釣りビジョン

大鮎に火振り漁!アユで賑わう長良中央!

2023年10月28日公開

1040_main

今シーズン最後の遠征地に選んだのは岐阜県・長良川。地元の方々の釣行に誘って頂き、今回はまだ竿を出したことのない、初のポイントへ向かう事になった。訪れたのは10月初旬。この時期、“大鮎”釣りで本領を発揮する長良中央管内へ!川はシーズンの終わりを惜しむ釣り人達で賑わっていた。

【この記事を書いたライター】SHOHEY

極寒の朝にも関わらず賑わう長良川!

美濃のパーキングに到着し、車を降りると「おお〜寒い」。気温は13℃。3週間前に岐阜に訪れた時には半袖Tシャツで過ごしていたのが嘘のようだ。しかし、空は秋晴れの何とも気持ちの良いお天気だった。そう!釣り日和である。

早速オトリ屋さんへ!オトリ屋さんが近づくと何やら多くの車が見えて来た。「え?これ全部釣り人?」。この混雑っぷりには驚くばかり。さすが!長良川である。順番を待ちやっとオトリアユを買うことが出来た。今シーズはオトリ屋さんにアユを提供する養殖場でアユの病気が発生してしまいどこのオトリ屋さんでもアユ不足であり、今回お世話になった『矢島オトリ』さんでも1人2匹までと制限が設けられていた。オトリがなくなり次第今シーズンの営業は終了とのことだ。

「アユは沢山いるのに…」と、オトリ屋さんも残念そうだった。貴重なオトリを携えポイントへ。「今日は何としてもオトリを弱らせぬようにしなければ〜!」。今回向かったポイントは好調だと言う「おみたらしの瀬」。ここは500m以上の長さのある人気の瀬でシーズン中は釣り人が絶える事のない好釣り場である。川を見渡せば既に多くの釣り人で賑わっていた。

瀬は満員御礼!と言うことで、瀬落ちの空いているポイントから始めることに。初めてのポイントと言うのはワクワクする!想像していた通りだが水温は低く冷たい!水没したらとてもじゃないが釣りにならないだろう。転ばぬよう注意が必要だ!しかし川の石は大きく不安定なものも。これが実に良く滑る!流れも見た目よりも押しが強いので十分注意が必要だ。先ずは左岸の浅瀬に立ちヘチから様子見である。

大きく成長した“長良アユ”のアタリは最高!

足元の石には大きなハミ跡が見られる!“大鮎”に期待が高まる!今日はオトリが弱ってしまったら終了!である。最新の注意を払い足元から丁寧にオトリを送り出す。竿を立て泳がせから。

オトリは驚くほど良く泳いでくれている。アユの姿を目視する事は出来ないが、オトリアユの動きを見ているとアユの気配ビンビン!である。近くにいるはず!焦らず目印がブレぬよう注意しながらその時を待った。ギュギューン!その時は突然やって来た!強烈なアタリ。竿が大きく曲がった!この1匹を取れるかで今日の釣果に大きく影響してくる。バラさぬよう慎重に寄せる。空を切った掛かりアユはバッチリ背掛かりだ!タモに収まったアユは良型の雌アユだった。お腹の張った感じを見ると子持ちアユであろう。幸先の良いスタートとなった。

上流の釣り人にもHIT!日が昇り気温が上がって来た事で活性が上がって来たようだ。雌の掛かりアユを放つとこれまた良く泳ぐ!グングン流心へと向かって行く。流れが強いので竿を寝かす。上流へと泳ぎ目印が自分の前に来た時だギュギューン!又してもキタキタ〜。いや〜このアタリたまらん!すっかり寒さも忘れアユとのやり取りを楽しむ時間が続いた。

 

午後には入れ掛かりタイム到来!

休憩を挟み午後の釣りへ。川には更に釣り人が増えていた。午前中よりも下流の緩い流れからスタート。朝のポイントとは違いアユの姿が見えるのだが中々掛からない。やっと掛かったアユは小型のアユ。上流の瀬で竿を出す友人を見ると良型であろうアユをバシバシ掛けているではないか!どうやら少し立ち込み流心を狙った方が良さそうだ。上流に移動し私には珍しく腰まで立ち込み曳舟からエースの雌アユを出動させる。

ひと流し目、オトリアユが沖へと出た瞬間!ギュギュギューン!今日イチの良型のアユが掛かった。ここから3連チャン!「あ〜たのし〜長良アユ最高じゃ〜!」。ここで最後に掛かった良型の雌アユを誕生日だった相方にプレゼント(笑)!ここから相方にも連チャンが!最高のバースデイフィッシュとなったことだろう。数が出るわけでは無いが、1匹、1匹の良型アユの引きは数にも勝る大満足なものとなった。

漆黒の長良川に舞う光は「火振り漁」

陽が暮れるまで川に立ち大満足の一日となった。今日は地元の釣り人の方々が色々な料理でもてなしてくれると言う事で楽しみにしていた。気温も再び下がり河原は寒かったが、岐阜名物の「けいちゃん」は冷えた体に染みる美味しさだった。楽しい宴は笑いで絶えぬ時間となった。そんな中何やら川が騒がしい…。バチャンバチャンと川面を叩く音が。真っ暗になった川の静寂に火が舞っていた。「火振り漁」である。

「火振り漁」とは火や光、音を使い、驚いて逃げるアユが仕掛けた網に掛かると言う秋に産卵の為に川を下る「落ちアユ」の習性を利用して行われる伝統漁法である。漁師が振り回す光が闇に舞い川面を焦がす情景は何とも幻想的で美しいものだった。

今回の遠征は、“大鮎”に歓喜し、地元の方との素敵な出会いがあり、長良川の幻想的な姿にも出会えた、今シーズンを締めくくる素晴らしい時間となった。長良川に揺れる光を見ていると残り少ないアユシーズンを実感し、ちょっぴり寂しい気持ちになった。

※10月初旬に釣行

施設等情報

『長良中央漁業協同組合』
日釣り券2500円(女性1250円)年券1万円(女性5000円) 『長良中央漁業協同組合』ホームページ

施設等関連情報

「矢島おとり店」
岐阜県美濃市横越736
0575-33-2833
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

SHOHEY
鮎にゾッコン!ずっと川に浸かっていたいと思う日々を過ごす。3~4月は渓流釣り、5~10月の休みは全てを鮎釣りに捧げ、全国各地を「鮎な夏!」で駆け巡る。主催するアウトドアの団体にて、キャンプや釣り初心者のためのイベントなども開催。
このライターの他の記事も読む

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部