C&R区間を抜け、道の駅第二駐車場の前へ。川幅7、8mで、水深はひざ下程度の流れのこの場所には朝5、6人の餌釣りの人たちがいたが、正午過ぎの今は誰もいない。皆さん、解禁日に備え成魚放流されたヤマメを早朝から狙っていたのだ。日当たりが良いので、ユスリカが盛んにハッチしている。水温を計測すると、10℃。風で波だった水面が収まると、良型のヤマメが尾ビレを左右に小刻みに動かしながら定位しているのが見える。喰い渋り、釣り残されたヤマメだろう。餌に見向きもしないが、「毛バリなら」と思い、14番の茶系毛バリをそのままキャスト。すると、ユラユラと近付いてきて躊躇することなく咥えた。ナチュラルに流れる毛バリに反応しないヤマメは、チョンチョンと誘うと追いかけ、対岸のコンクリート護岸下のえぐれに身を潜めているヤマメは、護岸すれすれに毛バリを落とすと瞬間的に飛び付いた。時間にして30分。5匹ヒットさせ、すべてリリースした。今回、C&R区間は残念ながら釣果なしに終わったが、それ以外の区域では放流ヤマメだったものの、毛バリ釣りの醍醐味を味わうことが出来た。谷にヤマブキ、フジが咲き出したら、芦ヶ久保川の“里ヤマメ”たちは活気づき、さらに良き相手となってくれることだろう。