釣りビジョン

2010.7.15号

緑龍丸・神奈川県真鶴岩港
“ディープマスター”と狙う超深場の高級魚!

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超深場の超高級魚・ベニアコウ(和名・オオサガ)。浜値(卸値)は1kg4,000、5,000円は下らず、水揚げ魚の大半は高級料亭へと直行してしまう。今回、そのベニアコウを対象に神奈川県・真鶴岩港『緑龍丸』と“ディープマスター”ことテル岡本さん(岡本光央)がコラボ、4人の釣り人と共に超1,000mの深海釣りに挑戦した。

大漁の予感!?

7月3日(土)午前4時半、港に到着すると、定置網の船が停泊していた。大漁の日は岩港で魚を選別し、発泡スチロールの箱に詰めて市場まで運ぶのだとか。朝から“大漁”の予感である。船着場には、既に岡本さんを含め5人の釣り人が出船を待ちわびていた。

出船前の緑龍丸
各々の釣り座を回る岡本さん
『今日は型が見られるといいネ!』と意気込む向笠船長

出船前に釣り方の説明

出船前、岡本さんから、「千葉の房総方面では、アタリがあると仕掛けを送って追い食いを狙いますが、真鶴沖ではそれをすると海底付近にいるイバラヒゲやホラアナゴ類が掛かってしまいます。常に仕掛けは“立てる”様にして“オモリトントン”の状態から1m切ったところで待って下さい。仕掛けは6本バリを使いますが、上バリにもベニアコウは食ってくるので、その状態をキープして下さい」と、4人の釣り人に釣り方が説明された。

釣り場は真鶴沖・水深1050m

5時に河岸払い。40分程度で水深1050mの釣り場に到着した。「はい!岡本さんから順番に投入して下さい!」と、向笠仁志船長から合図。『緑龍丸』では、出船前に投入の順番を決めておく。当日は、1番目が右舷ミヨシ(船首=岡本さん)、2番目は左舷ミヨシ、3番目は右舷胴の間(中央)、4番目は左舷大ドモ(船尾)、5番目は右舷大ドモと決められていた。その順番で第一投目が完了した。

岩大橋を背にいよいよ出船だ!
最初のポイントは水深1,050mのカケアガリ
仕掛け投入時には仕掛け枠があった方が便利

オモリは鋼鉄製の2kg

投入から着底までは約10分。着底後糸フケをとり1m底を切った。『緑龍丸』では、船への電圧影響の関係で1,000mラインの釣りでは、ミヤマエの電動リールのみ使用可能。仕掛けは、ヨリトリ器具の下に水中ライトを付け、その下に胴突6本バリを結ぶ。ハリは深海バケ(ムツバリ)の23号~28号、オモリは環境にもやさしい鉄オモリ2kg。餌は、スルメイカの短冊をグルタミン酸漬けにしたものやサバの切り身、サケの切り身を使う。『グルタミン酸漬けしたスルメイカは、投入の度に取り替えています。いったん海水につけると身が反って縮んでしまうので、新しいものに換えた方が食いがいいですよ』。と岡本さん。

大型電動リールとタックル
1,000m耐水圧水中ライト
仕掛け枠とグルタミン酸漬けのスルメイカ

釣り場はカケアガリの急斜面

急なカケアガリのポイントを狙っているため、1回タナを切ってから数分してアタリがない場合は、一旦底まで落とし、また1m切る。アタリがない場合には、この動作をひと流しの間に数回行って誘いをかける。しかし、やり過ぎは逆効果。適度な時間をあけて魚に食べる時間を与えてあげることも必要だ。

深海バケ
スルメイカのグルタミン酸漬け
餌のサバの短冊

巻き上げには15~20分

一投目、左舷ミヨシの岡野将臣(おかのまさおみ)さんの竿に“コンコン”と小さなアタリ。『緑龍丸』では、アタリがあっても大物でなければそのまま待つのがルール。そのため、これくらいのアタリの場合は船長の合図があるまで待つことになる。投入の合図から20分程で船長から「はい、上げて下さい!」と合図。仕掛けが上がるまで、最速で巻けば15分、魚が掛かっていると少し速度を落として巻くため20分以上かかることもある。自分の竿に何かしらヒットしていれば、仕掛けが上がってくるまでワクワク感で一杯だ。
「“クロッチョ”が途中でバレちゃったかな~」と岡野さん。“クロッチョ”とはイバラヒゲの愛称だ。全員が仕掛けを上げ終わった頃、船から10m程離れた海面に黒い魚体が浮いた。「あそこにイバラヒゲが浮いてるよ。岡野さんの魚だね」と船長。深海釣りでは、途中でバレた魚が海面に浮いてくることがよくある。7、8kgクラスのベニアコウになると2kgのオモリを余裕で浮かせてしまうというから驚きだ。

サメに注意!!

「深海釣りの醍醐味は、何と言っても釣れたらデカイことかな。1kg未満の魚はほとんどいないよ」と船長。しかし、深海から上がってくる魚を狙っているサメの存在を忘れてはならない。当日もサメのヒレが不気味に海面から見え隠れし、船の周りを回っていた。遠目でも全長3mはありそうなサメだった。 サメに注意しながら2投目の準備。基本的な釣り方は、仕掛けを2組用意して、投入後、アタリを待っている間に回収した仕掛けを仕掛け巻きに巻き直して次の投入に備える。ただし、動画のようにハリを船べりに並べて投入する方法をとれば仕掛けは1組で足りる。しかし、投入には少々テクニックが必要となる。

仕掛けは時間のある時に巻き直そう
2kgの鉄オモリ
仕掛け図

水深950mラインに移動

これがアブラボウズだ!
同じポイントで3投したが、イバラヒゲすら食ってこない。「こりゃー参ったね。潮も流れてないし、少し走りますね」と、船長は移動を決断した。
20分程走って水深950mラインに移動した。再び船長から投入合図。全員が着底してから5分程経った頃、再び岡野さんの竿にアタリ。しかし、今度は先程と違い強烈なアタリ。その後小さなアタリに変わったが、「これだけ最初にいいアタリが出ていればアブラボウズかもしれないね」と岡野さん。
獲物が大きそうなので、慎重に巻き上げを開始。やがて海面下に大きな魚体が見え、間もなく黒い魚体が浮いた。16.5kgのアブラボウズ(クロイオ)だった。岡本さんがすかさずギャフを入れて1発キャッチ。「やっぱりヒットしたのは岡野さんだったね。イベントというといつも釣るんだよね」と船長。

フォーリング中にヒット!

潮回し後の5投目、右舷大ドモの釣り人の仕掛けが途中で止まった。400m近辺で突如仕掛け落ちなくなった。巻き始めるとグンググンと竿先が海面に突っ込む。「エチオピア(シマガツオ)にしては引かないな。サットウ(アブラソコムツ)かヒゲダラかな」と船長。そして、10分後、海面に姿を見せたのは、10kgはあろうかというアブラソコムツだった。『3切れ食べたら下痢になる』と言われる魚である。記念撮影をされることもないままリリースされた。

最後はイバラヒゲの2点掛け

イバラヒゲの2点がけに岡本さんも苦笑い!?
『緑龍丸』では、出船から8時間後が沖上がりと決まっている。5時出船の当日は午後1時に沖上がりとなった。結局、“本命”のベニアコウは姿を見せないままラスト1投はテル岡本さんのイバラヒゲのダブルで幕を閉じた。

イバラヒゲも大きい!
2kgのオモリを横にしても堂々たる大きさだ
上あごの細かい歯で糸が擦り切れることも…

ベニアコウ、ベストシーズンは3月、4月

最後にみんなで集合写真!
今回のイベントで釣行したベニアコウ釣りは7月いっぱいで終了となるが、来年もテル岡本さんとのイベントは3月から4月に3回(※イベント予定は2011年1月に『緑龍丸』HPで掲載予定)開催していく予定とのこと。今年も3月から4月に行われる予定だったが、天候悪化などで7月まで伸びてしまった。本来、ベニアコウ釣りの最盛期は3月、4月である。また、不定期開催だが、5kg級の大クロムツを狙うイベントも開催しているとのこと。
詳しくは『緑龍丸』HPで。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
神奈川県真鶴岩港『緑龍丸』
〒259-0201 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴345-2
TEL:0465-68-1080(定休日:元旦)
詳細情報(釣りビジョン)
緑龍丸ホームページ
出船データ
4時半集合 5時出船 13時沖上がり
乗船料金:20,000円(餌・氷付)
天候:曇り→雨 ベタ凪
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