ボートでの実釣調査後も、引き続き岸釣りで謎の魚の正体を追っていたこの哀れな語り部。ホンモロコ釣りをしながらも吸い込み釣り仕掛けとミミズを投げていたりしていた。その結果、10匹ほどのフナ系の魚を釣ることができた。釣れた場所は、北湖東岸の川筋、北湖西岸、南湖東岸の岸近くなど琵琶湖の広域に点在。そのなかには魚探で魚影が映っていたエリアも含まれている。これらが魚探に映っていた謎の魚の正体…かどうかは断言はできない。しかしながら、まあまあの数が釣れたので、確率としてはかなり高いのではないかと思う。ところで、この釣れたフナの種類はなんだろうか?調べてみると、琵琶湖にはニゴロブナ、ギンブナ(ヒワラ)、ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)の3種が生息しているとされている。しかし、ニゴロブナとギンブナは遺伝的な差異がないらしく、ゲンゴロウブナ以外の国内フナ(ギンブナ、キンブナ、オオキンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ)の種類を同定(何であるかを突き止めること)することは極めて難しいようだ。確かに、ニゴロブナとして紹介されている写真を見ても、ギンブナと何が違うのかよくわからない(同定しづらい個体が多い)。またギンブナはクローンなはずなのに、なぜか個体差がかなりあるのも同定が難しい理由。とにかく、フナ類は生物学的な分類が難しいのだ。また、3倍体であるギンブナに2倍体のマブナ類(キンブナやニゴロブナなど)が交雑し、2倍体フナの遺伝的特徴を持つギンブナがいることも明らかになっているらしく…同定の難しさに拍車がかかっている。現在は一般にゲンゴロウブナ以外のいわゆる「マブナ」はギンブナ、キンブナ、オオキンブナ、ニゴロブナ、ナガブナ…と分かれた種類とされているが、生物学的には別種か亜種か同種なのか、いまだに確定していないという。将来的にはゲンゴロウブナ以外の国内フナは全部同種扱いになる…可能性も否定できないのである。なので、今回釣れた10匹ほどのフナは写真だけでは何ブナなのかまったく判別がつかない。よって、謎の魚の正体はとりあえず「フナ」っぽい…というところでとりあえず今回の締めくくりとさせていただきたい。