釣りビジョン

大会中に【64.5cm】を捕獲!! …で、勝てたのか!?【琵琶湖】

2025年07月19日公開

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琵琶湖で最も多くの参加者を集めるバス釣りトーナメント、琵琶湖オープン。トーナメントといってもあくまでも巨大な草トーナメントといった敷居の低さが魅力だが、過去には木村建太さんなど有名プロも輩出している。今回はこの哀れな語り部(←筆者のことです)が挑んだのだが…その結果は!?

勝ちパターンはおそらく北湖の…3本で7,000gは必要だろう

めでたく6月20日に『琵琶湖の釣魚大全』(つり人社)を出版することができたこの哀れな語り部。しかし、その本の執筆のため、最近はまったくプライベートの釣りに行くことができないでいた。

それでも6月8日の琵琶湖オープン第2戦はなんとしても出るつもりだった。プラ(大会の練習の釣り)はできても1日だけ。6月5日に無理矢理予定を空けて、湖上へとレザミ3世号を浮かべた。

この日は晴れていたが、6月にしてはかなり涼しく快適な気温だった。状況はおそらくスポーニングシーズンの終盤。試合の勝ちパターンはおそらく北湖の…。3本で7,000gは必要だろう。そこで語り部は7,500gを目標に据え、プラを行うことにした。

水の綺麗な北湖西岸を北上し、北小松あたりでまずはエレキを下ろした。ハードボトムで知られるエリアを流しながら水中を観察するが…目視できる水深にバスは少ない。チラホラといることはいるが、サイズも40~50cmと琵琶湖にしては控えめ。ビッグベイトやヘビーダウンショットリグを投入してみるが、反応はイマイチ。見には来るが、距離は縮まらない。

少しずつ南下しながらベッドを探すが…それっぽいバスはあまりいなかった。そもそもだ。語り部自身、その手の釣りはまったく得意ではなく、完全に経験不足である。いきなり大会でやって勝てるはずがないのだ。

それに気づいたのはすでに昼過ぎ。ここで、狙いをアフタースポーン(産卵後)のバスに切り替えることにした。

アフタースポーン狙いに変えると50cmのバスが釣れた!

アフタースポーン狙いとなると、今度は季節の進行が早いエリアを先取りする必要がある。レザミ3世号の進路を南へとり、一気に南湖南エリアまで走った。

南湖南エリアとは個人的な感覚では下物浚渫跡より南。ディープホールを除けば、最深部でもせいぜい4.5mくらい、沖は3.5~4.5mのミドルフラットエリアといえよう。琵琶湖全体でも一番季節の進行が早い場所なので、ここでアフタースポーンバスが溜まっているスポットを探すことにした。

ガーミンのサイドビューという横方向を見る魚探で捜索開始。探すのはバスではなく、ウィードパッチ(水草が密集して生えた場所)だ。荒れた湖面をアイドリングで流し、広大なエリアを魚探がけしていく。

半端に生えたウィードが多く、なかなかいい感じのパッチを見つけられずにいたが…ようやく、こんもりとしたパッチを見つけることができた。とりあえず、ブレーバー5.7inの1.8gネコリグからスタート。アフタースポーンのバスを狙うルアーは小さく、軽く、が基本。スポーニングで体力を消耗したバスはウィードやマンメイドなどのいわゆる「タテストラクチャー」に着く傾向がある。それをライトリグのフォールやボトムシェイクなどで反応させるのがオールドスクールな釣り方である。

キャストして、フォールさせると…バスが反応して寄ってくる…が簡単には食わない。何箇所かのパッチをやってみたが、どうも反応が鈍い。なので、狙いをパッチではなく、ハードボトムっぽいところにチェンジすることにした。

レザミ号で探すと…見つけた。それっぽい場所を。魚探によると、ウィードがまばらに生えているものの、岩っぽいモノが少しゴロゴロしているように見える。そして、ここにはバスの影が多いのだ。

ウィードが少ないので、フォールよりもボトムでの安定したアクションを重視して、リグを5gフリーリグに変えてみた。ボトムでシェイクしながらゆっくりとしたズル引きをしていると…すぐにバイト!何投か後にも再びバイトがあり、今度は合わせてみた。フッキングが決まり、上がってきたのは狙い通りアフタースポーンのバス。体長は50cm、回復したオスのように見える。

バスの数も多いし、反応もいい。ここなら3本で6kgは釣れるかもしれないな…というほのかな手応えを持ってプラを終えた。





 

朝から64.5cmのバスが釣れた。勝つには…どうする?

プラから3日後の大会当日。天気は曇り。暑くもなく寒くもない、穏やかな朝だった。7時30分に北湖西岸のアサヒマリーナからスタートし、一路、南湖南エリアへとレザミ号を飛ばす。とはいっても、事故が怖いので時速70km程度しか出していないが…。

プラで好感触を得ていたスポットに近づいてくると…あれ!? 先行者のバスボートがそれっぽい場所に浮いているではないか。近づいてみたが、間違いなく語り部の本命スポットだ。仕方がないので、近くのポイントから空くのを監視しながら釣りをすることにした。

その場所はウィードパッチに小魚の群れとそれを喰っているハスの群れがいる。バスもたまに小魚を狙って回遊してくるので…それをジグヘッドリグのスイミングやネコリグのズル引きなどで釣ろうと試みたが…なぜだか全然ルアーを食ってくれない。そして、本命スポットも空く気配がない。

また近くのスポットに移動した。今度はウィードではなくオダっぽい場所。2~3年前にたまたま釣れたことがあるのだ。そこで、ドライブクローラー5.5inのフリーリグを投じた。すると、いきなりロッドが絞り込まれるような重いアタリがきた! ベイトフィネスリールのスプールを押さえながら合わせると…乗った! 

…が、繊細なベイトフィネスロッドだけにすぐには浮いてこない。バスが首を振った感触が手元に伝わってくる。この振り幅は…デカいぞ。ドラグを効かせながらじっくりとファイトをすることに決めた。ゆっくりと浮かせてくるとそのうちに水面に浮かび上がり、ど迫力のジャンプ!おおおお、余裕でロクマルあるぞ!ボート縁まで寄せるとまた突っ込む…が、これも想定済みなので、ドラグで逃げる。再び浮かせて…今度はネットランディング成功!やったぜ。痩せているが長さは65cmくらいなので…おそらく3,500gはあるだろう。

あとは、本命ポイントに入って2kg級を2本釣れば優勝が見えてくる。そう思って、待っているのだが…全然空かない。なんなら他のボートも増えて、2艇で攻められているではないか。なんのことはない、自分で偶然発見したと思っていた秘密の場所の正体とは、単なるメジャースポットだったということだ。

朝イチの先行者は少なくとも10時半まであの場所に張り付いていた。さすがに諦め、今度は南湖北エリアのスポット、さらには北湖のスポットへと走り、さらにもう一度本命スポットに戻ったが…今度は他のボートが浮いていた。

結局、バックアップパターンに乏しかったせいで、ラッキーなロクマルを生かすことはできず…10位(128名中)という結果に終わった。これが生粋のトーナメンターなら、ロクマルが釣れたあとは簡単なベッドのオスを2本釣ってスコアをまとめたりするんだろうな…。とはいえ、プラがたった1日だった割には上出来ではないかな?

気になる上位のパターンは?

では、お立ち台に上がった皆さんの釣り方を聞こう。

5位:関藤翔太さん 5,880g/3尾
場所はマイアミ浜のゴロタ。産卵がらみのバスをサイトで釣った。金曜日のプラで新しいバスがかなり入っていたので、本番でもやってみた。ゴースト(DRT)を投げて広く探り、場所を特定して狙う作戦。

4位:三木孝次郎さん 5,980g/3尾
場所は南湖西岸2~4mをライブシューティングで釣っていった。12匹くらい釣っても大きいメスは入らなかった。ルアーはリバウンドスティック7in(デプス)の3/4ozジカリグ。

3位:井上翔哉さん 6,080g/3本
ウィードエッジとフライガードがらみの魚をヘビダンとサイコロラバー(O.S.P)でサイト。2kgちょいと1800gを2本。数は釣れたがサイズが伸びなかった。

2位:野々口和幸さん 6,170g/3本
先週はハードベイトのみの大会に出ていた。今週は同じ場所をハードベイトで入ったが、バスは反応せず。1匹掛けたが、アワセ切れ。11半ごろに動き回る群れを見つけ、カバースキャット3in(デプス)でラスト1時間に3本釣った。

優勝:高橋絢也さん 6,330g/3本
場所は北山田のシャロー。ルアーはリバウンドスティック6in(デプス)のフリーリグ。1時間で3本揃って、59cmの3,100gが釣れた。エリアを下物に変えて、エビモにリバウンドスティックを入れたら落ちパクで釣れて入れ替え成功。

上位のヒットパターンで目立つのはライブシューティング。優勝ウェイトは語り部が想定していたよりも少し低め。参加人数128名中、釣れたのは45名となかなかのタフな琵琶湖だった。次戦は9月28日の予定。参加者の皆様、運営の皆様、おつかれさまでした!

※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。滋賀県遊漁船登録第180号、250号。
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