オフショアマガジン
2011.10.15号

野毛屋釣船店・神奈川県金沢八景
珍しいアカメフグ狙いの乗合船!!東京湾

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「野毛屋釣船店」アカメフグ乗合船
狙って釣るには難しい東京湾のアカメフグ。ショウサイフグの乗合船でも船中数尾交じる程度の稀少なフグ。漁師の網にもほとんど入らない“幻のフグ”だ。そんな貴重なアカメフグをほぼ確実に釣らせてくれる船宿がある。東京湾で60年以上前からフグ船を出している「フグのカットウ釣り」の先駆者として知られる横浜・金沢八景の老舗船宿『野毛屋釣船店』だ。

アカメフグは絶品!

これがアカメフグだ!
フグと言えばトラフグが一番美味く、最高級品のように思われがちだが、船長や料理人に聞くと、物凄い旨みがあって味が濃厚という点では、アカメフグとショウサイフグの方が美味いと口を揃える。確かに市場ではトラフグが高値で取引きされているが、養殖が盛んで簡単に手に入る。しかし、アカメとショウサイは市場に出回ることがほとんどない。そのため、食通の間ですら知る者が少ない貴重な食材でもある。更にこのアカメフグは、ショウサイフグよりも大型になり、釣り味も迫力十分!

いざ、実釣!!

老舗船宿『野毛屋釣船店』
出掛けたのは4日(火)。朝6時に到着、親方の黒川忠雄船長に挨拶していると、「ここ最近、状況は良くなっています。今日は期待できると思いますよ」と、フグ船担当の黒川健太郎船長が声を弾ませながらやって来た。実は私、アカメフグどころか東京湾のカットウ釣り自体初挑戦。以前、鹿島沖でショウサイフグはやったことはあるが、東京湾とはだいぶ勝手が違うと聞いている。今回、船宿で道具一式を借り、健太郎船長に手ほどきをお願いした。
この日は、私を含め10人が乗船。また頼もしい事に、普段マダイやアオリイカ船を担当している黒川勇治船長も同乗してくれた。フグ釣りに関しても抜群の腕を持つスーパー船長の一人だ。出船は朝7時15分、定刻通り桟橋を離れた船は、航程5、6分で八景島沖の水深15mエリアに到着した。肉眼で「八景島シーパラダイス」のジェットコースターがハッキリ見える距離だ。

『野毛屋釣船店』船名は「忠丸」
フグ船担当:黒川健太郎船長
快晴の八景沖!

フグのカットウ釣りとは!?

ここでアカメフグのカットウ釣りを簡単に説明しよう。因みに、仕掛けや釣り方はショウサイフグと全く同じ。“カットウ仕掛け”という10号のオモリの真下に付けたハリに甘エビの剥き身を付け、それを喰いに来たフグをオモリから約10cm程垂らしたハリスの先のイカリバリで引っ掛けるという釣り方。その理屈はカットウの写真を見て貰えれば一目瞭然。使用する道具は仕掛け図を参照して欲しい。『野毛屋』では、60年程前に初代船長が考案したオリジナルのカットウ仕掛けがあるが、それをフグ船3代目となる健太郎船長が様々なアレンジを加えて現代の釣りにマッチしたカットウを作った。また、最適な調子と使い勝手の良さを追求したオリジナルロッドも考案し共に商品化、どれも船宿で購入出来る。

野毛屋オリジナルのカットウ!
カットウとオリジナル仕掛け
餌は甘エビの剥き身
餌をカットウにセット
仕掛け図

必見!船長直伝カットウ釣り講座!!

しかし、単に“引っ掛け釣り”というイメージでは絶対に釣れない。ごく稀に、餌バリにフッキングするケースもあるがそれは偶然でしかない。アタリを捉え、素早く静かにカットウをスライドさせ、口周辺にハリを掛けるのが正解だ。一見簡単そうに思えるが…このシャクリの動作や感覚、タイミングがとても難しい。その難しさと攻略出来た時の達成感が病み付きになり、多くの釣り人を熱くさせるのだ。正直、釣り方を言葉で説明するには限界がある。そこで健太郎船長に釣り方のキモを解説して貰ったものを動画にした。

[動画]必見!船長直伝カットウ釣り講座
[動画]船長直伝拘りのカットウ仕掛け講座
デキる男は佇まいがキマッている!

いきなりヒット続出!

さすが常連さん!
開始直後から、いきなりアカメフグが3連発で釣れた。本当に狙って釣れるのだと証明した瞬間だった。ここで最大の疑問「何故狙えるのか?」を聞いてみた。「実は場所です。アカメが居る場所を把握しているからなんですよ」と船長。当たり前の回答に少し面食らったが、考えてみれば稀少な魚を見つけるのも凄いが、乗合船が成立するレベルまでアカメを知り、条件等を煮詰めた努力の結果なのだろう。船長曰く、「アカメは居着きの魚、貝を主食にしていてあまり移動はしない」とのこと。初めは偶然に釣れたアカメをヒントにここまで辿り着いたという探究心と情熱は、流石に東京湾フグ釣りのパイオニアだ。

スーパー助っ人勇治船長!
驚きのサイズ!
これがアベレージサイズ!

アカメフグ順調に釣れ続く!

船長に聞いた!今シーズンのアカメフグは!?
その後も小移動を繰り返えしたが、先々で順当にアカメが釣れ続いた。9時過ぎの時点で左舷トモ(船尾)から2番目の人が、何と6尾の“本命”を釣っていた。サイズも1kg弱の大型が中心。因みに昨年一番の大物は40㎝、1.85kgの特大サイズ。やはりショウサイフグよりも相当大きい印象だ。この日も船中でショウサイが数尾混じったが、ゲスト扱いになるとは何とも贅沢。そしてこの結果は「アカメの生息場所を把握している」という証明と言えよう。
時計が11時を回った頃、私も竿を出した。「竿は片手で持つんだよ。引っ掛けるつもりでシャクッちゃ駄目だよ」と船長に細かく教わりつつ約20分、コツコツ!というアタリに、意識しながら小さくシャープに竿先を跳ね上げた…と同時にグングン!と重い引きで竿先が絞り込まれ、上がって来たのは800g級のアベレージサイズ。とうとう“幻のアカメフグ”を手中にした。更にその20分後にもサイズアップした“本命”が釣れて大満足。その後、私の竿は2度と曲がらなかったが他の釣り人は順調に数を伸ばし終了時刻の15時を迎えて納竿。最終的にトップの13尾が2名。スソ(最低)でも5尾という好釣果だった。

アカメフィーバー!
ショウサイフグだってBIG!
この日トップはこのお方!

釣ったフグは捌いてくれるので安心

このアカメフグの乗合船、来年の春先まで出船予定とのこと。引きが強く魚との駆け引きも最高に面白い。貴重な絶品アカメフグ。是非1度船宿に足を運んでみてはいかがだろう。
また、釣ったフグはフグ処理師免許を持ったスタッフが捌いてくれるので安心。フグの食べ方は、『野毛屋釣船店』と親戚でもある居酒屋割烹「三田村」の店主、三田村博さんに料理をして貰ったものを動画にまとめた。是非、フグ料理にチャレンジして頂きたい。

落ち着いた店内はくつろぎの空間
[動画]「アカメフグのお刺身」
[動画]「アカメフグのから揚げ」

【お店インフォメーション】

居酒屋割烹「三田村屋」
横浜市金沢区六浦2-2-15 / TEL:045-786-8485(定休日:毎週月曜日)

(鈴木 恭介)

今回利用した釣り船
神奈川県金沢八景『野毛屋釣船店』
〒236-0026 神奈川県横浜市金沢区柳町7-5
TEL:045-781-5964(定休日:毎週木曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
野毛屋釣船店ホームページ
出船データ
乗船料金:9,000円 (貸し道具¥500-)
出船時間:7時15分~ / 沖上がり:15時
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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