じつはこの釣行の2日前にはバサーの若手編集部員と三島湖に行き、彼をノーフィッシュに終わらせてしまった経緯がある。編集長までデコらせてしまったら今後の仕事にも響くかもしれない!? とは1ミリも思わなかったが、同じ船に乗っているのだから公平に楽しみたい、という気持ちは少しだけ持ち合わせている。あとは佐々木君に釣ってもらいたいところだが、3本目も僕のヘビーテキサスリグにきた。「バックシートのカバー撃ちほど不利なことはない」、そんな彼の心の声が聞こえた気がした。唯一すくいだったのは、同日にガイドで出船していたオリキンこと折金一樹君も苦戦していたこと。古敷谷川で会った際には船中2本といっていたので、状況としては芳しくなかったのだろう。 古敷谷川の主要インレット3本のどこかで当てられると目論んでいたが、養老川で粘りすぎてしまったためその余裕はない。完全なる僕の采配ミスだ。古敷谷川下流でも2つのエラーを記録して万事休すかと諦めかけていた時に、佐々木君のロッドが曲がった。水深0.4~0.5mしかないサンドバー上に通したボルケーノグリッパーが吸い込まれた。佐々木「あそこの木枠の横を通したらジュボッて出ました。こんな絵にかいたような出方するんですね!」 時刻は17時18分。9回裏ツーアウトからのクリーンヒットだった。