釣りビジョン

2011.11.1号

利八丸・千葉県勝山港
釣り好き船長がアドバイス!千葉県・勝山沖のカワハギ♪

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釣り好きが高じて釣り船の船長になった御仁は少なくない。千葉県・内房勝山港『利八丸』の早川武毅さんもサラリーマンを辞めて船長に転身した一人。取材の前日、女将さんに「カワハギ釣りは、初めて」と伝えると、上乗り役に早川さんが乗って教えてくれる事に。今シーズンの勝山沖のカワハギは絶好調!釣り大好き船長と釣行出来る!胸躍らせて出掛けた。

午前6時の定刻に河岸払い

10月19日午前5時、勝山港に到着すると、黄色く『利八丸』と書かれた看板横に3隻の船が描かれ、席毎に札が掛かっていた。左舷ミヨシの札を取った。間もなく女将さんが到着、看板裏の机で受け付けが始まった。『利八丸』では殻を剥いた生アサリを袋に入れて用意してくれている。午前6時、気が付けば辺りはすっかり明るくなり、船には私を除く10人の釣り人が乗船、河岸払いとなった。舵を握るのは、舟宝康弘船長だ。

分かりやすい黄色の看板&札
剥き身の生アサリ袋詰め
舵を握る舟宝康弘船長

特別講師・早川船長登場♪

今日は上乗り役の早川船長
「タオルお配りしてますよ~」。この日は上乗り役の早川さんが、船上を飛び回っている。帰港後におしぼりのサービスを受けたことはあるが、出船前にタオルを配られたのは初めて。手を拭いたりするのに使うのかと思いきやカワハギ釣りには必須アイテムとのこと。タオルを船ベリにセットしてアサリの水気を取るのだとか。

港前の“浮島”周りからスタート

港口を通り過ぎると真正面に“浮島”。この日、最初の釣り場である。航程1、2分の超近場。「消波ブロックを交わした所から始めますので準備をお願いします。餌取りが多い所、根掛かりがする場所がありますから注意してやって下さい」(船長アナウンス)。最初のポイントは水深17mのカケ上がり。合図とともに仕掛けが投入された。オモリは30号で統一、船宿のオリジナル仕掛けは幹糸3号、枝ス2.5号である。其々が“タタキ”、“たるませ”、“這わせ”など思い思いの釣り方で誘いをかけ始めた。

船宿オリジナル仕掛け
浮島周りはカワハギの一級ポイント

右舷ミヨシで船中の初獲物

すぐにあちらこちらで竿先にはカツッ、ブルブルと、先調子の竿を使ったカワハギ釣りならではの繊細なアタリが出始めた。しかし、餌が取られるばかりで中々釣れて来ない。空にはどよーんとした雲が垂れ込めている。暗くなると活性が落ちてしまうと言うカワハギ釣りにはまだ少し時間が早いのだろうか。間もなく、右舷ミヨシ(船首)から小さな歓声が上がった「1尾目だから嬉しいけど、小っちゃいな~」。どうやらこの小型のカワハギ達が竿先を揺さぶっているようだ。左舷トモ(船尾)でも同サイズが上がった。

浮島をバックに釣り開始
ヒット!
まずまずの型ですね!

肝パン・カワハギが次々登場

30分程で浮島南側の水深23mへと移動した。すると、いきなり右舷ミヨシから3人並びで同時にヒット。午前8時、左舷大ドモから、「お~い、やったよ~!」。普段はイカ釣りばかりやっていると言う常連さんから声が掛かった。何とこの日がカワハギ釣り初めて。明らかに肝パンのカワハギをかざしていた。そして、右舷ミヨシから2番目のこちらもカワハギ釣り初めてと言う江戸川区の澤田幹雄さんが、「どんどん乗って重くなっていくイカ釣りも楽しいけど、カワハギはゲーム性があって楽しいね。嵌っちゃいそうだよ」と言いながら、肝パンのカワハギを釣り上げた。隣の友人といつもはイカ船とカワハギ船に別れて乗るが、この日は友人に勧められて初めてカワハギ船に乗ったそうだ。

3人同時ヒット!
良型だね♪
人生初のカワハギです!

富浦沖に移動、良型連発!

実はこの日、東京湾は北風8mと風が強かった。竿先に出る小さなアタリを取るカワハギ釣りに風は大敵だ。午前9時半、「風が強いので、風裏になる勝山沖を狙いましたが、アタリが止まってきたので富浦沖へ行ってみましょう」と、船長からアナウンス。いくら釣りやすくてもアタリが無ければ話にならない。釣り難さを覚悟して富浦沖へ移動したわけだ。「はい、やってみて下さい。水深24mです」(船長)。移動後すぐに連続ヒットしたのは、右舷大ドモの2人組。更に25㎝の良型を中心に2尾、3尾と追釣し、2人揃ってダブルヒットもあった。間もなく、「これは大きいぞ!」と、大ドモから一声。竿先をひったくるような強い引きだったが、釣れて来たのは真っ赤な魚体のカサゴだった。

良型!
早くも10尾目です!
おいしそうなカサゴですね♪

基本動作はタタキ→たるませ→聞き合わせ

仕掛図
ここで、早川さんに釣り方を聞いた。「基本的な誘いはタタキ→止める→たるませ→聞き合わせになります」。着底と同時に糸ふけを取り、10回程度小突きを入れ、テンションをかけた状態で約1秒止めてアタリを見てから竿先を下げて仕掛けをたるませ、すぐに大きく頭上まで聞き合わせを入れる。これが基本動作との事。「トラギス等が多い時には、タタキを速めたり上下の誘い幅を大きくすることが有効ですね」と早川さん。餌取りが多いポイントでは、餌のとられているハリを確認して、一番下の餌が取られている場合は底につけた基本的な誘いでOK。しかし、一番上のハリの餌が取られていた時にはカワハギのいる棚が上ずっている可能性が高いので0.5~1m底を切ってその場で誘いをかけるといいそうだ。納竿まで1時間、満を持して竿を出した。釣り場は富浦沖から再び浮島周りへ。

初めての人でも16尾!竿頭は19尾

期待を込めて投入、早川さんから教わったイメージを頭にたたき込んで着底後糸フケを取る。すると、竿先にカツカツ、カッと誘いをかける前にアタリ。すかさず合わせを入れるが、乗らない。そして、また着底させると同じアタリが来たが、乗せられない。仕掛けを回収すると3本バリにつけた餌は綺麗に無くなっていた。気を取り直して再投入、着底後、タタキを入れて少し待つと、クッと竿先が揺れた。ゆっくりと聞き合わせる。ググン、乗った!ドドドド、先調子の竿だが胴の部分にドシッとしたカワハギの重みが伝わる。海面には肝パンの“本命”が登場したところで、午後1時の沖上がりになった。 竿頭は富浦沖で釣果を伸ばした松崎慶二さんの19尾。2番手はこの日初めてのカワハギ釣りの人も含めて16尾が2人だった。終日、風が強かったことを思えばまずまずの成績。日並みさえよければ、30尾台、40尾台の釣果も十分に期待出来そうだ。

私の釣った“肝パン”君
見事!竿頭19尾の松崎さん

カワハギは1月末まで狙える!

この日、マダイ船であがった5.5kgの大ダイ!!
『利八丸』は、基本的に“魚船”とイカ船の2隻出し。“魚船”は1月末まではカワハギ狙いで出船する予定との事。船長は1月まで“肝パン”間違いなしと言う。味も絶品の肝パン・カワハギ、是非お出掛け頂きたい。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
千葉県・勝山港『利八丸』
〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山471-7
TEL:0470-55-3837
詳細情報(釣りビジョン)
利八丸ホームページ
出船データ
■料金■
午前8000円(6:00~13:00)
午後5500円(13:30~17:30)
餌(生アサリ)1袋1000円
※子供(小学生まで)半額
女性インターネットページ印刷で2000円引き
カワハギ仕掛け・オモリ販売有り
釣り物:カワハギ
午前5時集合・6時出船・13時沖上がり
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