釣りビジョン
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2011.11.1号

弥生丸・千葉県保田港
マダイ、大アジ、カワハギetcこれは楽しい“五目釣り”!

“五目釣り”には、2つある。1つは釣れる魚を何でも狙おうというもの。そしてもう1つは、同じ船で釣り場やタナを変えて何種類もの魚を狙う釣り方である。千葉県・保田港『弥生丸』では、後者の乗合船を出している。“マダイ五目”、“アジ五目”の名称で出船しており、日によってマダイかアジのどちらかが中心になるが、イサキやカワハギ、メバル等も狙え、面白い釣りが楽しめる。

海上から眺める内房の景色は絶景!

保田漁協直営の『ばんや』で知られる保田港。『弥生丸』の受け付けは、港から300、400mの所にある駐車場で行われる。午前5時30分、軽のバンで女将さんがやって来た。乗船名簿に記入して船着き場に移動。この日の乗船者は、小生とカメラマンを含めて4人と“大名釣り”。船では、この日舵を握る『弥生丸』2代目・網代竜弥船長がせっせと準備をしていた。
全員にアミコマセがタップリと配られ、午前6時の定刻に河岸払い。勝山沖の浮島脇を通り、内房の山々を眺めながら東京湾口に向かって進む。海上から眺める内房の景色は十分絵になる絶景だ。釣りに夢中になっていると、気が付かないが、一度じっくり眺めて頂きたい。この日は、少々雲は多かったが、無風・ベタナギのこれ以上ない釣り日和に恵まれた。

[動画]良型アジも!マダイ五目釣り
内房の景色を眺めながらの釣りもいい
この日舵を握った網代竜弥船長

釣り場が変わった途端、マダイのアタリ

仕掛け図
航程50分程で最初の釣り場・富浦沖に到着した。「入れて下さい。水深78mです。下から6m切って下さい」と、船長から丁寧なアナウンスがあり、コマセを詰めて初投入。仕掛けを投入してすぐに気付いたが、潮がほとんど流れていない。嫌な予感が頭をかすめる。残念なことにその予感は的中してしまった。それから約2時間、船長は何度も船を流し直し丹念に魚探反応を追っていたが、誰の竿にもアタリは来なかった。
「すみません。上げて下さい。マダイが駄目なようなのでイサキに行きます。イサキ用の仕掛けに替えて下さい」と船長。それまでのハリス4号4.5m、チヌ4号2本バリの仕掛けから、ハリス2号2.5m、イサキ8号3本バリ仕掛けにチャンジした。10分程湾奥方向に戻ったところで、「入れて下さい。水深50m、下から8mです」とアナウンス。少々タナを下めに取り、コマセを振った途端にアタリが来た。心地よい引き込みは重量感があり、「イサキなら相当いい型だな」などと思いながらリールを巻いて来ると、海面に姿を現したのは、ピンクの魚体も鮮やかなマダイだった。

どちらも大船長の手作り=1組300円
初獲物は美しい魚体のマダイ

20分足らずの間にマダイ3尾!

マダイは2人で5尾。“鯛飯”にピッタリなサイズ
船中の初獲物は、900gのマダイ。イサキ狙いに変更した途端に釣れるとは何とも皮肉だが、この辺りの根(岩礁)周りには、何処にもマダイが付いているので全く不思議ではない。カメラマン以外の2人にはソーダガツオが掛かり、イサキの魚探反応と思われたのは、ソーダガツオの群れだった様子。小生だけ、少し(2m)タナを下にしたのが幸いしたようだ。しかもその僥倖は1度で終わらなかった。次の投入でも2度程コマセを振ったところで、竿先が引き込まれる明確なアタリがあり、今度は明らかにマダイと分かる引き込みで800g級が釣れて来たのだ。それを見ていたカメラマンが同じラインを狙うと、こちらにも900gのマダイが釣れて来た。更に小生の道具には、3尾目(700g)が掛かり、何と20分足らずの間にマダイ3尾を釣ってしまった。

大型カワハギ3尾を釣り上げた人も

こんなマトウダイも姿を見せた
暫くしてカメラマンに2尾目のマダイ(700g)が釣れたところで、スケベ心が頭をもたげた。「2.5mのハリスは、マダイには短過ぎる。もう少し長くすれば…」と、号数はそのままにハリスを2m延ばした。『釣れている時には仕掛けを弄るな』という基本中の基本を忘れ、「もっと喰うようになるはず…」と浅はかな考えに走ってしまった。その結果は悲惨だった。ハリスを長くした途端、パッタリとアタリがなくなり、2度と竿先が引き込まれることはなかった。
この日、小生は左舷のミヨシ(船首)側に座ったが、反対側に座った人は、付け餌に青イソメ(通常は沖アミ)を持参、アジを中心に狙っていたが、25㎝を超える大型カワハギ3尾を釣っていた。また、青イソメ餌でマダイも1尾釣り、船中のマダイが6尾になったところで、「アジに行きますから、準備して下さい」と船長からアナウンスがあった。

1時間30分の延長戦!

時計は既に正午を回っており、沖上り時間(12時30分)が迫っていた。しかし、船が向かったのは、港とは反対側の湾口側。15分程走ったところで、「水深80m、下から6mを狙って下さい」とアナウンス。全長2.5mのイサキ仕掛けに戻し、言われた通りのタナでコマセを振ると、待つ間もなくクククッと小気味よい引き込み。そのままリールを巻き始めると、重量感あふれる手応えで釣れて来たのは35㎝を超える大型アジ。乗船者全員に同型のアジが次々に掛かり、船上は一気に活気付いた。間もなく、「今日は2時までやります!」と船長からアナウンスがあり、1時間30分の延長が告げられた。朝のマダイ不調の埋め合わせのようだが、全員ニッコリ。

大アジが入れ喰い
カメラマンと2人の釣果。この他にアジが10数尾

この日は全部で“八目釣り”!

それから暫くの間、大アジの入れ喰いが続いたが、水深が深いのと型が大きいため、海面や途中でバレてしまうものも多かった。それでも1時間余りの間に全員が十分な数の大アジを釣り上げ、気持ちの上でも朝の不調を埋め合わせる事が出来た。
この日釣れた魚は、マダイ、アジ、カワハギ、沖メバル(トゴットメバル)、マトウダイ、ソーダガツオの6種、それにサクラダイ、ベラが加わり“八目釣り”。船長の話では、この日は姿を見せなかったが、日によってはイサキも結構交じるとの事。内房地区の根周りは、ちょっとした水深の違いでも狙える魚が変わって来る。たまにはこんな“五目釣り”も楽しい。

(野口 哲雄)

今回利用した釣り船
千葉県保田港『弥生丸』
〒299-1909 千葉県安房郡鋸南町大六79
TEL:0470-55-0747
詳細情報(釣りビジョン)
弥生丸ホームページ
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