釣りビジョン

滋賀県・琵琶湖 秋のハス(ケタバス)狙いで、でかバスも釣れる!

2022年10月05日公開

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2022年の琵琶湖はハスの当たり年!(…シーン)いや、戻るボタンを押すのはちょっと待ってほしい。秋のハスは産卵期の梅雨時よりも簡単に釣れるし、食べると美味しいのだ。しかも、ゲストででかバスも釣れる!?

秋・琵琶湖のハスを釣りは、モロコ探しから始まる

ハスは元々は琵琶湖、淀川水系などに限定して生息していたが、琵琶湖産アユの放流に混じって全国的に分布を広げている。関西ではケタバスとも呼ばれる。コイ科にしては珍しく完全な魚食性の魚なので、ルアー釣りの対象魚として楽しむことができる。産卵期に当たる梅雨時に、河口部の浅瀬などで、岸からルアーで釣れることが知られていて、風物詩的に愛好している人もいる。が、実は深場を回遊する秋こそハスをまとめて釣りまくることができる…のはあまり知られていない。

さて、時は遡り、9月の中旬のある日。いつものレンタルボートでバス釣りに出かけたこの哀れな語り部(←筆者のことです)。北湖東岸のディープに沈んだオダや取水塔を狙って大型スプーンを落としていくと…すぐにバスが釣れた…のだが、それ以上に釣れたのがハス。狙ってみると簡単に釣れる。しかも、大きいのは30cm近くありそうだ。

そんな話をレンタルボートひさの屋のご主人である立田猛さんにすると…「ハスは美味しいので、今度釣りにいきましょう」と乗ってきた。9月の終わりに改めてハス狙いの釣りをすることになったのである。

さて、琵琶湖のハスはどこにいるのか? 2022年はモロコとハスが当たり年なのか、どちらもめちゃくちゃ多いのだ。まずは水深5~10mあたりにいるモロコの群れを魚探で捜索するところから始まる。オダや取水塔の周辺などにモロコの群れを見つけたら、おそらくそこにはハスもいる。なお、モロコの群れは水面まで上がってくることもよくあるので、目視も可能だ。

あっさり連発するハス。群れがいれば簡単に釣れる

真野浜のひさの屋からしばらく走って、まずは水深8~10mのやや深い場所にあるオダが点在するエリアへ到着。魚探で水中を照らすと…オダ周辺の広範囲にモロコの大群がいて、その近くのボトム付近をハスの群れが回遊しているように見える。これは釣れるぞ。

望月「ボートの左前方から群れが来るのでメタルバイブをボトムまで落として、小刻みにしゃくってください」

猛「よっしゃ。…あれ、なんかアタったような?」

いきなり猛さんにハスと思われるバイトが…さらに次のキャストにもアタリがあり、1匹目がヒット!

猛「意外にぐいぐい引きよるな…。あ、ハスやね。よう肥えとるわ」

直後、筆者のロッドにもグン!という押さえ込むようなアタリが伝わってきた。ハスは泳力があるので、重量のわりに引きが強く、ファイトも楽しい。
基本的にスレていないので、群れがボート近くに回遊してくれれば…アマゾンで釣りをしているかのような連発が味わえるのもハス釣りの面白さだ(スケールは違うが…)。

 

難しいはずの琵琶湖のでかバスもハス狙いなら釣れる!?

猛「よっしゃ、また釣れた!」

今度はロングキャストした先でヒットさせた猛さん。ロッドがまあまあ曲がっているし、スピニングリールのドラグも出てるし…いや、これは…。

望月「猛さん、それバスじゃないですか?」

猛「どうやろね、なかなか寄ってこないけど…」

望月「ハスはそこまで引かないので、たぶんバスですよ。デカいんじゃないですか? じっくりいきましょう」

すると、15mくらい離れたところで、大きな魚がジャンプした。やっぱりバスだ! 無理をせずに寄せて…ネットランディング。50cmはあろうかという、ハス狙いのゲストとしてはかなりの大物だ。

その直後、この哀れな語り部がしゃくるメタルバイブにもずっしりとした重みが! これはハスではない!!

望月「猛さん、これまあまあいいバスかもしれません…。ゆっくりやりますよ」

ベイトフィネスリールのドラグを調整しながら、慎重にファイトする。メタルバイブは小さいダブルフックなので、強引にやるとすぐに伸ばされてしまうのだ。タテに横に何度も走る魚をいなしながら徐々に浮かせてくると…その抵抗感がどうもあまりうれしくない。案の定、水面に浮かんできたのはお腹にフックが掛かったニゴイだった。

その後、ふたりとも次々とヒットし、最初のポイントだけで10匹以上はハスをキャッチできた(同じかそれ以上バラしているが…)。そのなかから型がいいものを選別してイケスにキープした。

ハスはもうお腹いっぱいなので…バスも釣らねば

望月「猛さん、そろそろ釣り飽きてきたんで、移動しましょうか?」

猛「そやね、飽きてきたね(笑)」

今度は水深5~6mくらいのオダへと移動。ここでは望月がキープには至らないサイズのハスを1匹キャッチしたのみ。

さらに北上を続け、比較的深い場所にある取水塔へ。ここにもたんまりとモロコが溜まっているのが確認できた…のだが、ハスの群れが回ってこなかったのか、アタリはなし。期待したポイントが不発だったが、行き掛けの駄賃と、近くの岩場をチェックすることに。大きな魚は映っていないように見えたが、メタルバイブをしゃくると、ボトムべったりに居たのか、何匹かの魚が突如画面に現れた。フォローにダウンショットリグを投入して、じっくりシェイクしていると…(もはや完全にバス狙いである)、喰った!

望月「やった、これは間違いなくバスです。ネットをお願いしますね」

猛「よっしゃ。まあまあええやん」

50cmはなさそうだが、重さは2kg近い、これまた太いバスだった。

もうハスは十分釣ったので、午後はなんとなくバス狙いにシフトしつつあった望月&猛さんコンビ。東岸のとある取水塔へ行くと、この日一番のバスの反応が魚探に現れた。

望月「猛さん、ここは釣れそうなんで、ていねいにやりましょう」

と、先ほどバスを釣ったダウンショットリグのタックルを猛さんに渡した。

そして、ハスでバスを…。

望月「猛さん、ここはエサならでかいバスが釣れるんじゃないですか?」

と、筆者が悪魔の囁きをしたところ、乗ってきた猛さん。小さめのハスにハリをつけて、ダウンショットリグで取水塔の近くへと沈めた。猛さんがボート縁で手を洗っていると…その一瞬の隙にロッドが引き込まれた! 間一髪、猛さんはタックルを掴み、水中に持っていかれなかったが…。

猛「あ、切られてもうた。ラインブレイクや…。今のはええ型やったかもしれんね」

なぜかタックルを掴んだ瞬間に20ポンドラインが切られてしまった。一瞬、フックからリールが一直線になったためか、タメが効かなかったのかもしれない…。残念ながら、琵琶湖のスーパーランカーをお見せすることはならず。

狙ってみると意外に楽しいハス。目に見えるストラクチャーの周りにいることも多いので、魚探がなくても釣ることはできるだろう。また、バスやニゴイとポイントがかなり被っているので、思わぬ大型がキャッチできる…かもしれない。バス狙いで苦戦している人もたまにはハスを狙ってみると、楽しい発見があると思う。

施設等情報

レンタルボートひさの屋
〒520-0525 滋賀県大津市小野306-89 
TEL:077-594-3288 レンタルボートひさの屋ホームページ

施設等関連情報

営業時間:日の出~17:00(夏季)、日の出~16:00(冬季)
レンタルボート代金:1人乗り7,000円(9.8馬力)、8,500円(20馬力)、2人乗り8,800円(9.8馬力)、11,000円(20馬力)、3人乗り13,200円(20馬力)
公共交通機関:JR湖西線 小野駅下車 徒歩約17分
車:湖西道路 真野IC下車 約6分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

望月 俊典
千葉県九十九里町生まれ。雑誌『Rod and Reel』副編集長を経て、フリーランスの編集/ライターとなる。海外の秘境釣行も大好きで、『世界の怪魚釣りマガジン』の立ち上げ&制作を手掛けた。現在は、琵琶湖事務所で仕事や釣りにいそしむ。著作は『バスルアー図鑑』(つり人社)。ちなみに、学生時代に、ネッシー(といわれているであろう現象)を目撃&撮影したことがある。
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