釣ったハゼを全部もらった俺は、心に決めていた。テッペイ「今回のハゼは、天ぷらにする」15cm級のハゼ5匹は背開きにして、天ぷらに。残りの82匹は、鱗と頭と内臓だけ抜き、2度揚げして唐揚げに。正直、天ぷらは初めての挑戦。見た目はよくないが、味はどうだろうか? 身がふわふわとして、咀嚼するとハゼ特有の旨味が、口の中に広がった。皮の香ばしさが身との間にある脂に溶けると、滋味が増すのだろうか? ふわふわとした身に染みていくようで、絶妙な味だ。娘に1匹だけ渡し、残りの4匹は自分で食べてしまった。骨ごと食べられる唐揚げも家族に大好評。池波正太郎の「剣客商売」に、江戸前のハゼを生醤油と酒でさっと煮付けたものを出す料理屋が出てくる。次にハゼ釣りに行ったら、脂の乗ったハゼでそれをやってみよう。文豪になった気分で、一杯やりたい。もちろん、次回こそ時速100匹を達成して。(無理か)