オフショアマガジン
2011.10.15号

新明丸・横浜鶴見
和竿のハネ込みでハゼ釣り満喫!

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[動画]
“江戸前”の“専売特許”のように言われているハゼ釣りだが、ハゼは非常に広範囲に生息している。正月の雑煮の出汁の元として利用される地方も多く、知名度は間違いなく全国区。東京湾でもいわゆる“江戸前”だけではなく、東京湾・千葉県側、神奈川県側にも多くの釣り場がある。横浜市・鶴見区の『新明丸』では、例年10月から乗合船を出し始め、今年も3日にスタートした。

8日にはトップで196尾

「どうなの?今年はヤバイんじゃないの」。実は3日の初出船に乗ったが、小生も含め3人の釣果は、19尾、15尾、13尾と悲惨な結果に終わった。朝から10数箇所の釣り場を回ったが、何処もきれいに水が澄み、ポツーン、ポツーン。最後に竿を出した山下埠頭近くの水路でバタバタと釣れただけだった。そこで、帰りがけ「どうなの?」と高橋英夫船長に聞いたわけだが、「うん、大丈夫。土曜日(1日)の試し釣りでは150尾釣ったし、まだ浅場に入っていて今日は水が澄んでいたから。釣り場はいくらでもあるし」と、事も無げに言う。その言葉は翌日から実証された。4日は1人で105尾、5日こそ68~86尾と束(100尾)を割ったが、定休日明けの7日120尾に始まり、8日196尾、9日125尾といずれもトップは束釣り。そこで、10日にリベンジに出掛けた。

ハゼ釣りには絶対の自信を持っている高橋英夫船長
飴色に輝くハゼ

4代目竿治・9尺中通しのハゼ竿で!

和竿の2本竿でハゼ釣りを楽しむ
ハゼ釣りと言えば、和竿のハネ込み。しかし、現在、そんな釣りを楽しませてくれる船宿は、“江戸前”にも数える程になってしまった。ここ数年、小生も江戸川放水路のボートからの釣り以外で愛用の和竿を使った記憶がない。『新明丸』では、そんな和竿のハネ込み釣りが楽しめるのだ。高橋船長は、鶴見川を挟んで点在する河川、運河のハゼの好ポイントを知り尽くしている。初日の結果に動じなかったのもその自信の裏付けがあるからこそ。3日もこの日も、今は亡き、4代目竿治師匠に作って頂いた9尺(2.7m)中通し対のハゼ竿を持参した。

16尺の改良カーボンロッドの2本竿

10日は、祝日でもあり、4日以降の好成績も相まって15人が乗船した。小生は、右舷胴の間(中央)、操舵室の真下に座ったが、右隣(舳先側)に座ったのは、ハゼ釣りの世界では知る人ぞ知る樋口正恭さん。御年83である。18尺の(5.4m)のカーボン製ヘラ竿を16尺に縮める形で改良された16尺(4.8m)の中通しのハゼ竿を構えた。この日の釣り場は、3日の最後に竿を出した山下埠頭近くの水路。水深は3~4mといったところ。樋口さんの竿なら文字通りのハネ込み(竿を立てた時に仕掛けが手元に来る)で釣れる。以前は、この長さでも和竿を使われていたと聞くが、片手で操るハゼ釣りでは、流石にこの長さになると重く、軽いカーボンロッドに替えられたようだ。長竿の利点は、ハネ込みで釣れるだけではない。この程度の水深なら、小生が使った9尺の竿とでは、探れる範囲が圧倒的に違う。魚影が滅茶苦茶に濃ければ、ほぼ点だけを狙う短竿でも遜色なく釣れるが、今程度の魚影(トップが2束未満)では、道糸を手繰る分も含め、短竿は不利になる。

良型も2、3割交じりよく釣れた

バラシも多かったが、活発なアタリ

しかし、この日の釣りは実に面白かった。3号のオモリを付けた1本バリ仕掛けで釣ったが、10cm程の小型のハゼが掛かっても9尺の和竿は心地よく曲がり、竿尻を包んだ掌にハゼ独特の響きを伝えてくれた。竿治師匠にこの竿を作って頂き30年近くの歳月が流れたが、何度か火入れはして頂いたものの全く持って“健在”である。今更ながらその技術の高さに感服する。
この日は、3日の状況とは大違いでスタートと同時に活発なアタリが続いた。ただ少々喰いが浅く、しっかり合わせたつもりでも竿掛けの糸止めに道糸(墨染め1.5号)を掛け、手繰って来る間に何度となくバラした。また、合わせた瞬間は、確かに手応えがあっても途中で軽くなってしまう事も多かった。だが、時折隣の樋口さんを盗み見ると、確実に数を伸ばしていた。小生に比べ、明らかにアタリの数も多く、バラシの数は少ない。また、両舷の舳先側に陣取った人達も順調に数を伸ばしていた。

僕にも釣れた

“樋口名人”162尾で竿頭!

162尾で竿頭になった“樋口名人
その後も順調にアタリが続き、定刻の11時40分に納竿した時には、15人中5人が束釣り(100~162尾)、残る10人も35~50、60尾の成績だった。因みに162尾は“樋口名人”、小生は数えて釣ったわけではないが、ピッタリ1束だった。ハゼのサイズは、8、9cmから15cmまで相当なバラつきがあり、5、6割が10~12cm級。高橋船長によれば、ハゼはまだ船が入れないような浅場に大群がおり、もう少し水温が下がってくれば、これらの群れが出て来るとの事。「そうなれば、2束釣り(200尾以上)も記録されるようになるでしょう」と話していた。

年内いっぱい楽しめるハゼ釣り

『新明丸』では11月一杯、7時45分出船、11時40分納竿の午前釣りのハゼ船を出し、12月からは「一日船」に切り替えるとの事。つまり、年内一杯はハゼ釣りが楽しめるわけだ。ただし、12月からの“ケタハゼ”の時期になると、釣り場の水深は5m以上の所が中心となり、ハネ込み釣りは、難しくなりリール竿中心の釣りとなる。

絶品の“ハゼ丼”!

※ハゼは、天ぷら種として最高峰とも言われる魚。そのハゼの天ぷらを揚げた時、揚げたてを市販の蕎麦汁(2、3割水で割る)に潜らせ、丼に盛ったご飯に6、7枚乗せれば“ハゼ丼”の出来上がり。その味は、まさに絶品!是非お試しあれ。

(野口 哲雄)

今回利用した釣り船
横浜・鶴見『新明丸』
〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央5-13-24
TEL:045-501-2081 (定休日:毎週木曜日)
料金=平日は午前7時45分出船。
正午に1度船着場に戻り、ここで降りれば5500円。
1時に午後釣りイシモチ船として出船、通しで乗れば8000円。
詳細情報(釣りビジョン)
新明丸ホームページ
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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