釣りビジョン

山梨県・河口湖。スロット界のカリスマ・ライター「梅屋シン」と一緒にロクマルをガチで狙う!?

2023年05月25日公開

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ライターの仕事としては何度も何度も訪れていたフィールドでも、いざ実際に釣りしてみるとどうなのか? ふとしたことから数年ぶりに連絡した出版社時代の後輩に誘われるままに東のバス釣りの聖地、河口湖で釣ってみた!

有名パチスロライターがでかバスハンターになっていた!?

突然ですがワタクシ、釣りは好きですが、釣りに行って行って行きまくって結果ライターになっていた(いわゆる業界で働いていた)タイプの人間ではありません。正直な話、取材の後にちょこっと釣りをさせてもらって釣ることはありましたが、プライベートで釣りに行くことはここ数年では皆無。初バス?なにそれ?美味しいの?(←誤解を生む発言)状態です。いや、正確には状態でした、か!
「ナカムラさん、バス釣り行きましょうよ! 河口湖がアツいっすよ!」
「なるほどな、河口湖か~。ルアーは?」
「i字っすね」
「うんうん、ご当地ルアーだもんな。あとは?」
「ほぼi字でいけますけど、ミノーとか。ポッパーはちょっと早いっす。ギリ、ワカサギの表層パターンなので」
「ギリ?」
「そうなんですよ。釣果的にはもう終わりって感じですけど、実はまだ一発あるんじゃないかなって」
「ネイティブ狙い?」
「僕はそうですね。でも放流を釣るなら小さいクランクとかブレード系もありっす」
「どうせならなんとかして釣りたいわ」
「それならそっち系も準備してください。あとジグなんかもありかもしれませんね!」
「ポーク?」
「そうです。ウィードが生えるとジグなんですけど、いまはまだ早いのでなんともですけど!」
「じゃあ必要なルアーのリストちょうだい。準備してみるから」
などというLINEのやりとりをしていた相手は、いまはなきバス釣り誌『ROD&REEL』編集部時代の後輩。彼が通い込んでいるという河口湖へ釣りに行くことに。
河口湖といえば、霊峰富士を眺められる風光明媚な湖として、国内外から多くの観光客が訪れていますが、バスアングラーからすれば、西の琵琶湖に並ぶ東の聖地。いわゆる2000年代初頭には、とにかくバス釣りをしてみたいという釣り人で大賑わい、ワーム禁止などを経て、次第にロクマルが狙えると話題になり、プラグやポークを用いた斬新な釣法ででかバスを狙う個性的なフィールドになりました(←個人的な見解含む)。
で、その後輩もロクマル狙いのひとり。
「よく考えたらオレ、ロクマル釣ったことないんですよね。だから一生に一回くらいは釣ってみたいなって。それでバス釣りを本格的に復活して琵琶湖にも通っているんですけど、最近はガイド船でもバスそのものが簡単には釣れないし、亀山はレンタルボートで装備も大変だし、関東近郊でオカッパリで狙えるとなると河口湖しかないんですよ!」
後輩の河口湖レコードは55cm。今年の5月2日にもオーバーリアルで54cmを釣り、ムキになって通っているという。
後輩の名は、梅屋シン。
界隈では著名なパチスロライターで、Twitterの釣り専用アカウントもあり、定期的にファンと釣りオフ会も開いていたりと、バス釣り好きなのは周知の事実。ライターとはいえ、いまや書くよりもプレイヤーとしてCSの番組やYouTube、DVDなどで活動しているとのこと。そんなウメシンこと梅屋シンとの目指せ初バス、あわよくば50アップ河口湖釣行と相成りました。
「チーンくん!」
「いやいや、そんな呼び方するのもうナカムラさんしかいませんよ」
「そうだな、まだ朝というか夜中だし、静かに準備しよう」
ウメシンの気合いの入りっぷりは、河口湖ルールで朝は日の出1時間前から、夜は日の入り1時間後までなので、集合が日の出1時間前のAM3:50であることからもうかがい知れましたね。本人はその時間には釣りを始めていたかったらしいですが。あー眠い。そんなこんなで集合場所のファミマで遊漁券を購入し(事前購入1,080円)、いざ!

本命、ワカサギパターンで放置!

「てかさ、朝早すぎない?」
「いやいや、ワカサギパターンは日が差したり風が強くなったら終わりなので、いま(釣行当時)なら朝は9時まで。朝イチが勝負なんすよ」
エントリーしたのは、遠浅の水深と流れ込みの地形条件からワカサギが集まりやすいハワイ前。その量は他のエリアを圧倒するそうで、ワカサギパターンならまずはハワイ前というのが、その筋ではセオリーとのこと。
「うーん、日の出1時間前は過ぎちゃってるので、もう入れないかと思ったんですけど、誰もいませんね」
「釣れている情報がないんだろうな」
「ですね。でもだからこそチャンスはあると思います」
ルアーはウメシンおすすめのi字系、デッピー(デップトーキョー)。浮き姿勢でラインが水面に付かないのでダマしやすいのだとか。タックルはスピニングのPEラインでリーダーは必須。できる限り遠投して即座にラインメンディングをして放置する。
「放置? 引かないの?」
「デッピーは放置っすね。ジョーダンとかはゆっくり引いてもいいですけどそれでも基本は放置っす。10分以上放置して忘れた頃にバイトがあるのもざらですから」
「i字引きでもないな」
「バイトがあったときに合わせてもラインがたるみすぎてるとフッキングできないので、ラインを回収するくらいです」
「ごめん、それって楽しいの?」
「確かにこの釣りが釣れる、というかこの釣りしか釣れないって分からないと難しいですけど、バイトが1回でもあるとめっちゃ興奮しますよ」
「基本トップだし、それが50アップだとしたらまぁそういうもんか」
しかし、しばらくやってみるもののバイトもナシ!
「やっぱり厳しいかな。移動しましょうか」
やってきたのは産屋ケ崎~浅川エリア。いわゆる湖に映る逆さ富士の絶景ポイントでしたが、雲に隠れて富士山が見えていたのは一瞬でした。まぁオレらが見なきゃいけないのは富士山ではなくバスなんですけどね!(←うまい! いやそうでもない!)
釣りは引き続きi字系の放置ですが、風も吹いてきたので沈み岩などの脇を通す、いわゆるドリフトの釣りになります。
「あ、ナカムラさんバスいました。見えます?」
「いや、偏光持ってきてないから見えん」
「いやいや、観光ついでならまだしも、河口湖で1日バス釣りするつもりで偏光もってこない人なんて信じられませんよ。いままででナカムラさんだけっすわ」
「光栄だな」
「褒めてませんから!」
狙いはブレイク上にある変化で、そのブレイクを通るように投げて放置。ラインのたるみを回収しつつその時を待ちます。つまり、そんなブレイクが岸から届く位置にあるということ。
「あ、下に付きましたよ」
「ん、見える」
「喰う、喰う、あ~喰わないかぁ!」
細かい移動を繰り返しつつのラン&放置。
「あそこ、ボイルっす! 投げてください!」
ビュンとハンクルジョーダン85を放り込むと!
チュポ!「喰った!」
「あ~でものらん‼」
ワカサギパターンの放置、ひょっとしたら釣れるかもしれん!と思ったのもつかの間、太陽が水面に差せば風も強く吹き出し、表層は厳しい状況に。
「風がこんなに吹くとは思わなかったっすね。いつもならもう諦めて帰ってますよ」
「釣るまで付き合ってくれ。あとはもう夕方?」
「おそらく。日中あるとしたらラバージグですね」
「ポークかー!」

 

季節を先取ってポーク!からのシャッド!

ワーム禁止の河口湖ではラバージグ+ポークが喰わせのセオリー。ポークのノーシンカーもありますが、風の影響やディープを攻めることを考えると、ルアーをコントロールしやすいのは重さのあるラバージグ。しかしながらラバージグ経験が皆無のオレとしては、なかなか近寄りがたい釣りとなってしまいます。なので、ウメシンにはそちらをやってもらい、引き続きi字の放置を担当。釣れるようだったらやってみるというシフトにして、河口湖大橋の下にエントリーします。
「やっぱり早いんですよね。ウィードがもうちょっと生えればイケるんですけど、まだ中途半端だなー」
ワカサギパターンは終わり、ラバージグにはまだ早い。だから釣り人もほぼいないというウメシンの分析が現状をシビアに表している5月中旬の河口湖。
「でもワンチャンありますから!」
さすがリアルギャンブラー(!?)は違うなぁと思いつつ、昼飯ブレイクを挟んで奥河口方面へ。でかバス実績捕獲ポイントをラバージグとi字の2本立てで攻めてみますが、やはり反応はなし。
「きました! けど、のらないっ!?」
さかなやワンドに入り、西側へ動きつつ、とある桟橋脇にラバージグを通したウメシンにバイトらしき反応が!?
「バスかな? ギルかな?」
再び通すもノーバイト。それでも良い兆候と信じつつ、さかなやワンドに戻ってしばらくすると!
「よっしゃ! とりあえずあげちゃいます‼」
ヒットルアーはシャッド!
「ボトムに当たるか当たらないかのゆっくり巻きです。なんか分からないですけど、シャッドでもこれしか釣れないってことがあるんですよね!」
通い込んでいるだけはある、価値ある1匹!
「放流ですけど、1匹釣れると釣れないじゃ疲労感違いますからね。でもできればネイティブ釣りたいっすね!」
その後は、午前中に反応の良かった産屋ケ崎~浅川エリアに戻り、山上湖らしい突然の雨の中、ウメシンがラバージグでワンバラシ(目視50アップ)のみで終了~!
「いや~、久しぶりに丸1日やりましたけど、難しいっすね!」
「タイミングが悪いみたいなことを言ってたけど、いつもはもっと釣れるの?」
「いや、こんなもんです。釣れないことのが多いかなー」
「それはすげぇな!」
「今回は放流も狙いましたけど、いつもはロクマル狙いオンリーなんで!」
「じゃあなかなか釣れんわな」
「でも可能性はあるんで。ナカムラさんだって通えば釣れますよ。それが面白いっす!」
釣り場として完成されている上にロクマルが狙える癒しの山上湖。釣れるなら本気でやってみるのも悪くないなというのは本気の感想でした。
「だったらこれからはジグのシーズンなので、練習しないとですね!」
練習かー、あ、でもその前に初バス釣りたいわ!

施設等情報

■河口湖漁業協同組合
※河口湖はワームの使用が禁止されているなど、独自のルールがあるのでホームページで詳細をチェックしてください。 河口湖漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

■河口湖遊漁料金(遊漁料+遊漁税)
高校生以上=1日券前売り:1,080円。1日券現場売り:1,580円
中学生、身体障がい者=1日券前売り:440円。1日券現場売り:690円
■アクセス
公共交通機関:河口湖駅発のバスで約10分
車:中央高速道路 新宿→大月JCT→河口湖ICを降りて約7分
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

ナカムラ・タカヒコ
10年間の某バス釣り雑誌編集部員生活を経て、フリーランスとなり15年超。淡水海水を問わず、取材経験を活かしたルアーフィッシング全般が対応ジャンルだが、自分で釣るよりも釣った人の話を聞くことで釣った気になるのが得意な根っからの編集者気質を持っている。自分で釣るならちびルアーが好き。
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