釣りビジョン

2013.2.15号

鶴丸・静岡県田子の浦港
静岡県・田子の浦沖で良型中心、脂の乗り抜群のタチウオ!

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関東近郊エリアの中では、抜群の魚影の濃さを誇る駿河湾のタチウオ。その“釣期”も今では“通年”と言われる程。そのため、タチウオ漁がメインの漁師も多く、毎晩海上には漁火を焚いた釣り船&漁船がズラリと並ぶ。5日、漁師でもある田子の浦港『鶴丸』の鶴牧謙二船長から入電。「今日は凄かったですよ。東沖へ出たんですが2人で130kg釣りましたよ」。いくら漁業とは言え一晩でそれだけ釣れれば魚影の濃さは疑いようもない。シケ明けの8日急行した。

冬のタチウオは脂ノリノリ♪

冬になると、大きな群れを作ると言われる駿河湾のタチウオ。サイズは大きければ大きい程脂の乗りも良く美味いのは周知の事実だが、果たして“指2、3本級”でも脂が乗っているのだろうか。船長に聞いてみると、「皆さんはタチウオが“細い=脂の乗りが悪い”と思われているようですが、冬のタチウオは“指2本”でも脂が乗っています。美味しいですから騙されたと思って食べてみて下さい」と自信満々。“指3本級”でも釣り人によっては細いとリリースしてしまう人も見かけるが、冬のタチウオは多少細くても焼き魚にすれば絶品だそうだ。新鮮なタチウオの皮はパリッと焼けて茶色く焦げ目が付き、香ばしいタチウオ独特の香りが漂う。その皮を捲った下には脂の乗った上質の白身が待ち構えている。想像しただけでも涎が止まらなくなった。

『鶴丸』
親切丁寧な鶴牧船長

午後4時、“田子の浦東沖”へ出船!

午後3時半、田子の浦港へ到着すると雄大な景色に思わず目を奪われた。目の前には雪化粧をした大きな富士山が出迎えてくれた。静岡県と言えば富士山が良く見える場所が多いのだが、港から出船前にこれほど大きな富士山を拝める港はそう多くない筈だ。午後4時前、私を含め5人を乗せた『鶴丸』は港を出て東へと舵を切った。前日までの低気圧の影響で海上は南から1m以上の周期の長いウネリが入って来ていた。「波っ気があるから被らないようにキャビンに入っていて下さいね」(船長アナウンス)。航程約20分、“田子の浦東沖”へ到着すると、既に場所取りの釣り船や漁船が8隻アンカーを入れていた。船長も慎重に場所を見極め、上乗りの芹澤卓也さんにアンカー投入を指示。水深45mで日没を待った。

氷は前後のクーラーから取ろう
餌はサンマの切り身
目前には富士山の絶景が広がる♪

釣り方は簡単♪置き竿、電動で誘えば楽ちん!

『鶴丸』では餌釣り、ジギング、テンヤと3種類の自由な釣り方でタチウオを狙えるのだが、この日の釣り人は4人とも餌釣り。『鶴丸』での餌釣りは、誰にでもできる置き竿スタイルが基本。2m前後の柔らかめのマダイ竿に天ビンとオモリ(60or80号)をセット。ハリスはフロロカーボン8号2尋(ヒロ=約3m)にワイヤー付タチウオバリを結ぶ。餌はサンマの切り身を皮側から縫い刺しにする。水中ライトやタコベイトは付けず、1本バリのシンプルな仕掛けが船長のお勧めだ。誘い方は非常に簡単。着底後、電動リールのパワーレバーを微調整して5~10秒毎に1m巻く速度にする。後はキーパーにセットし、ひたすら竿先を見つめてアタリが来るのを待つ。アタリが来た場合、すぐに手持ちに切り替えタチウオが喰い込むのを待ち、グッと竿先が入ったら大きく合わせを入れる。これが一連の流れ。初めての人でも簡単に出来るスタイルだ。電動リール&竿セットは2000円でレンタル出来る。

常連さんの仕掛けその1
常連さんの仕掛けその2
仕掛け図

魚探には間違いなく超濃い“本命”の反応!しかし…

日中は水深200m付近に居て、日が落ちると餌を求めてカケ上がりを浅場へと移動をすると言われる田子の浦沖のタチウオ。「今日は、いつもタチウオが通る回遊ルートの中でも群れが最初に通過する場所にアンカーを入れています。日によって群れが通る場所は少しずつ変わるのですが、スレていない活性の高い群れに中ると最高ですね」(船長)。
午後7時、魚探を見ると今まで真っ青だった底付近に黄色い反応が出始めた。「“本命”の登場ですね。もうちょっと待っていると真っ赤な(※赤い反応の方が濃い群れ)反応に変わりますので、待っていて下さいね」(船長)。すると、船長の言葉通り、みるみる内に魚探が真っ赤に染まっていった。右舷ミヨシ(船首)をふと見ると、竿を出していた高田裕樹さんの竿が大きく曲がった。ググンと時折鋭い引き込みを見せたのは“指3本半”のタチウオ。ここから入れ喰いが続く…と誰もが思ったのだが船中10分に1尾ずつポツ~リ、ポツ~リと釣れる程度。アタリも遠かった。「反応はこんなに出ているのに…」と、船長に原因を聞くと「正確な事は分かりませんが、シケ後で潮色が濁っているのと、タチウオの群れが船下を通過した時点ではまだ口を使うスイッチが入っていないのかも知れませんね」。その証拠に群れの進行方向の先で釣っていた仲間船はタチウオが順調に釣れ続けていた。そこで、船長は堪らず移動を決断した。

待ちに待った日の入りだ
魚探には超濃い反応!
船中第1号は高田さん

喰い渋り時は、長ハリスで攻めよう!

移動先の水深は50m。ここで劇的な変化を期待したが小一時間沈黙が続いた。アタリは時折あるのだが、チョンチョンと餌の先を軽く触る程度の小アタリが頻発。「いや~喰いが渋いな、マイッタ」。そんな独り言にしては大きすぎる台詞が船のあちらこちらで聞こえた。ハリス1mの仕掛けで挑んでいた左舷ミヨシの植村光広さんも同じく小アタリに苦しんでいた。
午後9時の時点での釣果は3尾。「もしかしたらハリスが短いとダメなのかな」。そう言うと2m仕掛けにチェンジ。そこから入れ喰いタイムが始まった。不思議とこの時には魚探には薄っすらとしか反応が出ていなかった。タチウオが“お化け”と言われる所以である。すると、右舷でもヒットが連発。“指3本級”の一荷(2尾)、次は“指4本級”と次々に両舷で中型サイズを取り込まれた。「これならもっと先に長ハリスに変えておくべきだったな」と、植松さんは苦笑い。

指4本弱かな?
仕掛け変更後連発の植松さん
高田さんはダブル!

取り込みは手返し良く行おう♪
指4本級♪
当日はこのサイズがアベレージ

翌日には“指4、5本級”が連発!今後も期待十分!

一時ラッシュになったアタリは次第に無くなり、午後11時に納竿となった。竿頭はファーストヒットから粘り強く数を伸ばした高田さんで15尾。「今日は“指4本弱”が最大と魚が小さかったですね。5日の漁では1kg超えも2本出ているんで今日は場所取りに失敗したみたいですね」と、船長は肩を落とした。しかし、翌9日の午後7時には船長から元気な声で電話が入った。「今日は良いですよ~。もう“指5本級”の1kg超えが何本か出ています。TOPも20尾は超えそうですね」。
3月一杯までは十分に狙える田子の浦沖のタチウオ。船長から頂いたタチウオは“指3本”でも脂の乗りは抜群、軽く塩を振り焼き魚にすると最高に美味かった。初挑戦でも十分楽しめるタチウオ釣り。タチウオが脂ノリノリの内に是非チャレンジしてみては如何だろう。

9日の釣果1kg級!
9日の釣果の一部①
9日の釣果の一部②

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県田子の浦港『鶴丸』
〒419-0201
静岡県富士市厚原894-11
TEL:090-1629-3680
詳細情報(釣りビジョン)
鶴丸ホームページ
出船データ
タチウオ船=9,000円(氷・餌2パック付)
午後3時半集合
午後4時出船、11時沖上がり
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