釣りビジョン

2012.7.1号

儀兵衛丸・神奈川県長井港
神奈川県・長井港で“ショートカワハギ”開幕!

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昨年9月、「イカの長井」で始まった“ショートカワハギ”。長井港『儀兵衛丸』が新プランとしてスタートさせたが、適度な実釣時間と手軽さから大人気を博した。通常、同地区では9月頃からの釣り物だが、釣り人からの熱い要望で6月18日、“様子見”で出船したところ33cmのビッグワンを頭に午前便のトップは19尾と数・型共にまとまった。「これなら行ける!」と梶ヶ谷孝宏船長は23日から出船を開始した。26日、早速出掛けてみた。

初夏のカワハギは肝より卵?

寒期の釣り物の印象が強いカワハギ。何故か!?暖期のカワハギは肝が少ないからだ。そのため、専門の乗合船も激減する。しかし、初夏のカワハギは卵を持っている。カワハギの卵は身と一緒に酒蒸しや煮付けにすればその味は絶品である事を知る人は少ない。また、個体差はあるものの肝も全くない訳ではない。「この時期、カワハギを釣った事は無かったのですが、20cm前後のいい型が揃っていますね。27、28cm級も一日に何尾かは顔が見えます。ワッペンサイズは交じらないですね」と孝宏船長。

18日に釣れた33cm!
このサイズが多く交じる

釣り場は“カメギ根”東、水深18m

午前5時30分、船宿真横の駐車場に車を停め、ボードから釣り座番号札を取って船宿内に入ると笑顔が素敵な大女将が暖かいお茶を入れてくれた。アットホームな雰囲気がいい。雑談もほどほどに船へ移動した。既に片舷に4人ずつの計8人が乗り込み、仕掛けのセッティングやアサリの水抜きの真っ最中。午前6時の定刻に河岸払い。天気予報では風もなく穏やかなはずだったが、沖に出るとすぐ、北東の風が7、8m吹いてきた。しかし、そんな風の影響も受けにくいのが“ショートカワハギ”のいいところ。何しろ釣り場の“カメギ根”は航程5分の三浦半島の陰。波の影響はほとんど受けない。「いいですよ~。水深18mです」。船長の合図と共に30号のオモリが海中へ。

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仕掛け図

2流し目で右舷全員が同時ヒット!

1投目は誰しもが期待をしてしまうものだが、1流し目“本命”らしきアタリは誰にもなかった。「昨日はここで朝から2時間ほとんど移動せずに1人15尾釣ったんですけどね。ちょっと移動してみます」(船長)。ここで小移動、“つぶ根”が点在する場所へと移動した。移動後1投目、右舷ミヨシ(船首)から2番目の浅居修平さんがヒット。微笑みながら上げてくる様子を見ると“本命”と確信しているようだ。海面を割ったのは23cm級の良型。浅居さんの撮影に夢中になっている間にミヨシから大ドモ(船尾)まで右舷側4人全員がヒットしていた。そして左舷で甲高い声が響いた。「こっちも来たよ~」。声の主は胴の間(中央)の吉川ひとみさん。竿先の微妙な変化を捕えてのヒット、24cmの良型を取り込んだ。

船中第1号!
マダコとカワハギのダブル!
私も良型ゲット♪

1ノット超の南への潮が喰いを高める

2流し目から始まった荒喰いは1時間では止まらなかった。その流しで一旦喰いが止まっても小移動をすると、再びアタリのラッシュ。その中でもキュウセン&トラギスなどの“ゲスト”と“本命”のアタリを正確に見分けて物にしていった浅居さんと大ドモの富永和さんが数を伸ばしていった。気が付けば足元の桶には20尾のカワハギが入っていた。船長は、「昨日、今日と南へ潮が1ノット以上流れていますね。潮が速い分釣り難いんですが、それ以上に魚の活性が高いですね。最高のコンディションです」。潮が南へ向かっている今がチャンスで北東方向へ流れが変わった途端喰わなくなるのが最近のパターンだとか。

27cmの良型も上がった
こちらも良型!
桶はカワハギで一杯!

ちょっと小さいかな~
いい型だね♪
カサゴも交じった

中オモリを軸に誘い“0テンション”で待つ

浅居さんに仕掛けや誘い方について伺った。中オモリは2号を2つ使用、「普段は、ここまで重くしないのだが、潮があまりにも速いため今日は合計4号にして底を取れるようにしている」そうだ。ハリスは2.5号、ハリは必ず上向きに着け、ハリ先を爪に乗せて滑るようなら交換をマメにするとの事。「着底と同時に中オモリを軸にゆっくり誘って、たまに“0テンション”の状態で止めてます。ほら、来ました」。釣り方を説明しながら浅居さんはアッという間に3尾釣り上げた。“0テンション”で止める方法以外にも誘い続ける最中にヒットさせる方法もあるそうだ。
※詳しくは動画参照
その後、少し喰いは落ちたものの納竿の午前10時まで釣れ続き、20尾以上が5人、竿頭は27尾で浅居さんと富永さんが同数の“爆釣”で午前便は沖上がりとなった。

常連さんの中オモリ
ショートでこの釣果!

1尾目の“本命”は26cmのグッドサイズ!

午後便の出船は午前10時半。ここから私も竿を出した。今回実験したのは以前、船長が効果的だと言っていたジャリメとアサリのミックス掛け。まずは上バリと2番目のハリにアサリを付け、一番下にジャリメを付けてみた。すると、2投目に着底と同時にアタリ。アサリ餌ならすぐに合わせるのだが、ジャリメを丸々1尾掛けしているため早合わせをせずにタイミングを待った。そして、3回目のズンという大きなアタリで合わせると、乗った!しかも重量感タップリである。ゆっくりと慎重に上げてくると一番下のジャリメに26cmのグッドサイズが掛かっていた。

26cm!
2尾目もジャリメ♪
午後便でも良型ヒット!

最後の流しで1kg級のマダコが連発!

私の隣で竿を出していた高木真一さんも11時の竿入れから3連発と軽快に“本命”を釣り上げていったが、正午頃から潮が変わり北東へと流れ始めた。すると、船長が言った通りパタッと喰いが止まってしまった。
再び潮の流れが変わり、喰いが立ち始めたのは納竿間際の30分だった。「これで最後の流しにします。ここはタコが良く出る場所だから頑張ってね」(船長)。『儀兵衛丸』ではオモリのすぐ上に7cmの浮きスッテを付けてマダコとカワハギの“二刀流”の仕掛けを使う常連さんも多い。午後便では左舷ミヨシに移動していた吉川さんもそんな一人。すると、なんだか重そうにリールを巻き始めた。そして…「やったー!タコだ!」と歓声とともに上がってきたのは食べ頃サイズのマダコ。顔面にタコの噴射を受けながら大喜びで沖上がりの2時半を迎えた。

オモリの上に浮きスッテを装着
良型のマダコをゲット!
ゲストのキュウセン

“ショートカワハギ”は1月までのロングラン♪

超レアなタグ付きが釣れるかも!?
私の釣果は18~26cmが6尾。潮変わりに影響されジャリメとアサリの喰いの違いを確かめられる程の釣果は出せなかった。しかし、ジャリメの方が喰う時もあったので次回の釣行でもジャリメは持参してみたい。1月までのロングランで狙える“ショートカワハギ”。数・型ともにまとまる初夏も熱い!

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
神奈川県長井港『儀兵衛丸』
〒238-0316 神奈川県横須賀市長井5-3-5
TEL:046-856-2758 (定休日:第1・3・5金曜日)
詳細情報(釣りビジョン)
儀兵衛丸ホームページ
出船データ
ショートカワハギ=5,000円(餌別)※氷付き
午前便:午前5時半集合、6時出船、10時沖上がり
午後便:午前10時集合、10時半出船、14時半沖上がり
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