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神奈川県・相模川、アユの名所・高田橋で釣り大会に参加!

2022年07月11日公開

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今シーズンは、アユの遡上が早く始まり、遡上数も1100万尾を超え、例年より多くのアユがやって来た神奈川県最大級の河川・相模川。コロナ禍によって、河原閉鎖などを繰り返してきたが、今シーズンはいつもの相模川が戻って来た。多くのアユ釣り大会の会場になる相模川には、多くのコンペティター(競技者)も戻って来た!久し振りに仲間と切磋琢磨する「アユ釣り大会」へいざ参戦!

【この記事を書いたライター】SHOHEY

すっかり変わった川相、深みにはご注意!

せっかくの大会参戦だ。やはり「勝ちたい!」という気持ちを持って臨みたい。腕がない分、自分に出来ることは精一杯やりたいと思い、大会前に友人達と下見へと出掛けた。私にとっては3年振りの相模川での大会となる。河原に着くと、懐かしい多くの顔ぶれが下見に来ていた。あちらこちらで「お久し振りです」の挨拶が聞かれた。久々の大会開催にみんな気合充分だ。大会前の2~3週間は増水から渇水と相模川も大きく状況が変わり、日々釣れる場所も変わっていった。

ここ数年で、この大会会場である「高田橋ポイント」の川相もすっかり変わっていた。今年の相模川は大きな深みもあり、注意しなければならない。浅い所から急に水深1.7mもの深みが出現する場所もあるのだ。オトリ店には危険地帯のマップが貼られているので、しっかりチェックしてほしい。「安全第一」で楽しみたい。もちろん、危険な場所が増えただけではない。漁協の皆さんの努力によって、今まで釣りにならなかったような場所にも石が入り、アユが付くポイントが増えたそうだ。昨年までと違って、ポイント選びが楽しいシーズンになりそうだ。

アユは見えるが撃沈の下見。尊敬するアニキは魔法使い!?

さて、下見だがどこをどう釣ってよいものか…。私にはなかなか判断がつかない。この日々の変化には、腕の立つ大会参加の選手達もさすがに迷っているようだ。何はともあれ、先輩のアドバイスを聞きながら竿を出すこととした。

川面を見ていると、小さなアユがピョンピョン跳ねているし、川の中にもキラキラと多くのアユが見えた。前情報では「かなり厳しい状況だ」と聞いていたので、この光景を見た時には、「釣れないって、本当?」なんて、呑気なことを思っていた。この時、相模川の洗礼を受けることを、私はまだ知らない…。友人達も準備を済ませて、思い思いに下見をしたいポイントへと散っていった。

私は橋上のヘチからスタート。静かにオトリを泳がせていく。私のオトリの周りではピョンピョンとアユが跳ねている。なのに…なかなか掛からない。ラインにもコツコツとアユが当たるし、反応は感じられる。時間ばかりが過ぎてゆく。「アユたちはどれだけ上手くハリを避けて泳いでいるのだろう」と思ってしまう。周りの釣り人達も大苦戦。釣れていてもオトリに出来ないくらいの小さなアユだ。“掛かったアユをオトリにする”という循環の釣りが、なかなか出来ない状況だ。そんな様子を見かねたアニキが、私のところにやって来て、いろいろとアドバイスをくれる。「こうやるんだよ」と私の竿をヒョイっと持ってやってみせてくれる。すると5秒!何と5秒でアユを掛けた! あんなに掛からなかったのに。「嘘でしょ!魔法使いか!?」。これが腕ってやつなのだなと実感した瞬間だった。アユ釣りは循環の釣り。これが大会なら、この1匹によって何匹もの差が開いていくのである。

この後もアドバイスを参考にしながら頑張ってはみたが苦戦。時間ばかりが経った。いよいよ私も諦めモード。ん~、何をしても掛からない。「これ、本当にアユいるのかな?」と思った私は、竿をたたんで車へと戻った。そして、手にしたのは水中眼鏡。本当にアユがいるのか確認するために川へ潜ることにした。いざ、入水!そこには…驚きの光景が。さっきまで自分の釣っていたポイント、全然釣れなかったポイントには、ぎっしり天然と思われる小ぶりなアユが!「アユいたのね、こんなにいたのね!」。そう今年の相模川はアユが本当にたくさんいる。釣れなかったのはアユがいないからではなく、私の腕の問題でした。撃沈の下見も終わり、不安の中大会当日を迎えることとなった。私はこの時「負けるにしても、1匹でも釣って負けたい!」と思った。

 

大会当日…粘りの釣りが勝利の鍵か

いよいよ大会当日。朝は余裕を持ちたい私は、受け付け1時間以上前に現場に到着。ゆっくり朝食をとり、仕掛け、ハリがちゃんとベストに入っているのかを確認。河原を散歩して最後のポイントチェックを怠りなく…。引いたことはないが、万が一くじ引きが1番だった場合に備えて、自分の中で入りたいポイントを決めておく。大会はくじ引きの番号順にスタートをするのだ。受け付け30分前になると続々と車が河原に入ってくる。選手が集合し始める。

先輩方と挨拶を交わすとワクワク感が増してきた。年齢も性別も関係なく、同じ土俵で勝負をする。ドキドキ、ワクワク!大人になってもこういう時間を持てること、先輩方とこの時間を共有できることが、本当に幸せだなと思う。受け付けが終わり、開会式も終わっていよいよ予選のスタートである。「出来ることはやる!」。これが私のルール。オトリを貰ったら体力の限り目指すポイントへ走る!あまりクジの番号はよくなかったが、自分の入りたかったポイントの中で、一番の候補に入ることが出来た。この日大会に出ない友人達も応援に来てくれてすごく嬉しいが、自分の釣りを見られるのはちょっと恥ずかしかったりもする。

目印が飛んだ!キターー!キタヨーー!」

7時30分、試合開始のホーンが河原に響き渡る。「慌てず、落ち着いて、丁寧に、楽しむべし!」。自分に言い聞かせて、トラブルなどないようにゆっくり準備を始める。あとは自分の出来ることをやるのみ。私の選んだポイントは川を切るように石組が入った下流のジャラジャラとした浅瀬から深みにかけてのポイント。

まずは足元からオトリを送り出して、上へと泳がせていく。自分も座り、静かに釣りをする。よくアニキに立ち位置が大事だと教えてもらっていたので、自分なりに考え、立ち位置にも気を使うようにした。すると、またしても私のオトリの周りでは、アユがピョンピョン跳ねている。下見を思い出し、アニキに教えてもらったことを出来る限り守って釣りをしていく。

下見と同じことをしていては、釣れないことは分かっていた。釣れなくても手前から少しずつ丁寧に探っていく。粘りの釣りである。オトリは常に“上飛ばし”の状態で泳がせた。30分が過ぎた頃だろうか、初めての反応を得ることが出来た。1匹でもオトリに反応してくれるアユがいたことに希望が持てた。それから1時間が経とうとした。オトリアユがギューン!と突如引き込まれ、目印が飛んだ!キター!キタヨー!」。本当に手が震えそうになった。これは絶対落としてはならない。「最大級の丁寧」で引き抜きを開始。「どうか落ちませんように」と祈りながら一気に引き抜き、アユを無事キャッチ。手は震えていた。

さあここから、ここから。天然アユにハナカンを通して、先ほど釣れたポイントへ少しずつオバセをとりながら誘導していく。すると時間は掛かったもののまた「ギューン」。背掛かりのよいアユか来てくれた。

「このまま、あと数匹は釣りたい」と思っていたが、そう甘くはなく、2匹連続バラシ。バレてしまってからというものなかなか思うようにいかず、チビを1匹追加して、オトリアユ2匹を含めた5匹で2時間半の試合終了のホーンを聞いた。残念ながら、決勝には2匹足りず敗退となってしまったが、いま出来ることはやれたので、清々しい気持ちだった。

決勝戦は友人やアニキの応援に!

1時間半の決勝戦!また魔法が出ました。アニキのアユが止まらない。どうなっているんだ。本当に、凄い。周りの選手がかなりの苦戦を強いられているというのに、アユを掛け続ける。見ている私達もドキドキが止まらない。決勝戦はアッという間に終了。表彰台のテッペンにはアニキの姿があった。

「アユの気持ちを考るのが大事」とよく言うアニキは、きっとこの日一番アユの気持ちを理解した選手だったのだろう。

久し振りの相模川、久し振りの大会は天然アユも選手も夏真っ盛り。熱い熱い夏はまだまだこれからだ!

施設等情報

相模川漁業協同組合連合会 
〒243-0307 愛甲郡愛川町半原914-3 相模川漁業協同組合連合会ホームページ

施設等関連情報

車: 圏央道・厚木スマートICより約15分
漁期: 6月1日~10月14日及び12月1日~12月31日
料金: 年券1万2000円、日釣り券1,500円(現場2,500円)(中学生半額)*未就学、小学生は無料
使用オトリ店: 『オトリ店 高田橋友鮎販売所』
〒252-0246 神奈川県相模原市中央区水郷田名4-11-8
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
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