釣りビジョン

2013.2.15号

梅花丸・千葉県飯岡港
千葉県・外房の海に待望のヤリイカ、本格シーズン到来!!

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千葉県・飯岡の『梅花丸』は、1年を通してエビ餌でハナダイを釣らせる人気の船宿だが、2月に入りヤリイカの乗合船も始めた。初出船の3日(日曜日)、いきなり20~83尾の大釣りを記録した。翌4日は7~36尾と落ち着いたが、「シーズンイン間違いなし」と、8日の予約を入れた。前日7日は“春一番”に近い南西風が吹き荒れ、一抹の不安はあったが、満を持して出掛けた。

ヤリイカは船宿に午前4時集合

ヤリイカ釣りの場合、船宿に午前4時集合との事。3時30分に到着すると先客3人が右舷側の釣座番号を取っていた。お客さんが少ない時はオマツリを少なくする為、片舷流しにすると言う。私を含め6人が右舷側に席を取った。受け付けを済ませ、車で2、3分の港へ。外はまだ真っ暗だが、港は船の明かりが煌々とついているので、釣り準備に支障はない。準備が出来たところで定刻の5時に出船した。

舵を握った梅花繁船長
11cmのイカヅノとオモリ150号
仕掛け図

釣り場の飯岡沖まで1時間30分の航程

港を出ると、案の定、前日の吹き返しの北西風がかなり強い。皆キャビンに潜り込んで暫しの仮眠。走る事1時間30分、釣り場の飯岡沖に着いた。左右を見渡しても陸地が全く見えない。「ハイ、やってみましょう。水深は150m」。梅花繁船長の合図でスタートした。風に煽られイカヅノが投入器に巧く収まらない。最初に投入出来た人は、落ちて行く途中でサバの洗礼を受けたが、高速で巻き上げたら途中で外れ、そのまま仕掛けを降ろしていった。右舷ミヨシ(船首)の山梨県から来たと言う松野さんが早々とリールを巻いている。特にミヨシは船が上下・左右に大きく揺れる。慎重に巻いている。船下を覗くと、いたいたっ!待望のヤリイカ第1号だ、「ちっちゃいねー」と松野さんは謙遜する。同行の取材スタッフもリールを巻き出した。取り込んだのは胴長22、23cmのまずまずサイズだ。横須賀市の倉形さんもリールを巻いている。バレない様にと慎重だ。しかし、取り込む時に痛恨のバラシ。隣のスタッフは竿先を斜め下に構え、独特のスタイルで巻き上げている。取り込んだのは、25cm級のアメ色に透き通った良型ヤリイカだった。
ウネリで船が大きく揺れる。神経を集中してもイカの乗りが分かりにくい上、折角乗せても巻上げ中にバレしまう等、苦しい釣りが続く。それもそのはず、潮速計は3ノットを記録し、最初は150mで着底した150号のオモリはどんどん吹き上げられ、アッと言う間にラインは200mまで引き出されてしまう。大きなウネリに加えてこのぶっ飛んだ潮は正に船長泣かせの悪条件だ。

風とウネリの中、5本ヅノで成功

暫く沈黙が続いた。船長はこの場に見切りを付け、南に大きく船を回したが、潮が速くて釣りにならない。何度も移動し、ヤリイカの反応を探し回ってくれる。私はいつ訪れるか分からないヤリイカの“爆釣”シーンを想定し、カメラを持ってスタンバイしていたが、痺れを切らして10時を回った頃、竿を出した。150号のオモリに引かれ、仕掛けは160mで着底した。糸フケを取り、ゆっくりシャクる。船がせり上がる時は大きなヤリイカが何尾も付いている様な重量感。逆に波間に落ちる様に下がる時はオモリがゼロテンションになる。この状態からヤリイカの乗りを如何に取るか、神経を研ぎ澄ましての釣りになった。竿に僅かな違和感を覚えたので巻き上げてみたが空振り。風の影響で8本ヅノ仕掛けが巧く投入出来ない。そこで思い切って5本ヅノにしたら扱い易くなった。1シャクリ、2シャクリ、半信半疑で巻き上げて来たら、下から2番目のツノに乗っていた。値千金の1尾である。ここがチャンスと急いで再投入、着底を確認し竿を立てた時“グン”と気持ち良い乗りの感触。追い乗りを期待し、8m辺りまでゆっくり手巻きで誘い、それからリールの巻上げスイッチを入れた。船のピッチングに合わせ、竿は立てたり下げたり、リールは回転速度を調整しながらヤリイカへのテンションを一定になる様にして巻いた。取り込んだのは待望の2点掛け。「ヨシッ、これからだ」と気合が入った。

松野さんミヨシで頑張って手にした1尾
先ずは1尾ゲット

待つこと久しい、ヤリイカの入れ食いタイム!

14日には、この通りの“大爆釣”
両サイドでリールを巻く音が響く。良い群れに当った様だ。倉形さんがヤリイカの2点掛けを取り込んでいる間、ミヨシで頑張っていた松野さんもヤリイカの2点掛け。「又来たよー」と倉形さん。今度は大きなスルメイカを抜き上げた。圧巻は同行のスタッフが、何と4点掛けを達成!本人によれば「写真を撮る為、置き竿にしていて、戻って巻いたら4尾付いていた」との事。何とも羨ましい。ヤリイカのタナに仕掛けが入っただけで多点掛けである。やはり群れは濃いようだ。活性が上がればこんな事も珍しくはないはず。
しか~し、11時ジャスト、船長から「少し早いけど、風も益々強くなって来ました、帰りの事を考えてこれで上がらせて貰います」とアナウンス。「エーッ、もう30分釣らせてくれたら…」と心の中で呟いたが、安全第一である。船長判断は絶対だ。
もう少し、風が強くなるのが遅ければ全員が“ツ抜け(2桁)”出来た思われる入れ掛かりタイムは正味30分でジ・エンドとなった。
結局、ヤリイカは1~7尾だったが(他にスルメイカ)、ヤリイカの群れが来ている事は確実だ。その後の釣果は12日32~48尾、14日は25~48cmが70~91尾で9割方が大型と完全復調!ナギに恵まれればこのような釣果も十分に期待出来そうだ。

山梨から来たんだ、手ぶらでは帰れない
倉形さん、「私も一荷だよ!!」
本日のハイライト4点掛け

スルメも嬉しい、塩辛で一杯!
透き通ったアメ色のヤリイカ
梅花武幸店主

梅花武幸店主に聞いた

「外房方面のヤリイカは、例年1月末頃から顔を出しますが、その頃はサバやスルメイカが多いですね。ヤリイカは2月に入った頃から本格的に始まり4~5月頃までがシーズンになります。最初は小型のメスが浅場に固まり、それを追って大型のオスが入って来ます。初出船の3日は、仕掛けを入れれば5点掛けが当たり前。これから大型の“パラソル級”も釣れる様になり、面白くなりますよ」。『梅花丸』の梅花武幸店主から、頼もしい話を聞かせて貰った。

(釣りビジョンAPC・飯妻 武夫)

今回利用した釣り船
千葉県飯岡港『梅花丸』
〒289-2705千葉県旭市飯岡2563番地5
TEL:0479-57-2145
詳細情報(釣りビジョン)
梅花丸ホームページ
出船データ
乗合料金:1万1500円
集合時間:4時
納竿時間:11時30分
貸道具 :有り
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