プラグの長い歴史を振り返るとその素材は木から始まり、発泡樹脂、ABS樹脂、革……と、思い出せるのはこれくらいだ。ところが、このたび世界初とされるカーボンコンポジット製ジャイアントベイトが日本で誕生した。スタジオコンポジットのヴォルタ375(VOLTA375)である。しかし、なぜカーボンなのだろうか? 営業部の小倉慎太郎さんにお話を聞いた。小倉「これは中にガラスバブルの素材、つまり樹脂の一種ですね、それを使っていて、その上にカーボンを貼っています。利点は壊れないこと。ジャイアントベイトだと着水の衝撃で壊れちゃうことがよくあるんですね。それを改善しようというのもカーボンで作った理由のひとつです」スタジオコンポジットの公式動画で、アスファルトに置いたVOLTA375をランドクルーザーで踏みつけたり、キャストして岩に激突させたりしていたが…塗装が少し剥がれただけで、浸水なし、アクションも変わらず…という頑丈さを見せていた。これを壊すのは至難の業だろう。…他にはどんな特徴があるのだろうか?小倉「ジャークすると左右によく飛びますね。普通にただ巻きでも使えるのですが、横に距離を出すダートが特徴です。テールはPVC(ポリ塩化ビニール)製で、ちょっと硬いです。ある程度硬さがないとスライドにキレが出なかったりするので、テールには硬い素材を使っています。あと、他のルアーとは音も違いますね。水の中だとカコーンという、詰まったような重く響くサウンドが出ます」バスだけでなくアカメでもよくテストされていたそうで、かなり実績はあるそうだ。アカメや海外怪魚などのハードな使い方だと、ボディが割れて浸水するリスクも大きい。そういった一歩も引けない場面において、「壊れない」という個性は大きなアドバンテージになってくれるだろう。