長崎県在住のアングラー、島内聖隆。フィッシュマンのフィールドテスターとして活躍する彼は、全国のショアゲームに精通したソルトのスペシャリストだ。今回のターゲットは、堂々たる存在感を放つマダイ。いまや注目度が高まりつつある“ショアレッド”…オカッパリから高級魚を仕留める、挑戦的かつロマンに満ちた釣りである。舞台は2月下旬の五島列島・福江島。朝靄の漂う港で渡船に乗り込み、波を切って離島へと向かう。ゆっくりと姿を現す小島のシルエットが、これから始まる戦いの舞台としての緊張感を高めていく。島内「ショアレッドって、“青物やヒラスズキを狙っていたらたまたま釣れた”というイメージの人も多いと思うんです。狙って獲るのは難しい、と。でも実は……マダイって好奇心が強くて、目につくものを積極的に捕食する魚なんですよ」そう語る島内は、・青物よりもリトリーブをわずかにスローに・ギラつきの強い色を選ぶなど、マダイを意識した戦略こそが“口を使わせる鍵”だと考えている。事前情報からこの日のメインベイトはキビナゴを想定。そこで10〜14cmのミノーを柱に戦略を組み立てた。島に降り立つと、透き通る海と力強い岩肌が「ここに魚はいる」と静かに告げているかのようだ。ベイトタックルを握り、島内が最初に選んだのは10cmのキビナゴ系ミノー。「朝一番は魚が浮きやすい」と判断し、瀬際の近距離を丁寧に流していく。反応がないと見るや、キャストごとに射程を広げ、やがてオープンエリアへとルアーを通すコースを変えた。その瞬間──。島内「喰った! マダイっぽいですね、叩いてます!」アワセが決まった瞬間、ロッドに伝わる“ドン、ドン”というマダイ特有の強烈な叩き。水中で赤い魚体が舞う姿を想像しただけで、胸が高鳴る。そして海面に浮かび上がったのは、見事なマダイ。なんと本命を一投で仕留めるという、鮮やかすぎる幕開けとなった。プレッシャーを一気に振り払う一尾。だが島内の視線はすでに次を見据えている。「ここからはサイズを伸ばしていきたいですね」五島の海とミノー、その間に生まれる駆け引きは、まだ始まったばかりだ。後半戦では、ベイトタックルで挑むショアレッドゲームの奥深さが、さらに濃厚に描かれることになる。果たして島内は、この離島でどこまで“紅”を積み上げるのか。五島の静寂を破る次の衝撃を、ぜひ目撃してほしい。