釣りビジョン

2014.8.15号

つり幸・神奈川県川崎
東京湾のシロギス絶好調!半日釣りで束釣りも!

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東京湾のシロギスが依然として絶好調だ。8日、台風のシケ前を狙い半日でも束釣り(100匹以上)を連発している川崎『つり幸』に出掛けた。"海の貴婦人"・シロギスは、東京湾でも1、2を争うポピュラーな釣り物だが、釣り味は繊細でいて奥が深い。定番の天ぷらもいいが、型のよいものを選んで三枚に卸して皮を引き、白身を糸造りにして氷の上に乗せ梅肉で食べたら絶品だ。

乗船者5人の“大名釣り”

『つり幸』の幸田一夫店長が迎えてくれた
台風11号が沖縄周辺で発達しながら北上しているとのニュースのためか、この日の釣り人は常連のベテランさんと、祖父と来たと言う従弟同士で中学1年生の初心者2人を含めた5人。「ここ数日、シケで出船できなかったので様子がわからない」と店主の幸田一夫さんが、そう言いながら迎えてくれた。

店内の釣り物別乗船名簿に記入する
ここが『つり幸』の店頭、釣り人で賑わっている
本日の釣り物のはこれ

数より型狙いで、アタリも即合わせは禁物

この船がシロギス船です
午前6時50分、「第三新さくら丸」は須藤光浩船長の操船で桟橋を離れた。掘割を出て川崎港を南に進路を取る。「数を釣るなら盤洲(木更津沖の浅瀬)だけど、今日は型狙いで富津沖に行きます」と船長。40分程で到着。「やって下さい。水深は11m、餌は頭から刺し、ハリ先から2cmくらい垂らして、アタリがあっても直ぐに合わせないで少し待ってから合わせて」と船長からアナウンス。

川崎駅前にこの黄色いバスが送迎してます
桟橋を離れて、川崎港はいろんな船が見えます
祖父に連れられてお孫さんは船釣りに初挑戦

いきなり良型の一荷釣り(2匹掛け)

右舷トモ(船尾)の鈴木勝久さん(川崎市)は、「雨や風でなければ毎日のように来ますよ」と言いながらハリに刺しやすい太めのアオイソメを選り分けて濡れタオルに包んでいた。仕掛けは狐バリ7号、チモトに金のビーズと朱色のビニールパイプを付けた自作特製の3本バリ仕掛け。選り分けた餌を掴むと、上バリのほうから餌を刺し、1匹の餌を3等分にして手早く刺し終えると前方へキャスト。タナ取りして数回竿を煽り、船縁に立て掛ける。もう1本の竿を用意していると置き竿の竿先にクンクンとアタリ。合わせをくれながら2本目の竿の仕度だ。前方へ投げ入れると立て掛けておいた竿をリーリング。2匹の型の良いシロギスが舞った。

最初の獲物は2点掛け
そりゃあ1匹の時もあるよ
仕掛け図

これが鈴木勝久さんの秘密の仕掛け(バラしてはいけなかったかな)
開始30分も経ってないのにバケツの中はこの通り

初心者は餌付けに苦心

孫たちには負けられんと高浜五十六さん
左舷のトモはお孫さん2人を釣れて来た高浜五十六さん(埼玉県)。2人の娘さんのお子さんとか。共に中学1年生で船釣りは初めてとのこと。トモから2番の橋本凌佑くん、隣の中島輝くんは滑るアオイソメの餌付けに苦労していた。曇っているせいもあるが、南からの微風に暑さを感じない。チョイ投げして探っていた高浜さんがリーリング、良型のシロギスを取り込んだ。輝くんは苦労して付けた餌が幸を奏してか1匹目を釣り上げニッコリ。凌佑くんは船酔いしたのかダウン、釣りを放棄してグッタリしている。

中島輝くん、餌付けに苦労して釣った1匹目にニッコリ
祖父の作ってくれた遊導式仕掛け
『つり幸』の仕掛け、テンビン式、胴付き式どちらにする

手返しの早さで2点掛け、3点掛けの連チャン!

右舷では鈴木さんが2本の竿を巧みに操って、2点掛け、3点掛けの連チャンにバケツの中は白く埋まってゆく。なにしろ手返しが早い。3本バリへの餌付け、投入、誘いとリズムがよい。シロギスに飲み込まれたハリは、両エラに指を入れハリスをグイと引くと餌と共に引き出される。そのためにも1.5号のハリスを使っているとか。午前船だ、時間がない、見てばかりはいられないと私も竿を出す。餌を付けてチョイ投げして待つがアタリなし。入れ直して上げて見るとパックンチョ(イトヒキハゼ)が大きな口でハリ掛かりしている。「来た時にあった潮が効かなくなっちゃたね」と船長。時合いを逃したか?

またまた3点掛けです
こいつはデカイよ
これで3点掛けは何回目かなあ

飲み込まれてもハリス1.5号で引き抜き、手返しを早く
釣らせようと、須藤光浩船長、自分の開拓したポイントへ
置き竿に食いついていたトラギスと極小カレイ

一呼吸待って合わせる、アジの“ゲスト”も

シロギスはいるよほれこの通りと、鈴木さんが見本を
餌を付け直して再投入、先ほどより少し前方に投げて誘ってくるとクンクンと小気味よい引き。急いで合わせると軽くなった。船長が朝一番にアドバイスしてくれた「このところ喰い込みが悪いので、少し間を持って合わせをくれた方がハリ掛かりが良いよー」を忘れていたのだ。反省して再度投入、誘いをかけているとクンクンと竿先を持ち込む、一呼吸おいて竿をたてる。良型の一荷、急いで取り込んで釣れた場所へ投げ入れる(釣れた場所に群れていることが多いのだ)。誘いを入れて待っているとググーと強い引き込みで24cm級が顔を見せた。アタリが遠のくと小さなメゴチやパックンチョが付いている。トモの方で「引いている」の声に、見ると船酔いから復活した凌佑くんの竿先が引き込まれている。必死な顔でリーリング、海中に光って見えたのはアジ。嬉しい“ゲスト”を手にしてニッコリ。

私の今日の仕掛けはこれ
凌佑くん、アジをゲットしてニッコリ
ユーモラスなパックンチョ(イトヒキハゼ)に邪魔される

潮と風に乗せて流し20cm級を連発で束超え

船長は、潮が流れなくなったのを見てスパンカーを張り、風に乗せて流す。魚影が濃いのか風に押されて場所が変わると、頻繁にアタリが出る。私も短時間に22匹、それも殆んど20cm以上の良型。輝くんが一荷釣りでニッコニコ。時々ダウンしていた凌佑くんも良型のシロギスにニッコリ。高浜さんはお孫さんの面倒をみながら一荷釣りを交えて竿が上がっていた。11時の沖上がりには、右舷の鈴木さんが30匹ずつビニール袋に分け入れ4袋で計114匹と束超え。高浜さんが54匹、中島輝くんが12尾、橋本凌佑くんは船酔いダウン、時々釣りでアジとシロギス数尾。帰り際、鈴木さんが「持って行きなさい」と輝くんと私にシロギスを分けて下さった。
絶好調のシロギス!次は良型の束(100匹)超えに挑戦してみるつもりだ。

「潮が行かない」と須藤光浩船長
輝くん一荷(2点掛け)釣りにニッコリ
凌佑くんも良型を釣って、こちらもニッコリ

お孫さんの面倒みながらの釣果でした
袋に分けてお持ち帰り、捌いてからおすそ分けするとの事

(釣りビジョンAPC・倉形 金幸)

今回利用した釣り船
神奈川県川崎『つり幸』
〒210-0864
神奈川県川崎市川崎区池上町9-12
TEL:044-266-3189(定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
つり幸ホームページ
出船データ
出船時間:6時50分、12時30分
乗船料金:6,500円(女性・半額+500円)コマセ・氷付き、仕掛け)
レンタルタックルあり:500円
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