まだまだアオリはいたが、何やら「キター!」の声が遠くで聞こえる。急いで戻ると、小さいながら海が湧いた!お兄さん、ルアーをナブラへ。相方も投げる。くう~、ナブラは一瞬で終わってしまった。だがあれは大きな“青物”には間違いない! この後、日暮れまでに一瞬のナブラが何度か出たものの、海が大きく湧くことはなかった。しかしながら、平戸の海は今日一日どれだけ私達をドキドキさせてくれた事だろう。「釣りの聖地」は、釣り人に大きな夢を見せてくれるロマン溢れる場所だった。大物を仕留める事はできなかったが、届かぬ大物に思いを馳せてルアーを投げ続けた時間、新たな釣り友との出会いは、何物にも代え難い最高の釣り時間となった。これこそが楽しい釣り!なのではないだろうか?帰りの車窓に流れる美しいフィールドに沈む陽は、大物を仕留められなかった私の心を穏やかなものにしてくれた。