釣りビジョン

2014.3.15号

太平丸・千葉県御宿岩和田港
千葉県・御宿沖、ヤリイカの“爆釣”を狙え!

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例年、2~3月頃に千葉県・外房でヤリイカの“爆釣”が始まる。今シーズンは2月後半に好釣果があったものの長くは続かず、その後はパッとしなかった。しかし、ヤリイカの本格シーズンは近いはず。その上、5日と6日、外房は大シケで、殆どの船宿が休船していた。「シケ後の荒乗り」という言葉が頭をよぎった。7日、「外房のヤリイカ“爆釣”が始まる“X-day”だ!」と勝手に思い込み、御宿岩和田港『太平丸』へ出掛けた。

集合は乗船場、駐車場は堤防の中程と手前のスペース

イカ釣り名手の友人2人、小菅義弘さん(横浜市)と永井秀夫さん(品川区)を“X-day”のネタで誘った。午前1時半、3人で横浜を出発。首都高→アクアライン→圏央道(市川鶴舞IC)、御宿岩和田港へは約1時間半で到着した。東側の堤防脇を50m程進むと、『太平丸』が見えた。駐車場は堤防の中程(船の少し先)と手前のスペース。集合時間の午前4時半頃、船のライトが点灯。やや強い北風の予報せいか、釣り人は私達3人だけ。右舷に3人並んで釣り座を取った。午前5時、大野利広船長の操船で出船、一路御宿沖へと向かった。
※集合時間、出船時間の変更に注意!

『太平丸』の乗船場
堤防の中程にある駐車スペース
大野利広船長

コンディションの悪い海、修行のような序盤戦

修行のような状況
午前6時頃、御宿沖へ到着。キャビンを出ると、北風が強く厳しい寒さ。ウネリが高く、海の状態もかなり悪かった。水深約180mで船長から仕掛け投入の合図。小菅さんと永井さん、2人共11cmプラヅノ11本の直結仕掛けを投入した。早朝の“好乗り”を期待して撮影の待機をしていたが、不発の流しが続き、2人共「”イカの触り”が無い」と呟いた。まるで修行のような状況に、「もしかして撃沈?」、不安がよぎった。撮影できないなら1杯でも多くイカを釣ろう!と私も竿を出した。

ウネリの高い海、アタリを取るのが難しい

タックルは、1.7mのヤリイカ専用ロッドに中型電動リール(PEライン4号)。「イカ仕掛けは直結!」と決めていたので、11cmプラヅノの直結仕掛け。ビギナーレベルのくせに欲張って12本のツノを投入すると、高いウネリの影響に戸惑った。ウネリで負荷が変化、アタリを取るのが難しい。この状況で小さなヤリイカを掛けるのは至難の業に思えた。暫くアタリの無い(分からない?)状況が続いた。

船宿仕掛け、標準より太い0.7mmのカンナを使用
仕掛け図

スルメイカに交じってヤリイカがポツリポツリ

船は少しずつ灘寄りの少し浅場(水深140~160m)へと移動。午前7時半頃、「乗ったよ」と小菅さん。撮影に向うと、最初のヤリイカはカメラの前でポチャッと海面に落ちた。仕掛けを手繰っている途中、手が滑ったようだ。「折角の最初のイカを…」と、小菅さんを虐めた。暫くして、永井さんがでっぷりとした大型のスルメイカを取り込むと、スルメイカに交じってヤリイカがポツリポツリと釣れ始めた。

でっぷりとしたスルメイカ
ヤリイカとスルメイカ

“入れ乗り”の“大流し”が始まった

午前9時過ぎ、小菅さんは直結仕掛けに見切りを付け、ブランコ仕掛けに変更。暫くすると、状況が一変した。小菅さんがヤリイカの3点掛けと5点掛けの連チャン。永井さんも直結仕掛けで7点掛け。これが“入れ乗り”の“大流し”の始まりだった。仕掛けを落とせばイカが乗る!「来たでしょ!今日が“X-day”でしょ!」、「船下はイカだらけ!」と、2人は大はしゃぎ。辛抱たまらず、私も撮影を切り上げ、仕掛けを投入した。

“手繰り”でバラシ連発

仕掛けを落とすとすぐにイカが乗ったが、取り込みに失敗。次も失敗。直結仕掛けの“手繰り”が下手なのだ。3回目の取り込みでやっと成功したが、その後に多点掛けが全滅。高いウネリでの直結仕掛けは思った以上に難しく、心が折れそうになった。“大流し”は30分以上続き、小菅さんと永井さんは1流しで20杯以上のヤリイカを取り込んでいた。その後、また乗り渋りの状況に戻ってしまった。

ヤリイカの3点掛け
良型ヤリイカ
“大流し”後の桶

最後を締め括ったのは大きなタコ

最後を締め括ったゲストのタコ
沖上り間際、永井さんが「なんだろう、これ?」と言いながら仕掛けを上げ始めた。かなり重い手応えに、「オマツリ?」と、首を傾げていた。海面に現れたのは推定2kg以上の大きなタコ(種類は不明)。随分と長い間釣りをしているが、イカヅノにタコが乗ったのは初めて見た。水深約150m、深場のヤリイカ釣りのゲストにタコは超珍しい。“入れ乗り”の“大流し”は1回に終わり、午前11時に沖上りとなった。

最終的にはまずまずの釣果

結果、小菅さん34杯、永井さん32杯と、まずまずの釣果。スルメイカが1割程交じった。途中、大野益宏大船長も竿を出し、短時間でヤリイカを20杯以上も釣っていた。取材日、ヤリイカ“爆釣”の始まりにはならなかったが、その兆しとも思える“入れ乗り”を目の当たりにした。私の釣果はヤリイカ4杯。実釣時間が短かったとはいえ、なんとも情けない釣果。「ごめんなさい!ヤリイカ直結仕掛けをナメてました…」と、深く反省した。

小菅さんの釣果
永井さんの釣果

『太平丸』のヤリイカ釣り

例年、外房のヤリイカ釣りは、2~3月に本格シーズンに入り、4~5月まで続く。『太平丸』のヤリイカ釣り、3月16日から、集合時間が午前4時に、出船時間が午前4時半に変更され、5月のゴールデンウィークまでは出船の見込みとの事。ヤリイカの“爆釣”が始まってからの釣行も良いが、“爆釣”を予測して釣行するのも楽しい。

『太平丸』
船宿
昼食のご馳走

(釣りビジョンAPC・野中 篤)

今回利用した釣り船
千葉県御宿岩和田港『太平丸』
〒299-5105
千葉県夷隅郡御宿町岩和田954-1
TEL:0470-68-2900
定休日:第1、第3土曜日
詳細情報(釣りビジョン)
太平丸ホームページ
出船データ
ヤリイカ乗合(予約制)
集合時間:午前4時、出船時間:午前4時30分(要確認)
乗船料金:1万500円(氷付)
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