釣りビジョン

2011.1.1号

荒川屋釣船店・東京都葛西橋
東京湾の“主役”シロギスが絶好調!

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魚の豊富さ、漁船の漁獲高など対面積比では、世界一と言われる東京湾。まさに世界に冠たる海である。釣り物の豊富さでも他に例を見ない海と言われているが、その東京湾で最もポピュラーな釣り物と言えば、なんと言ってもシロギスだろう。そのシロギスを周年メインターゲットとして狙っているのが葛西橋『荒川屋釣船店』だ。

雪に覆われた富士山がくっきり

雪化粧をした富士山がくっきりと見えた
7時20分に葛西橋上流の船着き場を離れ、8時を少し過ぎた頃、釣り場の中ノ瀬に到着した。走っている時には気にならなかったが、海上には風波があり、船が揺れて釣りにくそうだ。しかし、前日の強風の名残りか空気が澄んでおり、五合目あたりまで雪に覆われた富士山がくっきりと見え、東京湾・神奈川県側の景色もいつにも増してきれいに見えた。実に清々しいいい気分だ。これも沖釣りの醍醐味の一つ。
「お待たせしました。準備の出来た方から始めて下さい」。船長からアナウンスがあり、片テン2本バリ(オモリ15号、幹糸・ハリス0.8号)の仕掛けに餌の青イソメを3㎝程に切って付け、2本竿で釣り始めた。

超ベテラン釣り師、年季の違い見せつける

一荷釣りも度々あった
水深は24、25m。何度か誘いを掛け、竿先を上げ気味にすると、ククッと小さなアタリ。そのまま竿を立てて合わせると、小気味よい引き込みでガッチリとハリ掛かりした。初獲物は20㎝級だったが、丸々と太っており、重量感があって、実際のサイズよりも大きく感じる。1本を置き竿、1本で船下を誘う釣り方で狙ったが、飽きない程度にアタリが続き、時折、一荷(ダブル)で釣れて来る。しかし、終始船が揺れているのと、竿先が風であおられるため、小さなアタリは取りにくく、なかなか数は伸びない。そんな中、左舷の大ドモに座った『荒川屋釣船店』の常連、江東区東砂・伊藤靖雄さん(71)が一人数を伸ばしていった。ベイトリールをセットした2本竿で船下を狙っていたが、年季が違う-という見事な竿捌きだった。

良型揃いのシロギスが次々に釣れて来た

99尾で伊東さんがダントツの竿頭

その後、正午過ぎに少し風が止み、そのままナギになるかと期待したが、1時間もしない内に再び吹き出してしまった。結局、99尾を釣った伊東さんがダントツの竿頭で、2番手(小生)は66尾、その他の人達は30~40尾台の成績だった。あの風の中での99尾は、大したものである。しかし、それもシロギスの魚影が濃いからこその釣果。日並みさえよければ、ベテランなら束釣り(100尾以上)、ビギナーにも40~50尾は確実に釣れそうな印象を受けた。

こんな良型も釣れて来た
99尾を釣り上げてダントツの竿頭になった伊東さん
当日の仕掛け図

絶品!シロギスの“しゃぶしゃぶ”

シロギスと言うと、「天ぷら」を思い浮かべる人が多いと思うが、シロギスの食べ方は天ぷらばかりではない。コブ〆やマリネなどにしても美味いし、脂が乗っている今の時期は、素焼きにしてポン酢などで食べても実に美味い。また、お奨めなのが“しゃぶしゃぶ”だ。釣り好きの寿司店主人が考案したものだが、これが絶品だ。鱗を引いて三枚におろし、腹骨をそぎ落とし、これをしゃぶしゃぶして食べる。しっとりとした甘味と皮と身の間の感触も絶妙で一度味わったら、すぐにシロギス釣りに行きたくなるはずだ。

(野口 哲雄)

今回利用した釣り船
東京都 葛西橋 荒川屋釣船店
〒136-0074 東京都江東区東砂6-17-11
電話番号03-3644-3397(毎週水曜日(祭日は営業))
詳細情報(釣りビジョン)
荒川屋釣船店ホームページ
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