2026年07月27日公開
近場の響灘(北九州)にも良い釣り場はあるが、鬱陶しい梅雨空の下、広い海に向かって思いっきりブン投げたかった。そして、釣れたピチピチのキスを天ぷらにして揚げたての熱々を汗をかきかき食ってみたい、そんな目的で玄界灘(福岡県福津市勝浦浜)に走った。目標を持っておけば、意気込みが違い、おのずから釣果も違ってくるのだ。
玄界灘の勝浦浜を独り占めして投げる
清浄の大海には私1人しかいない、なんて贅沢な朝なのだ。耳が遠くなって残念だが、たぶん足下では砂がキュッキュッと鳴いているはずだ。5時の満潮からの引きはじめ3分、良い潮時である。
この日は425の長めの投竿に適正の27号オモリを繋いだ。V字投法なんてできないけれど、初速はゆっくり、徐々に力を込めて思いっきり右手でバットを押し出すと竿先に引っ掛かったオモリが糸を引いてビョーンとすっ飛んでいく。爽快、豪快、快適、快の付く字ならなんでも当てはまる心地よさで水平線に画された空と海だけの世界を独り占めしている。ハリは赤袖9号を3本結んだ。大きいハリだが、小さい魚をキャッチ前にリリースできれば、という気持ちでいる。誰とも競い合うことがないので、ハリは少なくていいし手返しが滞ることもない。
最初の釣場は小さな流れ込みである。ここから東、3色辺りに帯状に尖った小岩群が潜んで根を造り、大ギスがついている。その根に触らないよう投げると、根陰から大きくて貪欲でピチピチした鮮烈が跳躍してきて、ありったけのハリに食いついてくるはずだが、この日は、無い。ピンギスが連で掛かったりして豊饒だが、キス天にできる大きさではない。
「想い出の渚」へ釣り場移動
西へ動いてお社の浜で投げる。投げ釣りの魅力はなんといってもこの機動力、タッタッと道具を担いで行く。昔、ここで亜麻色の髪のサーファーに逢っている。ボードを抱えてこの日と同じ海から忽然と現れた乙女はまるでアフロディテだった。「君を見つけたこの渚に、1人たたずみ思い出す」。彼女はもういないけれど、代わりに彼女似のキスが釣れたらいいな、とジイちゃん若返ってワイルドワンズを歌ってみる。他に誰もいないからこそのアウト老ぶりである。
キス天から南蛮漬けに方針変更
魚はどこにもいたがそんなに大きくはない。でも掌では玄界灘の精力をいっぱいに充満させてピチピチ跳ねている。海に戻すのも勿体ない気がしていると、ふと南蛮漬けのことを思い出した。そうしてみるかと、握りこんで頭と尻尾が出るくらいの大きさならクーラーに放り込んでおくことにした。30gの餌(ジャリメ、北九州では小ケブ)がなくなるか、30匹釣るか、炎天下の浜で3時間はブン投げることにして、ジイちゃんトリプルスリーで頑張ることにした。
潮がドンドン引いて干満半ばを過ぎると型も良くなってきた。ゴトンゴトンとオモリが砂紋を拾うオトが大きくなって、大物のいる海の底に岸辺が近づいたからなのだろうか、あるいは大きい群れが寄ってきたのだろうか。寄せる間、竿先をゴンゴン弾き続けてウホウホ楽しくさせられる。
餌も尽きた、たくさん釣れた、海とはいえ砂漠の中に立っているジイちゃん、陽に炙られミイラにならぬうちに竿を外すことにした。帰って捌いて一連の手立てを加えて料理を拵える。できたぞ南蛮漬け、家内と2人で食ってみる、玄界灘の甘い潮に満たされたキスの味だった。
施設等情報
施設等関連情報
東は北九州市、西は福岡市に挟まれた地域で釣具店も多いので、餌や仕掛けの準備に困ることはありません。ただし、台風等天候の影響で餌の入荷が途絶えることがありますので、遠来の釣行では餌の事前確保が必要でしょう。個々の釣具店については紹介しませんが、釣行前に最寄りの釣具店に連絡すれば、どの店でも丁寧に対応してくれます。
※海釣り施設
福岡市(福岡市海づり公園)、筑前大島(大島海洋体験施設うみんぐ大島)、北九州市若松(脇田海釣り桟橋)には海釣り施設があり、家族で賑わっています。夏休みには是非!福岡市漁業協同組合 海づり公園管理事務所ホームページうみんぐ大島ホームページ脇田海釣り桟橋ホームページ
この記事を書いたライター
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