返しと正確性がこの釣りの強みであり、面白さなのだ。

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マシンガンのように撃ちまくり、3時間で50尾超え!

朝7時過ぎに釣りを開始すると、穴5つに1回くらいのペースでアタリが出るではないか。それが全部掛かるわけではないが、着々とバケツのハゼが増えていった。

最初は護岸際の沈んだブロックを撃っていたが、一カ所で釣りすぎるのも良くないので、岩場、消波ブロックと場所を移動しながら穴を撃ち続けた。どこに行ってもアタリは止まらない。みるみるバケツのハゼが増えていったので…釣り資源保護のため、今日はこのくらいにしておこうと、3時間ほどで納竿した。

撮影や移動もしながら、釣れたハゼは50尾以上。しかも、穴釣りで釣れるハゼはなぜかいいサイズが多いのだ。おそらくテリトリー争いの上位に位置するハゼが釣れやすいのではないだろうか?また、いつもよく釣れていたセイゴ、シマイサキ、チヌ、クサフグなどの外道がまったく釣れなくなるという副産物もついてくる。あ、チチブが1尾だけ釣れたっけ。

個人的にはちょっと釣りすぎたような気もするが…来週また行こうっと。

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※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。滋賀県遊漁船登録第180号、250号。
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