オフショアマガジン
2010.8.1号

第一進丸・千葉県飯岡港
夏の飯岡沖に“大板”浮上!

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“オオイタ”、千葉県外房~茨城県常磐方面の漁師は4kg以上のヒラメを“大板”と呼ぶ。大板の語源は普通のまな板では乗り切らない、戸板(雨戸)程の大きさでないと捌けない大型のヒラメから来ているようだ。その“大板”が外房・飯岡で上がり始めた。7月23日、飯岡港『第一進丸』に乗った。

(7月22日78cm・6.2kg)
(7月20日75cm・5.1kg)

意外と涼しい霧の飯岡沖

午前4時30分、飯岡港『第一進丸』に到着。忙しく準備を進める船長に代わり、女将さんがいつもの笑顔で迎えてくれた。「今日は霧が出ているから沖は涼しいと思いますよ。東京とは全然違うでしょう」。確かに、記録的な猛暑が続く東京は、夜でも酸欠になるかと思う程の熱帯夜だが、飯岡港は意外と涼しい。この日は私を含めて7人が乗船。
私は左舷大ドモ(一番後ろ)に座り、間もなく出船となった。ところが、沖に伸びる防波堤は深い霧に包まれて、全く見通しが付かない。飯岡港を出ると伊藤船長はゆっくりと霧の海に船を進めて行った。完全に視界は閉ざされて港の方角もすぐに分らなくなったが、「この辺りから始めますから仕掛けの準備をしておいて下さい」と12、13cmの活イワシが配られた。
港を出て10分程経っただろうか、水深15mラインで「はい、やって下さい」と、この日最初の合図が出た。仕掛けを入れるとすぐに着底して50号のオモリがトントンと底を叩くようにタナを決める。すると右舷で最初のアタリ。上がってきたのは35cm級のショウサイフグ。船がいいポイントに入ったのか左舷でもアタリ。アタリから合わせまで時間を掛けて上がってきたのは良型のメバル、さらにマゾイ。続いて私にもアタリがあり、“尺メバル”をゲット。正にイワシ餌ならではの豪華なゲストである。霧に包まれて周りの景色は見えないが、ベタ凪で魚の活性は高い。
次の流しでは両舷で待望のヒラメが上がった。1.5kg、2kg級と納得のサイズである。

霧に包まれてベタ凪の飯岡沖
時折見える飯岡灯台

茨城県南部、千葉県北東部にマグニチュード5.5の地震発生。

朝一からポツポツと船中の誰かにアタリがあり、ヒラメ、アイナメ、メバル、マゾイ、ショウサイフグなどが多彩に釣れる楽しい時間が続いていた。少し晴れた霧の隙間から見渡す海面にはイワシのナブラ(群れ)があり、時折イナダかサワラらしきボイルも起こって船内の雰囲気は上々だった。ところが、突然アタリが止まった。正にパッタリとである。伊藤船長が操舵室の窓から顔を出して「さっき大きな地震があったみたい。無線でも騒いでいるよ」。携帯電話のニュースで確認すると午前6時6分に地震が発生していた。しかも震源地は茨城県南部、千葉県北東部。しかし、いくらベタ凪でも竿先に全神経を集中していた釣り人は全く気付かず、ただ1人舵を握る船長だけがちょっとした異変を感じていた。この日、たまたま乗り合わせていた1人にダイビングをする方がいて「漁師さんは関係ないと言いますけど、地震の後は釣れませんよ。底モノは特にね。海底の砂が舞い上がるんです。魚も警戒するんでしょうね」。昔からよく言われる『地震の後は釣れない』という状況を、実際に海中で目撃してきた人の話はリアルだった。その後3時間、船中誰の竿にもアタリはなかった。

1.5kg級
1kgオーバー
クロソイも
メバル
1.5kg級のアイナメも

海況復活!最大3.1キロ浮上

午前9時を過ぎ、船内にはやや諦めムードが漂っていた。朝は霧のおかげで涼しかったが、晴れて真夏の日が差すと途端に猛烈な暑さが襲ってきた。「少しずつ水分を摂るように」と伊藤船長もアナウンス。状況が変わり始めたのはそんなタイミングだった。「右舷で喰ったよ」との声で急ぐと朝一と同じくらいの1.5kg級のヒラメが船長の差し出すタモに収まった。この人は立て続けにもう1枚同じサイズを追加、さらに2kg級のアイナメもゲットした。ポイントを流しかえる度に誰かの竿にアタリが出て左舷でもこの日最大の3.1kgを筆頭に1.5kg級も上がり、メバルやクロソイなども口を使い始めた。
どうやら地震の影響も遠のいたようだ。その後も右舷ではダブルヒット、連続ヒットがあり1人、また1人と“オデコ”を脱出。ここまでメバル4尾に小型マトダウイ1尾と本命ゼロの私にも300gのソゲが掛かり、続いて1kg弱のキープサイズのヒラメをゲット。私1人が“オデコ”という最悪の事態は避ける事が出来た。「3時間もすれば魚も慣れるんじゃないかな?」と、伊藤船長。
終わってみれば船中“オデコ”なし。目当ての“大板”こそ出なかったが、トップは2kg級を頭に4枚。最大3.1kgも上がった。ソゲ級は3枚で他は全て1kg以上の納得サイズだった。この日は“青物”は交じらなかったがイナダ・カンパチ・ヒラマサ・メジなども美味しいお土産の常連だ。これから“夏ビラメ”の本格シーズンに突入すればさらにアタリも増えて“大板”狙いは加熱して行くはずだ!

1.5kg級
2kgを頭に良型ばかりで4枚
見事な2kgオーバー

『第一進丸』特製のお膳

さて、船を下りて宿に戻ると、女将さん特製のお膳が用意されている。
釣りの帰り道に“行きつけのラーメン屋”というのも楽しみだが、『第一進丸』では是非このお膳を楽しんで頂きたい。飯岡の“地のモノ”を中心にしっかりとしたお昼ご飯が頂ける。

この日はハナダイの御頭付き
船を下りるとこんなご馳走が!

数釣りではなく大型狙いにこだわる第一進丸!

『第一進丸』の乗船システムは、前日までに予約の電話を入れておく事。
朝は船着場の前に集合してクーラーボックスで釣り座をキープする。
そしてここからが肝心!初めて乗船する方には船宿仕掛けがお薦め。海や魚の状況は日によってコロコロ変わるので、出船前には必ず“今日”の釣り方を船長に確認する事。その中にはこの記事や映像では伝え切れない事もあるので聞き逃さない様に!

第一進丸オリジナル仕掛け
血抜き用のまな板も用意されている
仕掛け図

(津端 雄大)

今回利用した釣り船
千葉県飯岡港 『第一進丸』
〒289-2706 千葉県旭市下永井689
TEL:0479-57-6668
詳細情報(釣りビジョン)
第一進丸ホームページ
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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