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初心者の自己流でも秋のアオリイカは釣れるのか?【若狭湾】

2025年10月28日公開

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今さらながら、わりと最近エギングを始めたこの哀れな語り部(←筆者のことです)。でも、エギングタックルを購入したり、本や動画を見て勉強したりはしない。やる気がない…わけではない。釣果だけでなく、自己流での発見や上達を楽しむのが目的である。それでも釣れるのか!?

四半世紀ぶりにアオリイカを釣った

語り部が初めてアオリイカを釣ったのは2000年9月、南フランスのアンティーブという港町だった。当時、シーバスでも狙っていたのか、昼間の港でラパラのCD7を投げていたらリトリーブ中に何度もアタリがあり…なんとそれがアオリイカ。ピックアップ中の空中のルアーにもアタックしてくるほどルアーに対してアグレッシブだった。あのとき、エギを持っていたら恐ろしい入れ喰いだったんだろうな…。

四半世紀ぶりに釣ったのが去年の6月こと。琵琶湖西岸の自宅から車で1時間ちょい、敦賀半島周辺の漁港でエギングをやってみたら、ナイスなアオリイカが釣れたのだ。去年の秋、今年の春はいろいろあって行けなかったが…この秋は何度かやってみるつもりだ。

しかし、エギング専用のタックルを買ったりはせず、手持ちのバスタックルでやってみるのは去年と変わらず。やり方も自己流というか、釣り方を自分で開拓して行くのもひとつのテーマだったりする(とはいえ、エギを使う時点でかなり絞れてはいるのだが…)。

というわけでまずは初秋のシーズン、国道303号を通って若狭湾へと車を走らせた。

エギングは自己流にこだわりたい

今年の9月8日はまだ夏だった。日中はあまりに暑いので、18時から20時くらいまでの2時間くらいの釣行にすることにした。

釣行先は小浜市のとある漁港。琵琶湖西岸の自宅からは国道303号を通って1時間ちょいで着く距離である。

港へ着くと、平日だというのにまあまあ釣りをしている人がいる。
挨拶をして空いているスペースに入り、エギ王ライブの2.5号を沖へとキャストした。あまり深くないのだろう、20秒ほどで着底した感じがした。
着底したら、ロッドを下に構えたまま3~4回やや強めのショートジャークを加える。

エギングの場合、ロッドを上方向に大きく、かつ柔らかくしゃくりながらリズミカルにリールを巻く…というスタイルをよく見かける。しかしながら、(完全に個人の感覚でしかないのだが)ここだけの話、あの独特のしゃくりの動きが…なんとも恥ずかしくて真似ができないのだ。

結局のところ、左右にエギをダートさせればいいんでしょ?…と思っているので、水中の見えるところにあるエギを動かしながら自己流のロッドアクションを探っていたりする。
あと、まずはボトム付近でダートをさせ続け、釣れなければだんだん上の方に上げてくればいい、という考え方なので、まずはロッドティップを下げて、というのもある。

すると、開始15分後、ゴミでも引っ掛けたような感じでロッドが重くなった。巻いてみると、小さなアオリイカが釣れていた。

今年は成長が遅いのか、見えるアオリイカもサイズが小さく、エギへの反応が悪いように思う。結局、その後はアタリもなく、他の誰も釣れていないのもあって、19時半には引き上げてしまった。

 

エギングをしながらウキ釣りも試した

2度目のアオリイカ釣行は9月14日、同じく小浜の漁港だった。
しかし、このときはエギングだけでなく、小アジをエサにしたウキ釣りも同時に試してみることにした。小アジはスーパーで買ったもので、それを仕掛けのハリに背掛けにして、沖へとテキトーに放り込む。ウキにアタリが出たら合わせを入れて掛けバリでフッキングを決める…というシステムだ。

しかし、この日はエギングもウキ釣りもほぼアタリすらなく、夕方のゲリラ豪雨で退散となってしまった。

イカのサイズも小さかったことからしばらく間を空けた方がいいと考え、10月3日に再釣行した。行先は小浜の漁港ではなく、敦賀にある別の漁港に行ってみることに。今回も万全を期してエギング&ウキ釣りスタイルだ。

16時過ぎに堤防に着くと、この日は平日だったが人が多い。そして、墨跡も多い…気がする。隙間に入り、隣でエギングをしていた人に感触を聞くと、「朝からやってるけど、まだ1杯だけ…」と、力のない答えが返ってきた。

今日もヤバいな…と思いつつ、2.5号のエギ王ライブを沖へまっすぐキャストし、3~4回軽くジャークしていると…ん? なんとなくモグモグという感触が。これは…アタリ!? すかさず巻き合わせを入れて回収すると…墨を吐く何かが釣れている。アオリイカだ! なんと、1投目で釣れてしまった。

続いて、ウキ釣り仕掛けのウキも横に倒れているではないか。回収すると、アオリイカが掛かっていたが…しかし、これはバレてしまった。

僕の動きを見ていた周りの人たちも「時合いや! 時合い!」と急に元気になってきた。しかし、そこからはアタリはしばらくなし。
ウキ釣り仕掛は反応はあるものの、エギングをやりながら置き竿にしているせいか、アジをかじられただけでその瞬間をとらえることはできなかった。

…と思ったら、ウキが沈んだ! 今度はしっかり合わせてみると…あれ、グングンと走る…明らかに魚の引きである。釣り上げてみると…これはおそらくブリの幼魚、ツバス(関東ではワカシ)であろうか。これも食べるためにキープした。

パターンを見つけ、最後はでかイカを仕留めた!

それから1時間ほどの間に何度かアタリのような感触があり、2度バラしてしまっていた。しかし、17時半ごろには2杯目のアオリイカをキャッチ! これもやっぱりボトムだった。

ところで、そのころにちょっとした騒動が起きていた。この漁港は「清掃協力金」として漁業関係者に数百円が徴収される決まりになっている。しかし、堤防で釣りをしていた3名の若者が徴収に来たおじさんの声を無視して釣りをしていて…怒ったおじさんに「帰れ!」と怒鳴られていたっけ。
お金を払わない以前に年配の方に対する態度にも問題があったように思う。

さて。暗くなると、今度は沖ではなく割と近い場所でアタリが出ることに気づいたこの哀れな語り部。ちょいと近くに投げて、ボトムまで沈め、ロッドを上方向にパンパンパンと軽くジャークさせてからフリーフォールさせる。そのときにグングングン…と引っ張られるのだ。

そのパターンで3杯のアオリイカの追加キャッチに成功!
しかも、最後のイカはひときわ大きく、近くの釣り人にネットをお借りしてなんとかランディングすることができた。秋イカだからって舐めてはいけませんね。

自己流でもそれなりの釣果を出すことができた語り部。やっぱり釣りの楽しさはプロセスにこそあるよなぁ…と感じる49歳の夜だった。
またすぐにでも来ようと思う。

※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。滋賀県遊漁船登録第180号、250号。
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