釣りビジョン

2012.2.1号

第八幸松丸・静岡県沼津静浦
爆釣!静岡県・沼津沖の夜空にタチウオが舞い踊る!

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1月27日、携帯電話へメールが届いた。静岡県・沼津静浦港『第八幸松丸』松坂孝憲船長からのFVNAVI(メルマガ)である。「昨晩もタチウオ、“バリ喰い”絶好調♪ルアーは頭で70尾、平均60尾前後。餌釣りも頭で60尾、平均50尾前後。クーラー満タン。来るなら今ですよ!」。頭で70尾と言う釣果に度肝を抜かれ、翌28日、急遽予定を変更、沼津静浦港へ向かった。

週末の嬉しい2便制

現在の“バリ喰い”をより多くの釣り人に楽しんでもらいたいと『第八幸松丸』では、金と土曜日に限り2便制で出船。1便の“早夜船”が16時集合・16時半出船、22時帰港。2便の“深夜船”は22時集合・22時半出船、午前4時帰港。日~木曜日までは“早夜船”1便の出船となる。都内近郊で仕事をしている人でも金、土曜の午後7時までに仕事を終わらせれば22時半出船の深夜船には十分間に合うのが嬉しい。28日正午過ぎに都内足立区を出発。途中釣り具、夕飯を購入して午後3時半過ぎには港へ到着した。

16人満員御礼!

港へ到着すると、船の前には車がズラリ。既に船上では多くの人が準備の真っ最中。この日はルアーマンが11人、餌釣りが5人の合計16人。ルアーマンは左舷ミヨシ(船首)から右舷胴の間(中央)に並び、餌釣り人は左舷胴の間から右舷大ドモ(船尾)に釣り座を構えた。『第八幸松丸』では、同じ船でルアー釣り、餌釣りとも可能なため、前もって予約の時に船長にどちらをやりたいかを伝えておこう。常連さんは、ルアーと餌の2タックル持ち込み、状況により使い分ける人もいるが、初心者にはバスタックル等でも流用が効くジギングがお勧めだ。

「ルアーの喰いはあくでぇよ」と松坂孝憲船長
仕掛け図
仕掛け図

釣り場は航程40分

16時半の定刻に河岸払い。釣り場は、潮ぐあい等により沼津沖から田子の浦沖までを狙っている。この日は航程約40分の田子の浦沖。水平線に沈む美しい夕日を眺めながら釣り談義に花が咲く。27日はシケで出船出来ず、“爆釣”明けの初出船、自ずと期待は膨らむ。「フォール中のアタリが多いからね、それを取って下さいね」。釣り場に着く前に船長からルアーマンに向けてアナウンス。間もなくエンジンの回転数が上がった。仲間の船が良い反応を見つけたのだ。アッと言う間に田子の浦沖には10隻の船団が出来、船長から投入の合図が出た。「ちょっとまだ深いな60~70mでやってみて」。

美しい夕日
田子の浦沖には先客がいた
中層に出るタチウオの反応

1流し目の1投目から猛ラッシュ!

1流し目の第1投、期待通り40mを超えた辺りからフォール中にカッ、カツカツとアタリが出た。そして、胴の間の人の竿先がフワッと軽くなり、ジグが止まった。その瞬間大きく合わせを入れるとズン!ズズン。乗った!竿が胴から弧を描き、タチウオ特有の掛かった瞬間に暴れる強烈な引きがバットまで伝わる。間もなく海面に“指3本”のアベレージサイズが浮上した。それを皮切りに船内は、いきなりお祭り騒ぎ。ミヨシ側では5人全員がほぼ同時ヒット、あちらこちらでバタバタ、ピシピシとタチウオが船上で暴れている。右舷胴の間ではジギングで常に誰かしらが竿を曲げている状態。ほとんどのアタリはフォール。恐ろしい程の活性の高さである。開始30分、ジグさえ落とせば必ずアタる。そんな夢のような状況が続いた。

良型ゲット!
ゴールド系でも
入れ喰いにニッコリ♪

ジグは80~100g、竿はバスタックルでもOK!

ジグは80g~100g。フックは1/0、1のトリプルバーブレスフックがお勧め。リーダーはフロロ12~16号を1尋半(約2.3m)、リールは小型のベイトリールが好適だ。道糸はPE1~2号が200m巻いてあれば十分。「竿に拘りはないですね。バスロッドでも十分対応出来ますし、取り敢えず家にある竿を持って来て下ださい」と船長。餌釣りの人は中型電動リールに竿はオモリ負荷80号(LTは60号)、全長1.5~2.5mが好適。道糸はPE3~4号200m、片天ビン仕掛け。ハリスは8~10号1尋半、ハリはワームフック1/0を使うのと、ハリのチモトにビニールパイプを撒くのが『第八幸松丸』流。※餌釣りでLT(60号)を希望の人は予約の時に伝えておこう。

餌はサバの切り身
タチウオの歯は鋭いので注意が必要
餌釣りで釣った“指4本”

待望のヒット!ドシンとくる重量感が堪らない

釣り開始から2時間が経過、1流し目程の活性こそ無いものの、船中間髪入れず誰かしらの竿が曲がっていた。喰いが少し落ちても小移動すれば再び入れ喰い。右舷胴の間の20代のルアーマン2人組は、仲良く大はしゃぎ。「お、バレた。と思ったらヒットー」。「なにー、こっちも負けないぞー」。慣れた手つきで長めの発砲クーラーに次々とタチウオが入れられていく。午後7時半に数を聞くと、既に30尾近いとのこと。午後8時を回り、竿を出したくてウズウズしていた私もここから右舷胴の間で竿を出した。この時のタナは30~40m。ジギングで狙う。最初に使用したのは定番のオレンジ金80g。フォールのアタリにも素早く反応できるようにクラッチとハンドルに神経を集中する。10m刻みに色が変わる道糸が4色目に入った時、竿先にアタリが出た。カツカツ、しかし乗るアタリではない。そして次の瞬間!ガリガリ、フッ。ジグの重みがなくなった。すかさず糸ふけを巻き取り大きく合わせを入れる。グン、ググン、乗った。タチウオにしては珍しい海面を横っ走りして上がってきたのは“指3本”級、日本刀のような銀白色に輝く魚体が美しかった。

私にきた待望の1尾目
銀ピカに輝くタチウオ
餌釣りできた“指4本半”

ヒットカラーはピンク、紫、オレンジ金等々

いくら活性の高い日でもちょっとした喰い渋りの時間帯はある。その時に安定して釣果を伸ばしていたカラーがピンクや紫の80g~100gである。ピンクに関して言えば一色のみで30尾釣り上げた人もいたほど。オレンジ金で5尾釣り上げた私もアタリが止まったため、紫の100gにチェンジ。すると、1投目の巻き上げ中にゴンと竿を止められて“指3本半”を追釣。そして、次の投入でも連発し今度はフォール中に25mでヒット。同サイズを釣り上げた。しかし、次の投入のアタリで合わせたその瞬間、魚の引きとともに急激に軽くなってしまった。痛恨の高切れ。歯の鋭いタチウオが道糸にアタックしてくる事はよくある事。可能であればリーダーを結んだロッドを2本用意しておけば時合を逃さずに済む。

ピンク系でヒット
こちらもピンク系のヒットジグ
写真下の紫も持っておきたいジグ

タチウオ狙いは3月まで!

釣り開始から2時間は、ジギングに軍配が上がったが7時半を回る頃には餌も喰い始めた。ジギングをしていた常連さんもここで餌釣りへとシフトチェンジ。水中ライトを付けたり、タコベイトを付けたりと思い思いの仕掛けで数を伸ばしていく。そして午前9時10分沖上がりの合図。この日の竿頭は右舷胴の間で竿を出した浜松市の村木隆久さんの50尾ジャスト、2番手は大ドモ中央で竿を出した数井君彦さんの45尾、乗船者の半分以上が40尾超えの“爆釣”で幕を閉じた。『第八幸松丸』のタチウオ釣りは例年3月まで出船しているが、「確実に数釣りを楽しむなら今!」と船長は早めの釣行をお勧め。ソルトルアー釣り入門にも打って付けのタチウオ釣り、行くなら今しかない!

堂々の竿頭50尾、村木隆久さん
クーラー満タン!
こちらも40尾!

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県沼津静浦『第八幸松丸』
〒410-0105 静岡県沼津市馬込135-1
TEL:090-2578-8218
詳細情報(釣りビジョン)
第八幸松丸ホームページ
出船データ
【料金】タチウオ船
(ルアー)8000円(氷付)(予約乗合)
(餌)9000円(餌・氷付)
(早夜船)午後4時集合、午後4時半出船、午後10時帰港
(深夜船)午後10時集合、午後10時半出船、午前4時帰港
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