ルアー用に限らずシンカー(オモリ)といえば、昔はほぼ100%が鉛だったと思う。それが20年ほど前から徐々にタングステンも増えてきて…現在のバスルアーの世界では主流になっている。そこに、盲点を突くかのように今回登場したのが鉄製のシンカー、しかも匂いつきだ。F&N Labo(東海イオン株式会社)の百井雅治さんにお話を伺った(写真は松村光崇さん)。百井「一般的にオモリは鉛とタングステンが使われているのですが、鉛は水に溶けると有毒成分が出てしまいます。タングステンはそこに配慮しているのですが、ロストすると水中にずっと残ってしまう。そこで、弊社は鉄を使ってオモリを作ることに成功しました」鉄ならば錆びて土に還るので、釣り場を汚さない、環境によい、という考え方だ。しかし、使う側からしたら錆びるシンカーというのはデメリットでもあるが…。百井「弊社は鉄に表面処理をする技術を用いて仕事をしています。それを利用して鉄を錆びにくく、長持ちさせるという利点のあるオモリを作りました。錆びにくくするコーティングは天然素材を使った油を染み込ませることで成功しました。その天然の油が味と匂いをもたらし、魚に対する誘引効果も発揮します」鉄を錆びにくくする技術を利用して、ついでに(?)匂いまでつけてしまおうという発想が素晴らしいではないか。実際に、ワームをつけず、シンカーとフックだけで魚が釣れてしまうらしい。百井「開発に携わっている自分がいうのもなんですが、よく釣れます。なかなか釣れないなぁ…というときにこのシンカーに替えた途端ポンポンと釣れる。使っていると匂いも薄くなっていくのである程度はアタリが遠のいていきますが、新しいものに付け替えるとまたポンポンと釣れる。パッケージに戻すと中に残っている油がまたジワジワと染み込んでいきますので、何回も繰り返しお使いいただけます」淡水、海水限らず使えて、ルアーで釣れる魚だけでなく、ワカサギやカワハギなどのエサ釣りのオモリに使ってもよく釣れるらしい。筆者も期待とともに、つい1パック購入してしまった。